昨年のトレヴなんかは斤量で得をした、というイメージで
その利をそのまま使ってやろう!ってのがハープスターですよね。
ジャスタウェイは夢を追っている感じがあります。
対欧州専用の「日本現代競馬の結晶」として頑張って欲しい。
ジャスタウェイって日本競馬のスピードをそのまんま海外に持ち出せるわけです。
ディープインパクトは高速競馬の申し子という意味で「日本現代競馬の結晶」ですが
こいつは日本競馬のスタイルを欧州に適応させた・・・
国外へ向けた日本競馬の挑戦状。その意味で「日本現代競馬の結晶」と言えるのではないか、と。
ただし2400mをこなせるかは分かりませんね。
スローから流れるのが凱旋門賞でありますから後方競馬に徹してみればなかなか走りそう。
一番の問題はゴールドシップですねぇ。
昨年の秋は悲惨でしたから・・・きっちり仕上がってくれるのか。
能力そのものには何の心配はありません。ジャスタウェイよりも期待出来るくらい。
理由を。
まずオルフェーブルとの対比ですね。
「有馬であんなに負けたじゃないか」と。なるほど。
しかしゴールドシップは強靭なストライドで走る馬だから小回り中山2500mはベスト条件じゃありません。
オルフェーブルはベストオブベスト。
更に言えば、あの時のゴールドシップは復調していたかどうかがイマイチ分かりません。
逆も言えますがね。復調してあれならば凱旋門も怪しい。
中山2500mはピッチでグイグイと速やかな加速をされたらまず話にならない展開ですわな。
トゥザグローリーなんかが穴を開けてきたのもそういう理屈でしょう。
そういう「穴馬」的な要素を内包した圧倒的人気馬がオルフェーブルでした。無敵です。
対してゴールドシップはストライドの外捲りですからなかなかやりようがない。
確かに一時期の中山は外捲りのストライダーがアタマから穴を開けることが多いです。
しかしスピード差のあるピッチが外捲りに突っ込んできたら流石に負けます。
なぜならストライドの馬はあくまでも「セカンドベスト」であって、ピッチにゃ敵わない。
それでもアタマから穴を開けるのは壁が出来るからです。
内でピッチがまごまごしている間にストライドがきっちり加速して馬群割のピッチをなんとか制する、という図式です。
しかしオルフェーブルのようにスピード能力の高いピッチがいると
グイグイ加速して4角で勝負を決めてしまうのです。有馬記念であれが出来るのは異常です。
普通は番手を二つ三つ上げるのが限界なのに4角で全部まくって1馬身差つけてしまう。
壁が出来る前から仕掛けて内に2頭3頭いれた状態で一気に加速しちゃうんだもん。
一言で言えば「有馬記念はオルフェーブルのベストパフォーマンス」ということで
もう一言付け加えて「ゴールドシップにとって有馬記念はセカンドベスト」ということです。
ストライドで走る馬のベストはどう考えても外回りでしょう。
しかし外回りとなれば・・・はい。速い馬がいくらでもいて話にならない。
走法からすれば京都大賞典なんて余裕勝ちしなきゃならないのに馬場が速過ぎるorz
土日と雨が降り続いた春天ならゴールドシップは絶対に負けないはずなんだよねぇ。
凱旋門賞ってのは時計が遅い。2400mで2分30秒台の決着がザラだ。昨年も一昨年もそう。
(一昨々年が24秒49のレコードタイムだが20秒台決着は珍しい。
10年間で見ると20秒決着が多いのだが5年間で見ると3対2で30秒決着が多くなる。
でもディープの年なんかは26秒台だったとかそんな話もあるから鵜呑みは出来ない)
まぁ、それは道中のラップが遅いだけで馬場と直結したものではないのですが・・・。
方向性としては日本らしい「スロー&瞬発」な展開になりますか。
ネットを使って予想をする人たちにゃ御用達と言えるサイトはいくつか有りますが・・・
「mahmoud」というまたラップ解析を垂れ流してくれる神様みたいな人がございます。
その人のブログによれば昨年の凱旋門賞は・・・
前半1400mがアベレージで12秒93。オルフェあたりは13秒10。
展開としてはかなりのドスロー。
残りの1000mが12秒10。オルフェが12秒きっかし。
この分け方で見てみると分かりやすいくらいに後継ペースですねぇ。
ただ日本競馬みたいに10秒台を記録するほど速くなることはない、ということです。
上がり3Fはトレヴが34秒59、オルフェが35秒10。
別に切れってのが必要ないとは思いません。
それでもオルフェーブルのピッチ脚ってのはそこまで凱旋門賞に向くわけじゃないのかな、と。
基本的に小回りでビュンっ!とするのがベストであります。
・・・でもスローならピッチ脚はありなんだわな。
ジェンティルドンナと叩き合ったジャパンカップあたりも似たもの同士の叩き合いになったし。
問題はやっぱりそういうことで。
「ジェンティとオルフェが叩き合ったジャパンカップにゴールドシップがいたら」
自分の競馬に徹して外からグイーンと伸びることが出来たのだろうか?って。
とてもとても想像が出来ないよねぇ。でも適性を考えたら出来ないなんてことはない。
適性そのものを考えたら「いやいや、凱旋門賞で穴をあけることもありえるよ」と。
しかし棚ぼたの勝利が多いのも事実。地力の部分に疑問が残る。
しかし有馬記念や宝塚記念というセカンドベストの舞台できっちり勝利を収めているのは・・・?
ベストオブベストの舞台が凱旋門賞!というのは割りと間違っていない考えだとも思うからねぇ・・・。
「ゴールドシップは強いのか?」
現代競馬最大の謎と言えるこの問。
凱旋門賞を終えてから論じても決して遅くはないです。
[fin]