砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

面目躍如のディープ祭り クイーンステークス回顧

まさかオツウがアレだけ突っ込んでいくとは。


オツウが張り切って逃げたお陰でロンスパ展開になりました。

ロンスパになると基礎スピード能力の高いスマートレイアーがどうしても台頭してしまう。

そして縦長になったから4角で大きく馬群がひらいて内が空いてしまった。

それでもマーブルカテドラルあたりは詰まっていましたが・・・

内馬場のど真ん中を突き抜けてきたアロマティコには最高の展開だったでしょう。

内をロスなく突き抜けられたのだから・・・。

アイスフォーリスは持久戦が得意ではあるんですが・・・

あれだけ勢い良く突っ込むことになると終いの脚は足りないですねぇ・・・。

一応4着は確保しているのだけど・・・ちょいと上の3頭相手では足りない形。

ああなってしまうとディープ産駒がしっかりと伸びるんだよ。

やっぱり2000m未満のロンスパ戦となればディープ産駒は欠かせないんですorz

まさかオツウが単騎逃げまで持っていくとは思いもよらない。

そしてフィロパトールが好位にこだわるあまり馬群に埋もれてしまうという馬鹿げたことを。

確かにオツウはもまれたら終わりだから単騎逃げが望ましいと言えば望ましい・・・。

それでも大外から一気にまくって逃げるなんてことは想像できなかった。

ディアデラマドレは伸びなかった。

こいつはスローからビュンっ!と抜け出るような展開じゃないといかんのです。

レコード級の争いではちょいと足りませんね。

キンカメ産駒だし、と洋芝をこなせると思っていたけど・・・。

いや、こなせはするのだろうがベストではないのでしょう。

ましてやこのスピード決着ではね。トーセンベニザクラが外に膨らんで来ていたし。

ケイアイエレガントは完璧に潰されたね。オツウに。

溜め逃げしか出来ないからあの形になってもオツウを潰し返しにはいけんのです。

最内枠に入ったし楽に行けるじゃん、と思ったらこれですよ。

だから3角に侵入した時点でこいつは終わってた。

あの状態から4馬身5馬身の差を詰められるスピードはない。

それがあるのは外からマクリ気味に飛んでくるディープの悪魔達だけ・・・。

キャトルフィーユはアイスフォーリスの上位互換と言えますね。確定。

内で詰まり気味に抜け出す形ならともかく、縦長からまくっていけるならベストパフォーマンスですわ。

唯一の懸念材料だった「内枠」。オツウが完璧に好材料に変換してくれました。

内回り、小回りをまくらせたらちょっとレベルが違いますね。府中牝馬なら買いですよ。

(でも中山まくりじゃ足りない)

競馬の質を言えば大阪杯だとか阪神牝馬っぽい形でありました。

違うのは小回り専用のアロマティコが馬群を割いて差してきたこと。

これはマルセリーナ的な感じですねぇ。

三浦皇成は本当にいい競馬を提案してくれたと思います。

小倉大賞典で大外を回った北村友一に机を投げてやってください。

小倉大賞典を買っていない俺としては好机上だけども。「外からでも5着行けちゃうんだ!」って。

5着といか3着の一線まで届かせたからねぇ。2着争いまであと半馬身だぜ?

こうして見ると小回り巧者と言える馬はアロマティコしか来ていない。

マコトブリジャールが好走しているし外回り的な競馬になった面もあるんだよね。

阪神外回り(直線短い)みたいな感じかっ!

キャトルフィーユはこういった滑らかに加速していくスタイルがベストだ。

アロマティコは内に潜り込んで加速力&機動力で馬群割り。これもまたベスト。

スマートレイアーは能力差で4角をこなして、直線で一気に加速。ベターですか。

今年はちょっと過去に比べて毛並みの違う展開でしたね。

勢いのある逃げ先行馬を大外枠に配置するとこんなことが起こり得るのか。

一つ勉強になりました。

松田大作メイショウナルトみたいな逃げ方してみたかったのだろうか。

あれは初めの直線が長くて差しの届きづらい七夕賞だからこそ出来るのだよ。

ましてや今回のように人気馬が差し先行に集中している展開では付いてこないし。

札幌記念ならちょっとおもしろいかなぁ。

もうちっと補足すると・・・

今年のクイーンステークスは持続戦になった。

スマートレイアーもアロマティコも最後の一伸びが足りず、という形ですが

あれだけ追い出しの差が出てしまうとロングロングで先行から押し続けるジリ脚が有利になります。

東京で目一杯ジリジリさせたヴィルシーナ阪神内回り2200mでもジリジリできたわけですから

キャトルフィーユも同様にやれるとは考えられました。

アイスフォーリスもジェンティとヴィルシに続く3着をオークスで得ているのですし

それらと似たジリ脚を持っているはずだと、マーメイドSで再確認させてもらい、ここで買った。

最後の最後にビュンっと抜け出すような事をやれる器用さはスマートレイアーになかったし、

アロマティコもやはり縦長のロンスパになってしまうと最後の伸びが足りなくなる。

スマートレイアーのベストはどこにあるのか検討がつきません。

モチジュン先生は「1400m専用機」という風に見られておられる様子ですが・・・

それならヴィクトリアマイルでもうちっと着順を上げていてもいいような。

ケイアイエレガントが1800m的な脚で粘ったのはわかりますが

あれだけ前が塞がって脚を余していた中でなら終いが伸びても良さそうなもんだ。

(追ってなかったのもあるけども)

となると長い直線は不得手とするわけで。

更に言えば小回り<内回りとやや細かい設定が入り・・・

2000mは良くない。1800mはベストにならず、1600mは外回りになる。

そういう意味で1400m巧者、と見られているならばなるほど、スマートレイアーは1400m巧者ですよねぇ。

つまり距離的に1400mがベスト、とかではなくコースまで考えてのことですか。

ははぁ。なるほど浅慮でありました。

内回りのマイルはないわけですよねぇ。

中山も外回りマイルだし。

ましてG1となれば東京京都だし。

思い切りストライドでビュンビュンぶっ飛んでいくスロー&スパートのマイルCSとか厳しすぎる。

溜め逃げでもすりゃ話は別だろうが。

しかしこのレコードタイムのなかで1800mを目一杯追い詰めたのは能力ゆえ。

最終的には夏スプリントの王者にでもなるんでしょうかねぇ。

[fin]