ヌーヴォレコルトが先行したら・・・
うん。確かに先行争いは激化するかもしれん。
そうなると外の先行馬ははじき出されて内の先行馬がベストチョイスとなる。
外が競りかけた分だけ初めの3Fはだいぶ速くなりますからそこからはスロー展開に。
序盤3Fの35秒4というのはエリ女の歴史においてかなり速い部類になります。
シンメイフジの大逃げになった11年が34秒3、空馬につられて逃げ馬がぶっ飛んだ08年が35秒1。
34秒8になった06年もやはり大逃げ展開へ進んでいる。
今年は縦長気味ではありましたが先行集団はきちんと逃げ馬に追走した形だった。
割りと速い展開で進んでいって、それからきちんと上がりを使う展開・・・。
うーん。ちょいとこれは異常とも言えるラップかもしれませんねぇ。
エリ女の馬場でこのラップを牝馬が・・・というのがとてもとても。
12.2-10.8-12.4-12.77-12.2-12.8-12.9-12.2-11.5-11.3-11.3
先頭に行かなくともコウエイオトメが脚を伸ばせる展開ですからね。もう・・・。
ディアデラマドレとアロマティコのピッチ娘二頭がトップ上がりの33.1秒という話で、
それに後方待機のコウエイオトメが33.2秒、ショウナンパンドラの33.3秒と続くわけですよ。
下ってからの12.2秒というのはほとんど惰性で進んでいる状態ですね。
1700mまでは惰性で行って、そこから猛ダッシュという展開。
その猛ダッシュのタイミングが問題でありまして、ピッチ娘はここがガツンと噛み合います。
パンドラなんかは下って惰性をつけながらグイグイとまくって行きたかったんだけど前が塞がっていた。
おそらく下りながらジンワリと外をまくり気味に突っ込んでいけば32.9秒くらいは叩き出せたでしょう。
展開がそうならなかったから仕方ないな。
ピッチ娘は後半に失速しています。これはスピードの持続力が全くないからですね。
対してヌーヴォレコルトやラキシスなんかはスピードの持続力がやはりある。
淀みなく流れるレースを勝ち負け出来る・・・まぁ「底力」ってやつですね。
でもラキシスがここまで伸びるとはほとんど考えてなかったな。
だがオールカマーの馬場をマイネルラクリマ相手に叩き合ったことを思えば・・・妥当ではあるか。
中日新聞杯だって11.7-11.1-11.6くらい刻んでるもんなぁ。
よく考えたらこいつはディープ×嵐猫だから柔らかい馬なんだよね。本質的には。
あれ?ヌーヴォレコルトもチーフズクラウン経由でセクレタリアトがあるよなぁ。
セクレタリアトもサーゲイロードも京都外回りの下りでこそ狙うべき血筋ではあって、
それをクロスしてしまうディープ×嵐猫はとことん柔柔と下っていくらしいのだ。
(京都外回りというか・・・平坦?)
ちなみに
・ミスプロ持ち
ラキシス(ファピアノ)、ヌーヴォ、ディアマド(キンカメ)、コウエイオトメ(キングマンボ)
アロマティコ(キンカメ)、ヴィルシ(マキャベリアン)、マンボ(キングマンボ、ジェイドロバリー)、
サングレアル(マイニング)、オメガハートロック(エルコン)、
・セクレタリアト持ち
ラキシス、ヌーヴォ、コウエイオトメ
・サーゲイロード持ち
ラキシス、ヌーヴォ、フーラブ、キャトル、パンドラ、スマレイ、ヴィルシ、サングレアル、レッリヴェ、
ということになっていて・・・
ラキシス、ヌーヴォ、コウエイオトメ、ヴィルシ、サングレアル、という風になっております。
ミスプロはスピード血統であるんですがモノによってはパワー補完の方向に特化してしまいますな。
下りの惰性が重要な要素となる京都ではあんまり注目する必要のない血統でありますね。
あと、セクレタリアト≒サーゲイロードのニアリーを持つのは上位二頭だけ。
そしてファピアノはミスプロ×ドクターファーガーの配合でありまして、
ヌーヴォレコルトの母母母が同じ配合でファピアノと4分の3が同血になります。
セクレタリアト≒サーゲイロード+(ニアリー)ファピアノ、という共通点がありました。
でも走りの共通点なんてほとんどないから・・・ほぼ無関係だよねぇ。
そういう間柄ではあるんですが実際のところは真逆の適性馬が爆走するヘンテコな年になりました。
秋華賞はロングスパートというかトコトン流れてしまう展開になって外回り的に切れる馬が台頭しまくり。
1着のショウナンパンドラはスルリと内を抜けだしたファインプレーが目立ちはするけど
外に出しながらヌーヴォレコルトと叩き合ってみても接戦の2着には行けたでしょう。
あれだけスピードに乗った柔らか女は止まりませんよ。
エリ女は下りきらない12.2秒のラップがあまりにも凶悪で狡猾。
「やっぱり今年も差し馬がスピードに乗れない。」と思いながら見ていたわけではありませんが
ラップを見て、そしてレースを見なおしてみればね。うん。動けなさそうにしている奴らがちらほらと。
あのタイミングで差し馬が下りパワー全開っ!と動けないのは辛いなぁ。
じんわりじんわりと先行馬が最内をスルスル行ってしまえば捉えきれないんですよ。
しかもじんわりと下ってじんわりじんわりと進むのがディープ×嵐猫のラキシスだ。やってられんよ。
それにしたって速過ぎるよ。牝馬があのペースで行って止まらないのかよ。
「また京都馬場って速くなったかな?」なんて邪推しちゃうぜ。
[追記]
モチジュン先生の回顧ではニジンスキーが重要視されておりますね。
サングレアル、フーラブライド、キャトルフィーユ、ラキシス、ディアデラマドレ、アロマティコ、メイショウマンボ。
これらはニジンスキー持ちの馬で、クロスさせているのはマンボとフーラブライド。
ストームバード≒ニジンスキーでニアリークロスしているのがラキシス。
基本的に京都の下りをザックザックと下ることの出来る馬が揃いました。
ニジンスキーはダラダラと力強く伸びることが出来るわけですから、
ローカルへの適性も高いし、京都外を3F限定で伸びることもまた出来る。
それはつまりハイインローなりトニービンなりの粘り強さに近いもので、
ダラダラということは末脚の持続力に富む。必要な瞬発力は坂下りでごまかせばよい。
そういった戦術で京都をアレコレすることも出来るのだ、と。
2着のヌーヴォレコルト、7着のコウエイオトメ、9着のサンシャイン。
1番人気、16番人気、18番人気からの好走でありました。
[fin]