砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

菊花賞予想 フルーキー

スマートレイアーのような困らせっぷりを見せるこの馬。


強いのは確かだ。連戦連勝で1000万下をすっと勝てるのは強い。

日程面の問題もないし馬体の成長もある。

しかしそれだけに粗を探したくなる。

まず、人気し過ぎている。

そりゃ1番人気で勝つというのが強い馬だ。

しかしここまで人気していると「格下を選んでいる」という疑惑が持ち上がるわけ。

実際、名のある馬とのレースはあまりに少ない。

富士ステークスに出走予定のブレイズアトレイルに負けているくらいだ。

マイルから距離延長して1800m。菊花賞を狙っているのならば2000mまで伸ばせばいいのだ。

それをしないということは・・・格下を選んだということで間違いはないだろう。

条件戦なんてそういうもんだから当然だ。

だからこそ、戦績を鵜呑みには出来ない、ということです。

そもそもどこでもきっちり1着とれちゃうのなら馬場の適性も距離の適性も図りようがない。

そのくせ勝ち続けてるから人気をする。軸にすれば美味いが軸にするほど信頼性がない。

俺はこういう馬が大嫌いです。

だって。

「これは揺るがない」という地盤がないから仮定を積み重ねられないんだよ。

仮の土台に仮の大黒柱という具合だ。怖や怖や。

本格化の兆しを見せたフェノーメノがそういう困らせ方をした。

昨年の秋天を3歳ながらも2着。今年の春天を勝利。さぁ、宝塚記念だ!って言うんだよ。

どうしたらいいのさ。不安要素は春天の疲れと夏の輸送だけ。

日程は厳しくないから疲れはある程度割引できる。つまり輸送が全てだった。

結局スタートで煽って終わりだもんね。

あれがなけりゃダノンバラードの先行は許さなかったはず。

レース直前じゃなけりゃ土台が分からない、というのは困りものだよ。

もっとも。今ならば輸送前後の体重を見比べてるという方法を知ってるけどね。

G1はこれがあるから嬉しい。

ということでフルーキーは難しい。難しい、が。

野分特別で見せた長い脚は魅力的。

あれを3000mで使うことが可能ならばエピファネイアに匹敵するはずだ。

しかし位置取りが難しすぎるのではないか。

菊花賞の位置取り競走は熾烈を極める。ペースが落ち着く1200mまでハイペースが続くのだ。

それから5ハロンの間は13秒あたりをふらふらとラップし、2200mあたりから12秒を切るペースが800mもの距離にわたって続く。

フルーキーの差し脚は一級品だ。

しかしそれがあってもなお、最後方待機は難しい。ていうか無理。3戦目でそれは実証されている。

だからどうにかして前に出なけりゃならない。10番手以内にどうにか付けたい。

しかしそれも難しいと読む。

なんたって先行有利な上、逃げ馬がスローをお望みだ。先行勢が厚くなりそう。

つまりフルーキーは激しいポジション争いに晒される。

ところが浜中という男は意外なことで思い切りが良い。

「お前、その選択が賢いとでも思ってんの?」と言いたくなるくらいに。

人によっては「小賢しい」と思うほどに思い切りの良いことをしてくる。

今回であれば・・・馬なりに任せる、とか。

開き直って最後方待機というのも。

しかしまぁ、距離不安のある馬だから無理に前はいかないと思う。

もちろん、その考えを押しのけて「大丈夫大丈夫」と争いかけるのも浜中らしいかもしれない。

「意外と大丈夫だったねw」ということもあるのだから。

(それを言ったらなんでもありじゃないか)

「なんでもあり」

はい。これはとっても大切なことだと思うのです。

「流石にそんなことねぇよ」と見限っちゃいけない。

その馬鹿げた考えに肉を付ける。実現に近づける。想像力にストッパーを付けてはいけない。

ただただゆっくりと積み重ねる。

ただ、想像力を総動員して何十パターンも考えださなきゃいけないのが難しい。

この予想法における負けってのは「このパターンは予想してなかった」って事態。

関屋記念レッドスパーダが悠々と逃げることなんて想像もしなかったよ。

新潟記念のエクスペディションだって何を考えてあんなことをしたのか今も分からない。

京成杯AHのエクセラントカーヴは勉強不足だった。ありゃ強い。

京都大賞典ヒットザターゲットも想像の外。アンコイルドも同様。

札幌記念アスカクリチャンも想定外。抑えてはいたが。

まだまだあるよ。どんだけやればいいんだよ。

やっぱりね。ストッパーをかけてしまったらいけないんだよね。

京都大賞典に限ってはいい線いってたのに。

「ゴルシ惨敗=高速馬場」「ゴルシ先行+惨敗≒前崩れ=後方馬台頭」

ゴールドシップ負け、という穴党的考えを更に飛躍させればよかったんだ。

アンコイルドも「距離延長=控えた競馬」と少しだけでも頭をよぎらせりゃよかった。

(前崩れを吉田隼人が予想していた可能性もある。あとアンコイルドの新しい可能性を提示したということも。)

まぁ、何度悔やんだかわからんけれどそういうことです。

今もテイエムイナズマはどうにかなんねぇか、と思ってるんだ。

あー、フルーキーなぁ。

やはり・・・エピファネイアをマークしにいくのかなぁ?

脚の質はそっくりとまではいかないけど似通ったタイムは出す。

あとは同じ位置からいけるかどうか、だ。

今回の菊花賞は・・・考えれば考えるほど面白いね。

浜中が福永をマークすれば福永は難しい展開を強いられるよ。

同じ厩舎だからそこまでやれるかどうか分からないけれど・・・。

そこら辺は次回「展開よみ」にて。

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