今年は逃げ馬不在。これは大きな大きな問題。プローブレムっ!
さて、逃げ馬不在の有馬はあったのだろうか、調べてみる。
2010年が不在だね。仕方なしに逃げたのがトーセンジョーダン三浦皇成。
コレは俺の好きな三浦皇成だわ。やたらと不器用でやたらと攻撃的な騎乗。5着まで残ってるから大したもんだ。
しかしこれは・・・うーん。
13秒台を2ハロンにわたってラップしている。ドスロー。それ以前も12秒台後半とかの緩めだ。
でも1300mからは一気にハイペース。
1300-1500で12秒3、1500-1700で11秒5を記録。速い。
1700-1900で12秒0。ゆるめて。1900-2100で11秒7。ペース上げ。
2100-2300が11秒1のハイラップ。2300-2500も11秒8と11秒台をキープしてる。
つまり
下り坂でビューンと行って、ちょいと抑えて、4角まわって、ドヒューン。
明らかな後傾ペースだけどロングロングだね。これなら機動力に秀でたキンカメが滑り込めるのも納得。
普通のサンデー系じゃ最後の3ハロン勝負まで辿りつけない。
結果がまた悲惨だからね。先行馬がそのまんま、よ。
3着 トゥザグローリー 2番手 キンカメ
5着 トーセンジョーダン 逃げ ジャンポケ
6着 ルーラーシップ 4番手 キンカメ
近年の好走歴とはまるで似つかない。
本題は次。2着のブエナビスタのこと。スペシャルウィーク産駒。
こいつは例外中の例外。このペース、この展開で8番手から大外一気でやってきた化け物だ。
ロングハイペースの中、3角4角で番手を上げて直線一気で2着まで来た。化け物。モンスター。
エイシンフラッシュが10番手から追い込んで7着、というレースだ。
このレースの先行勢の機動力ってのは並大抵じゃなかった。
(ちなみにその時交わした馬ははネヴァブションとオーケンブルースリ、フォゲッタブル。いずれも旬を過ぎた馬である。)
このレースを見ると・・・安藤勝己ってのはすごい騎手なんだね。マジで。ペルーサを4着まで持ってきた。
本来のペルーサってのは追い込み馬。後方待機の馬なのよ。
そりゃスタートが苦手な馬だけども、出遅れしすぎる馬だけども、ここまで先行するとは思わない。
今年に当てはめて考えてみると・・・こりゃ意外と面白いかもしれないね。
ブエナビスタがハナ差まで差しているのだからオルフェが同様に差せないはずがない。
しかしヴィクトワールピサくらいの先行馬はいないんだよね。
5番手以内につけてきそうなのは・・・
カレンミロティック、ラブリーデイ、ルルーシュ、ダノンバラード、トーセンジョーダン、エイシンフラッシュ・・・
やはり小粒。
しかもこの場合に求められる先行馬ってのは「前目で競馬して差す」って馬じゃない。
「前目で競馬して惰性で突っ走る」って馬。ハイペースのリズムでビョ~ンといける馬よ。
溜めが必要な馬はダメ。コテコテのサンデー馬とかは使えないのよ。
だからカレンミロティックの番狂わせはないね。ペースの緩まないロングハイペースだと。
こいつはエイシンフラッシュに似た形。金鯱賞は4角あたりでペースが落ち着いてるからさ。
一定の機動力、そして溜めのきく瞬発力、これらが大切だった。
逆に言えばカレンミロティックやエイシンフラッシュは前で競馬することは出来ないのよ。
内に何頭か入れたらダメよ。最内で溜めるような競馬が出来ないとこいつらはダメ。
しかし有馬記念というのは不思議なもので、綺麗な勝ち方をした例って少ないのよ。
泥臭いというか野蛮というか、ナタで断つような勝ち方が多い。つまり能力差でざっくりと勝ってしまう。
「上位人気馬3頭が拮抗していたけどロスの少なかった馬が勝った」なんてことは全くない。
しかし「弱い馬が勝った」ということもない。「中山巧者だから」なんて巫山戯た勝ち方はマツリダゴッホで十分よ。
しかし・・・格が足りないかな、という勝ち馬も存在する。
中山巧者というわけでもない。G1勝利は有馬記念のみ。有馬勝利からは重賞勝利すら出来ずに引退した。
シルクジャスティスですね。綺麗な勝ち方、てのをした少ない例。
後方待機からジワリジワリと馬群を進み、直線向いて9番手。馬群外目。そこから一気!
1番人気マーベラスサンデーをアタマ差で交わしきった。
メンツもね。そんなに悪くなかったんだよ。
宝塚記念勝利馬マーベラスサンデー、秋天1着、JC2着エアグルーヴ、牝馬2冠メジロドーベル。
(マーベラスサンデーはともかく、中山適性の薄そうな豪華メンバーではある)
今回はやっぱり・・・有馬勝利馬が2頭もいるわけで。
しかも中山2500mを席巻し続けるステイゴールド産駒。(フェノーメノも同条件のG2競争である日経賞を勝っている)
繰り返し繰り返し書くけれど番狂わせは起きようがないのです。
愛知杯的な番狂わせは絶対に起きない。起きるとしたらビートブラック的なもの。
押し切って勝負すらさせないような展開でなければ・・・。
逃げ馬不在であるから土俵入りは免れない。
最低でもブエナビスタ式にやってくる。先行前残りを許さないレベルの馬であるはずだ。
しかし・・・こうなると・・・ヴェルデグリーンをもっと知らなきゃなんねぇな。
というかジャングルポケット産駒のことになるか。
だってトーセンジョーダンみたいな変な馬までいるんだよ。ヴェルデグリーンと異母兄弟なんて思えねぇ。
この2頭が今年の有馬記念の運命を決めるよね。絡むか絡まないか。荒らすか荒らさないか。
仮にヴェルデグリーンが全盛期のトーセンジョーダンみたいな馬だったら・・・?
鞍上鞍下共に「中山巧者」という組み合わせはマツリダゴッホと蛯名正義と同じ。
トーセンジョーダンの様な不思議脚を同様に持っているのであれば・・・有馬記念では鬼に金棒だろう。
(他の競争だと邪魔なだけだが・・・)
次に調べるべきは・・・
ヴェルデグリーンとトーセンジョーダンの類似性、というもんでしょうか。
ペルーサみたいに強襲先行、という可能性があるならば・・・。
その上でトーセンジョーダンの機動力があるならば・・・。
いやいや、夢物語だね。
しかしディープを打倒したハーツクライのこともある。
「差すことは想像できないが差されることも想像できない。」
それならば、と前で競馬して勝ったパターン。
まぁつまり・・・。
俺はヴェルデグリーンに全盛期のトーセンジョーダンを望んでいるんです。
老いさらばえたジョーダンではアタマに届かぬ。しかし油の乗ったBMSスペの5歳馬なら・・・。
衝撃が起こるのならば「世代交代」か「老馬の奇襲」と考えていた。
しかし同世代の超新星に敗れる、というのもドラマチックである。
[fin]