なんて思っていたら想像を超えた大惨事じゃないか。
そしてまた後藤が首をやってるし。
後藤というのも好位差しの名手ですから結構狭いところを抜ける人なんですよね。
ニョコっ、と現れて「どこから抜けてきたこいつ」って。
岩田というのもアレですからね。
内で溜めて、壁が開くのを待つ。強い馬じゃなけりゃ辛抱強い人です。
今回は二人の差し場がかぶってしまったために起きたトラブルですね。
岩田というのも後ろを見ない人ですからこういうのは日常茶飯事的に起きます。
それにしても今回の後藤もきっついところから抜けようとしていますわ。
田中勝も地味に内へ締めているし。
岩田と後藤、というのは過去のNHKマイルで事件が起きています。
これは岩田が明らかに悪いので今回も尾を引いているのでしょう。
浜中のリベルタスが内に行って隙間が開くんですよね。
その瞬間後藤は追ったし、同時に岩田も左鞭を入れた。
後藤も結構無理してるんですよ。
開くのを待つならさっさと岩田の隣まで抜けてしまえばいいのに可能性を残して右後方にいるんだもの。
開かなきゃ外から差そう、という腹だったでしょ。
そのくせ開いた瞬間追い始める。
岩田の後方不注意を責めるなら後藤も岩田の左鞭を見なかった前方不注意も責めなきゃ割りが合わないよ。
岩田は直線に向いてからずっと辛抱してるんだもの。
浜中リベルタスの動きを見て少しずつ外に馬を向けて開いた瞬間左鞭一発二発さ。
追ってから馬が伸びるまで、馬が鞭に反応して右に動くまで。
どっちが速いかなんてまた微妙な話ですから騎手のどっちが悪いかというのも微妙な話です。
だって追うのも鞭入れるのも同時なんだもの。
ドバイのジェンティもすごいことしたでしょ?
あれを思えば岩田の左鞭はかわいいもんだと思うよ。
あれが事故にならなかったのは騎手が上手かったから。
ライアンムーアじゃない。周りの騎手が上手いから事故の前に避けることが出来た。
騎手からしたら「てめぇあんなのないべやっ!」ってキレたくなるわ。
けども競争中止になったら自分の命も危ないし、馬主から預かってる馬の命も大事だ。
だから事故ってのは避けなきゃならない。
だから危ないやつがいたらさっさと避けるのよ。
危ないやつってのは下手に責任感の強いやつよな。
物語でもそういうやつは気がついたら暴走してるでしょ。
岩田はそういうタイプでしょ。「勝たしたる」みたいな。
だから土壇場で注意力が散漫になる。これはストレスとかプレッシャーに負けてるんです。
ああいう騎乗をわざとやってるとしたらまさに極悪人ですが・・・。
多分、人間的に弱いんでしょ。騎手としてはね。
後藤が重傷を負って被害者のようではあります。
しかしスポーツってのは、一流が争うスポーツの事故ってのは大概がお互い様なんですよね。
そこで「いやいや俺が」「いやいやいやいや俺が」と責任を背負いたがるのが一般的ですが
命をかけた危ない世界に生きる人たちは「てめぇこのやろう!」「てめぇこそこのやろう!」でしょう。
そういった負けん気がなけりゃ成功しない世界でしょう。
そして落ち着いた頃に「あれはなかったな」と次に活かそうとする。
それもまた必要なのでしょうねぇ。
しかし岩田からあの危険な勝負意識を除いたら一流ではなくなりますね。
岩田は度胸がない。だから割り切ってるんでしょう。「チャンスがあればとにかく飛び込む」って。
その割り切った部分が事故を起こす原因だし異常な勝負強さを発揮する源でもあるから・・・
まず岩田が関係する事故ってのはなくなりはしないでしょう。
そもそも後藤の危機管理能力の低さってのもまた問題ですよ。
似たもの同士なのかもしれません。
勝負どころでは正体を失っているのかも。
[fin]