砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

高松宮記念予想が始まる・・・!

今年も芝のG1が始まる。メンツが微妙だけれど、まぁ仕方がない。

勝ち馬の傾向と配合

高松宮記念は先行馬有利の条件で、差して勝ったのはロードカナロアのみ。先行馬有利というよりも、強い馬が前から押し切ってしまうというレース。並の馬は登坂でズルズル落ちていくから。

12年と14年は母父トニービンが勝っていて、欧州の本格派Hyperionが活躍。しかし近年はセイウンコウセイ(母父Capote)、ビッグアーサー(母父Kingmambo)など北米系の短距離血脈で走るパターンが多く、これは馬場の高速化と無関係ではなさそう。(エアロヴェロシティも母父は短距離)

どちらかと言えば軽やかさが重要であり、重さが出ると登った後に「粘り」が出てしまう。最後まで軽やかに鋭く走る表現が好ましい。父からそういった要素を取り入れる必要があるだろう。

粘りとしてのHail to Reason

Hail to Reasion(以下HtR)はサンデーサイレンスやRobertoの父系として著名で、他にSadler's WellsやSeattle SlewCaerleonに見られる。

そして日本競馬ではサンデーサイレンスの影響が大きい。

この大影響のHtR血脈が持つアドバンテージはHyperionの遺伝。有力な後継種牡馬Hyperionを弄っていないものはない。そしてそれは大抵の場合でスタミナ的なものである。

HtR自体がまずHyperionとの結びつきが強くあって、上記においてもSeattle Slew以外はみなHyperionを取り込んで血統を紡いだ。逆に言えば、HtRを異系として扱ってHyperionの累進を行っている。

だから現代日本でHtRをクロスすると「スタミナHyperionを根っことした千八瞬発」か「スタミナHyperionによる中距離~中長距離押し切り」に出る。前者はディープ産駒の典型例であり、後者はエピファネイアが代表例。

Hail to Reasonとそれ以外の成績

過去の勝ち馬で完全な非HtRを貫いたのはロードカナロアエアロヴェロシティの2頭のみ。香港で王者となる短距離馬はHtRを頼らず、高松宮記念はその類の速さで勝ち切れる。

その他は皆HtR持ちであり、勝ち馬のみならず馬券になった馬が全て該当する。

逆に非HtRの馬は、勝ち馬2頭を含めて、トウカイミステリー(8着)、サンダルフォン(16着)、エーシンダックマン(17着)、アイラブリリ(11着)、エーシントップ(4着)、アフォード(7着)、アンバルブライベン(15着)、リトルゲルダ(16着)、エイシンブルズアイ(5着)、メラグラーナ(10着)、ラインスピリット(13着)、トウショウビスト(18着)で2-0-0-1-1-10という数値。

日本競馬において非サンデー非HtR配合馬の調教をこなす人材が稀である・・・という意味もあるかと。コツを掴み初めたころにはスプリンターのピークは終えているから。ロードカナロア安田隆行師は弱HtR血統馬や非HtR血統馬の調教に秀でており、他にトランセンド、スタッドジェルラン、ホーマンスピリットを管理した名調教師。

よほど傑出したものでなければ馬券に絡めるべきではない。・・・けれどオーストラリアの四角外馬ブリザードがいるのよねぇ。これも非HtR。スプリンターズより上のパフォがあるかも。


次回、本格的な展望を。


[fin]