怪我に泣いた馬ですが・・・
春天2連覇ではありますがモチジュン先生が言うに中距離馬である本馬。
単純に能力と展開がハマりにハマっただけだったりします。
(昨年は2番人気6.2倍、ゴルシ一本かぶり。今年は故障明けを嫌われて4番人気11.5倍)
そういった面がまた嫌われてしまい、netkeibaの予想人気では2番人気の4.4倍であります。
おそらくジェンティルドンナが東京で崩れていないことなどもありますから・・・
エピファネイアを除いた3頭でもうちっと均衡した形になるのではないかね。
新聞のあおり次第ではエピファネイアはスピルバーグに人気で劣る可能性すら・・・。
マーティンボロは6番人気確定でしょう。
仮にフェノーメノが1番人気になったとしても3倍台でしょう。
これでもなお人気の穴と呼べる事実が。
考えても見てください。春天2連覇の中距離馬ですよ。
過去の様な中長距離時代ではないのです。中距離全盛の現世であります。
その中で争われる春天を勝っている。先行馬としての粘り脚をコレほど評価されるレースはないですよ。
春天の面白さ、というのは確かに薄れていると思います。
でも春天の結果を眺めてみるとものすごく面白い事がたくさん転がっているんですよ。
奥深いが故に予想が難しく、勝ち馬は偶然勝ったようにも思えてくる。
しかしそれを踏まえてなお、フェノーメノの勝ち方というのは素晴らしい。
中距離馬としての素質をとことん示した勝ち方だ。
それこそあれですよ。普通ならデスペラードが勝ってないと変なレースですよ。
過去にはビートブラックが勝っているわけでしょ?
やっぱり本来は長距離馬が有利なんです。でも彼らは勝てない。
京都の光速馬場が問題ですな。
菊花賞のトーホウジャッカルとて長距離馬ではないらしいですよ。血統的にはね。
むしろサウンズオブアースの方が長距離適性高そうなんだって。
でもトーホウジャッカルが勝った。この理屈の合わない結果はなんなのだ。
馬場が速いことで光速馬場への適性が求められたわけですよねぇ。
その上で中距離馬としてのスタミナが必要となり・・・直線に向けば絞り出すだけです。
それはマイラーズCも同じことで、あの超高速展開で最後まで脚を鈍らせなかったのはワールドエース。
皐月賞で大外を回り続けてなお脚を鈍らせることのなかった驚異的な粘り脚の持ち主。
おそらく高速京都においては下ったあとは「粘る」だけではないかと思うのだ。
惰性をどれだけつけられるか、という違いもまたあるが・・・。
脚が衰える終い1Fを薄めた内容、それが京都外回りの3Fだと菊花賞では結論づけた。
神戸新聞杯で最も脚色よく突っ込んできたトーホウジャッカルが勝ったのはそういうことじゃないか。
そういった京都外回り3200mで見事に勝ち切ったフェノーメノは粘りに優れているはず。
それが今回の結論であります。周知のことではありますがその度合がどれだけ驚異的かって話。
その上切れてるから恐ろしい。2800-3000m間は11秒きっかし。
菊花賞に比べて緩くあったから切れ味の使いドコロもありました。
つまり・・・東京2000mで使いようのある脚というわけです。
仮にトーホウジャッカルやサウンズオブアースが出走してきても話にならんでしょう。
やはり切れなければ。東京2000mってのは切れてなんぼ。
1600m-1800m間の前半分が登坂となります。
そのくせ最も切れなきゃならない区間であるから面白い。東京コースて素晴らしい。
ここで目一杯ズバッと切れて、そして終い1Fを鈍らずに行かなきゃならない。それが秋天ですか。
この区間でもズバッと切れた馬というと・・・実はエイシンフラッシュだったりします。
あるいはジャスタウェイですな。あの大差のほとんどはここで。
そしてルーラーシップも。
ココらへんの適性はやはり中山的なのですね。
ダークシャドウが昨年出走していればジェンティルドンナを食えていたかもしれません。
もうちょい格を落としてみるとヴェルデグリーンやフラガラッハも良い脚を使っております。
が、さすがに終い1Fを11秒台で突き抜けられることは出来ませんでした。ジャスタウェイだけだ。
というか昨年の秋天で切れ味を見せられたのはジャスタウェイだけなんだよねぇ・・・。
期せずしてハイペースの前残りになった変な展開でした。
上位陣に共通したのはラスト1Fが12秒そこそこでとどまっていることでして、
後ろから脚を使った奴らは登坂で力尽きてしまうパターンです。ヴェルヴェルもフラガラも。
前の馬は直線に向く前に息を入れられたことが良かったのでしょうね。
対してヴェル&フラガラは800-1200m間を11秒2~3で刻んでいるわけです。
ヴェルヴェルは更に1200m-1600m間を11秒5で刻みます。中山外回り2200mの帝王は伊達じゃありません。
負けているわけですからここから失速しますがね。
いやいや、ここから11秒6-12.0と刻めたらガチなG1級だから・・・。
トウケイヘイローの潰し逃げは東京でも猛威を振るったわけですなぁ。
ローカルだけでなら「強い逃げ馬」だったのだけど東京でも中団以下を潰したわけですから半端じゃない。
にしても・・・こういったトウケイヘイローの逃げで終いを衰えずに走れた馬は・・・
突出した先行馬・・・ジェンティやエイフラ。そんでトウヘイと好相性のアンコイルド。
そして地獄の中京を得意とするフラガラッハ。
フラガラッハは段階的に脚が衰えて行った様にも思える。マイペースだわ・・・。
ヴェルデグリーンみたいに猛追していったシーンがあるわけじゃないからね。
そこら辺のジワジワマイペース追い込みをハイレベルで実践したのがエイシンフラッシュだったり・・・。
8-9-10と位置を下げている様に追走に比較的余裕を持っているわけです。直線に向いてなおマイペースだもんね!
それでもジェンティルドンナは交わせない。こいつって本当に最強牝馬なのよねぇ。
いや、トウケイヘイローの逃げはちょいと異常だったか。
2008年くらい・・・あるいはそれよりも厳しいくらいの展開だった。
対してカレンブラックヒルはスロー気味。
ダイワメジャーだから快速馬場より濡れた方が得意ですからねぇ。
こういったダイワメ黄金配合の逃げ先行馬は雨で渋ってこそで、
決してハイペースで突っ込んでいくタイプではないのであります。
だから雨が降れば秋山のファインプレーを期待してアタマから買うべき馬でしょう。
(コパリチャの場合は気性難が手伝った面もあるらしい)
いや、安田記念ほどになればさすがにキツイけど。
このレースもまたね。グランプリボスコーセイに斜行食らってるから度外視で構わないでもない。
少なくともコンマ3秒くらい目をつむって「ショウナンマイティとコンマ3秒差くらいかな」のイメージで。
内枠からよく頑張ったと思えます。上位はみんな外枠だからね。
道中も最内追走を嫌って後ろに下げながら外へ出していくくらいだった。後方馬もみんな外馬場を選って走ってますな。
前走のオールカマーだって叩きとしてみれば上出来でしょう。
別定で+1kgで挑んでいるし(カレブラはG1ウィナー。1年以内の勝利ならば+2kgだった)、
(同斤量を背負っていたのは1年以内にG2勝利のあるサトノノブレスとマイネルメダリスト)
2200m初挑戦、という要素もあるっちゃあるけども・・・そんなに問題がある要素じゃない。
ラクリマやラキシスが突っ込んできた時点で1800m的に落とし込めていたのだ。マイペースだったと言える。
むしろ3Fで足を伸ばせなかったデメリットが非常に大きいと思う。内回りのデメリット。
ダービー卿勝ちなどから中山をこなすのだろうし、馬場のメリットもまたあるのだろう。
しかし東京巧者は長い直線を穏やかにこなしつつ、登坂後の苛烈な争いを制するのであります。
平坦+内回りは決して+材料ではない。少なくともラクリマほどでは。
上位陣は中山2200mの好走経験があり、その上小回りの達者であるアロマティコなどもまたある。
上2頭が例外ではあるが・・・。柔らか加速の実績ある先行馬には展開が向きすぎたとも言える。
二頭とも平坦巧者の側面もあるし、カレブラの穏やか逃げに適性が高すぎた。
ラキシスは強かったな。俺がヴィクトリアマイルで本命にしただけあるぜ!(-12kgで惨敗)
アロマティコも平坦内回りじゃ手のつけられない様な強い馬になってきたなぁ。牝馬の脚じゃねぇよ。
いや、牝馬らしい平坦小回り特化の超加速か・・・。エリ女はどうなりますかねぇ。
とりあえず・・・良馬場ならカレブラはじんわりと緩めて逃げるはず。
そうなると好位から繰り出すトザKジェンティルがガツンっ!と来る気もしなくないが
フェノーメノは粘る脚もあるし切れる脚もあるバランスのとれたステイゴールド産駒なのだけど
それだけに強さが分からないんだよね。歌劇王のちょい劣化verみたいな。
実際にねじ伏せてみれば「死角なくね?」と驚かれるような。
今までは展開利に甘えるような状態で勝ってきたから人気にゃ直結していないけど
もうそろそろ中距離馬最強の座を頂いてしまってもいいでしょう。
鬼門と言われる外枠からねじ伏せてしまえ。
ここでテイエムオペラオーの血、あるいはワンスウエドの親族でもあればいいのだけどね・・・。
天皇賞春秋連覇を是非成し遂げて欲しい。
[fin]
[fin]