砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

マイルCS予想 本格的に枠を読む

枠を読む、というのもまた面白い作業です。
まず外枠の不利について語りましょう。(なんだか偉そうだな) マイルCSは基本的に内枠有利のレースです。馬場が良好であるから。 勝ち馬のほとんどが内ラチから2頭以内に位置して追走していることからもそれは分かるでしょう。 実際に振り返ってみると・・・ 13年 トーセンラー 内ラチから2頭目 12年 サダムパテック 1頭目 11年 エイシンアポロン 2頭目 10年 エーシンフォワード 1頭目 09年 カンパニー 1頭目 08年 ブルーメンブラット 1頭目 07年 ダイワメジャー 3頭半外(ただし外伸び馬場) ということになる。内で溜めることが基本戦術。 ついでだから08年までの掲示板入りの馬を全て網羅してしまいましょう。
13年1着トーセンラー3枠5番15-142~3頭目武豊
13年2着ダイワマッジョーレ2枠4番3-41頭目蛯名
13年3着ダノンシャーク7枠13番8-63頭目福永
13年4着コパノリチャード1枠1番1-11頭目浜中
13年5着ドナウブルー5枠10番15-163~4頭目ビュイック
12年1着サダムパテック1枠1番6-71頭目武豊
12年2着グランプリボス4枠7番8-82頭目内田
12年3着ドナウブルー8枠17番8-83~4頭目スミヨン
12年4着シルポート6枠12番1-11頭目川田
12年5着リアルインパクト5枠10番5-52頭目ムーア
11年1着エイシンアポロン3枠5番5-42頭目池添
11年2着フィフスペトル1枠1番3-21頭目横山
11年3着サプレザ7枠13番12-133~4頭目ルメール
11年4着ダノンヨーヨー1枠2番7-61頭目北村友一
11年5着リアルインパクト4枠8番7-62頭目福永
10年1着エーシンフォワード7枠13番8-71頭目岩田
10年2着ダノンヨーヨー4枠8番16-173~4頭目スミヨン
10年3着ゴールスキー7枠15番8-73頭目福永
10年4着サプレザ8枠16番14-143頭目ルメール
10年5着ライブコンサート2枠3番5-52頭目和田竜二
09年1着カンパニー2枠4番7-71頭目横山
09年2着マイネルファルケ7枠13番1-11~2頭目和田竜二
09年3着サプレザ7枠15番5-52~3頭目ペリエ
09年4着キャプテントゥーレ5枠9番2-21頭目川田
09年5着アブソリュート4枠7番17-172頭目田中勝春
08年1着ブルーメンブラット4枠7番12-101頭目吉田豊
08年2着スーパーホーネット8枠17番14-135頭目藤岡佑介
08年3着ファイングレイン1枠2番8-51頭目
08年4着カンパニー8枠16番13-134頭目横山
08年5着ローレルゲレイロ1枠1番3-31頭目四位
4頭目以降の位置取りはドナウブルー、サプレザ、ダノンヨーヨーゴールスキースーパーホーネット、カンパニー。 ドナウブルージェンティルドンナの全姉であるだけに流石の結果(と茶を濁す) サプレザは吉田照哉氏所有のG1三勝馬スーパーホーネットは無冠のままに引退したが1600m~1800mでは無類の勝負強さを見せた。 カンパニーは語る必要もないですな。 「ダノンヨーヨーゴールスキーはどうして?」ということになりますが・・・ 2010年のマイルCSってのは 12.1-10.7-10.9-11.6-11.4-11.1-11.9-12.1を刻んだキツイ流れなのです。 1分31秒8の勝ちタイムは当レースのレコード ダノンヨーヨーゴールスキーも5着のライブコンサートも勝ち馬のエーシンフォワードも。 過去の戦績を追ってみると終い12秒でこそ届いて見せるような差し馬であることがわかります。 むしろこんな例外的な年でさえも4着に突っ込んでくるサプレザがおかしいのだ。 ということで。 「外追走は驚異的なパフォーマンスを持たなきゃ届かせられない」ということですね。 スーパーホーネットやカンパニー、サプレザのような実績馬でこそ複勝圏へ挑めるのです。 せめてドナウブルーの様に血統的な背景が欲しい。 そして大切なことを忘れていた。「外追走と外枠の関連性」ですな。 先行馬や逃げ馬はやはり例外的に2頭目や1頭目あたりで追走できている。 普通はそこまで脚を使ってしまえばズルズルと後退するもんだがね。 逃げ先行からはシルポートキャプテントゥーレマイネルファルケが好走。 差し先行からはリアルインパクトにサプレザ。ドナウブルーもかなぁ。 キャプテントゥーレワールドエースにとって面白い話だね。中距離馬の好走実績に当たる。 このメンツは・・・「前に行って粘る」という競馬をする奴らだね。 モチジュン先生はミッキーアイルを「爆発力のあるリアルインパクト」と評しますし、 更に今回は無理に競り合ってくる逃げ先行もいない。こいつもまた買える馬です。 (競り合ってくる奴はいないけど奇襲的に逃げを狙ってきそうな奴らはいますがね) 武豊ミッキーアイルを潰すためにベルカントで逃げを狙いつつ良いところに収める、という戦術をとって来ました。 あの間合いの取り方は本当にいやらしいもんでしたよ。内枠はやっぱり美味いんです。 それをねじ伏せてしまうミッキーアイルもまた凄いもんですが。 外枠の差し馬は結構外側を追走してます。 これは内へ潜れないとかじゃなくて4角で外へ出す意志を見せているからです。 内に一頭分くらいのスペースを空けていた馬も少なくないし、そこらへんは微妙です。 例外なのはエーシンフォワード。これは内から行く意志を持っていたわけですよねぇ。 似た形になったのはブルーメンブラットか。これは4枠7番から内へ潜り込んでいる。 こういった形になぜ持ち込めるかと言えば人気の差し馬が外へ行くからです。 人気馬がわざわざ後ろへ下げてまで内追走をしないからであります。 今年の形はまさにドンピシャであるからエキストラエンドフィエロがどこまで無欲に行くのかが注目されます。 「メンツを思う」の段では「福永は不用意に下げるからなぁ」と溜息まじりであったんですが こうして考えてみると真ん中枠の福永が馬券になる可能性は高いですね。 13年 7枠13番   3着 ダノンシャーク 12年 7枠13番   8着 ストロングリターン 11年 4枠  8番   5着 リアルインパクト 10年 7枠15番   3着 ゴールスキー 09年 7枠14番 14着 ストロングガルーダ 08年 5枠  9番   6着 マルカシェンク これだけ外枠へ入れられながらも着を二度拾っているのは並大抵の話じゃありません。 昨年は一番人気のダノンシャークだったから人気を裏切る形ではあるけれど・・・ 馬の実力を考えたらそんなに悪い結果ではないですよねぇ。実際に今年は穴気味だし。 ダノンシャークは侮れない馬ではあるんですがこの枠では厳しい、というのが現状。 前走は横綱相撲で敗れたわけですしここは岩田が柔軟に対処してくるのではないかな。 でもこの馬は下手に緩みを作ってもプラスに働く馬ではないんです。 緩むなら緩むで3F瞬発の前残り展開にならなきゃならない。昨年の富士Sがそんな展開。 それ以外の形で前受けをしても好走止まり。コンマ1秒から3秒までの遅れでの入線になる。 安田記念の様な特殊な馬場と条件の合わなかった阪急杯以外は前走も含めてコンマ3秒以内の着差に留めていますよ。 強い馬なんだけど好走止まり。血統配合の限界と言えるのかもしれません。 モチジュン先生は「サンデーは最強の中距離馬を作れるけど短距離馬は作れない」と仰る。 短距離馬は頑強でなければならない。でもサンデーは柔らかくしてしまう、と。 今回の出走馬で最もマイラー然としているのはフィエロでしょう。(あれ?ディープ産駒なのに) レコードペースで行くと想定するならばこいつしか本命に出来ません。 10年の例を見るようにレコードペースともなると枠の不利有利が和らぎますから・・・。 しかし京都マイルはマイラーを求めない。 サダムパテックトーセンラー、カンパニーが勝ってきた歴史が物語るように 柔らかく京都の坂を下って猛然と加速して行き、その勢いのままに入線してしまう馬が強いのだ。 そういった歴史の前にはダイワメ産駒は倒れてきたし、相対的にディープ産駒が躍動してきた、と。 それに加えて・・・セクレタリアトサーゲイロード、ラウンドテーブルの血脈ですよねぇ。 モチジュン先生の必殺技である「ナスキロ」の血脈。 2008年以降に掲示板へ入った馬の全てがこれらの血を持っていると言っていいでしょう。 というよりも京都巧者でこれらを持たない馬がいないとも言える。 それらのスピード血脈を発現させるまでがワンステップ。そしてそれを持続させることで完成。 トーセンラーのリファールクロスはディープ産駒だからこそ許される御業であって、 大抵はトニービンノーザンテーストニジンスキーなどで持続させています。 昨年の上位8頭は・・・
トーセンラーディープ産駒 リファールクロス+サドラーズウェルズヴェイグリーノーブル
ダイワマッジョーレダイワメ産駒 ヴェイグリーノーブル持ち
ダノンシャークディープ産駒 母父カーリアンニジンスキー×ラウンドテーブル)
コパノリチャードダイワメ産駒 母父トニービン、母母父カーリアン
ドナウブルーディープ産駒 リファールクロス+ベルトリーニ
サンレイレーザーラススズ産駒 コジーン、ニジンスキー持ち
サダムパテックサンデー×シアトルスルー×ミスプロの外回り配合 フェアリーキング持ち
レッドオーヴァルディープ産駒 ニジンスキーヴェイグリーノーブル持ち
単純に並べてみるとこんな感じになります。 トーセンラーサドラーズウェルズドナウブルーのベルトリーニはリファールクロスを最適化する条件。 だからサダムパテックのフェアリーキング(サドラーズウェルズの全兄弟)とは意味合いが違うのでしょうが・・・。 まぁ、ノーザンダンサー系の名血統で重厚に下支えする意味合いでまとめても良いでしょう。 ヴェイグリーノーブルハイペリオンを4*5で持ってつオリオール直系種牡馬。 ディープ産駒に入るとバーグクリアー≒オリオールでニアリーになって重厚さや成長力を伝えます。 そしてダイワメ産駒の場合はノーザンテーストの母であるレディアンジェラを弄くる、という仕組みらしい。 単純に「この血統が入っているから」というわけじゃなくて、その血を発現させることが重要なのですね。 なるほど。 流石にG1ともなればやるべきことをやった配合の馬しかいないんですが、 それだけに「父がディープだから」と一括りには出来ないよ、って話です。 トーセンラードナウブルーが何をして走っていたのかといえばボールドルーラー血脈で靭やかさを弄っているのでしょう。 ボールドルーラー自体をロゴタイプの様にいじってしまえば話は違うけどね。 今回出走してくるディープ産駒でボールドルーラーを持たないのはワールドエースだ。 ・・・ だからといってワールドエースが来ないわけじゃありませんが。 ワールドエースは一般的なディープのイメージで京都マイルを突っ込んできたりはしない、ってだけの話です。 ディープ産駒という言葉にとらわれずに見てみれば違う発想も出てくるんじゃないかな。 だってマイラーズカップってシルポートが押し切っちゃうようなレースだぜ? それを思えば「あぁ、逃げ馬が粘れるレースなんだ」ってなるじゃん? つまりワールドエースって粘り脚特化なんじゃないの?って見方が生まれるじゃん! 確かにディープが上位を占めたレースになった事実がある。今年のマイラーズはね。 でもフィエロエキストラエンドは果たしてディープディープしている産駒なのかな? フィエロは世界のマイル王ロックオブジブラルタルの全妹を母にする良血マイラーだ。 エキストラエンドはG1未勝利ながらも様々な重賞を逃げ切ったローエングリンの半弟。 更に言えばロックオブジブラルタルは「優れた先行力を生かして押し切るレースが多」い馬だった。 (wikipediaより引用) ロックを母父にするミッキーアイルもまた逃げ馬としてG1を勝っているしねぇ。 こういった馬が7番8番9番に入ったのは決して偶然ではないと思うし、 ちょうどこの枠は「内ラチから2頭目以内」という勝ち負けラインへ潜り込めなくもないところ。 そして9番がワールドエースであることにも意味はないかな? ボールドルーラーを引かないディープ産駒で、「粘り」が要求されたマイラーズカップの勝ち馬。 この前提で考えるならば・・・先行しなきゃならんよね。後ろへ下げたらノーチャンスだよね。 つまりワールドエースが馬券になると考えはフィエロエキストラエンドをまくって前へ行くことが前提だ。 自然とフィエロエキストラエンドは位置取りが中団以降となる。 中団以降の位置取りで内ラチから2頭目以内にいた馬の勝ち馬は・・・内から差すパターンが多い。 ブルーメンブラットがそうだしエーシンフォワードもそうだ。カンパニーも。 外から差して1着まで行ったのはトーセンラーだけ。しかも差し追い込みまで下げて、だ。 フィエロの前走は位置取りが後ろになりすぎて捉えられずに3着。 エキストラエンドは横ノリの追い込み競馬ではイマイチ弾けられなかった。 ワールドエースが馬券になると想定した場合、この二頭は勝ち負けには絶対絡まない。 つまり7-8-9で馬連をボックスするようなことは愚策。9-7と9-8の馬単二つで足りますよ。 せめてワイドボックスですかね。 でもワールドエースが勝ち切るようなことはないと思いますよ。 過去の勝ち馬はみんな根っこのところは差し馬です。 トーセンラーは言わずとも良い。 サダムパテック京王杯SC東スポ杯を差し切っている。 エイシンアポロンは・・・ いや、11年はさ。稍重だったしっ!だから不良馬場の富士Sを差し切ってるのも含めていいはずだっ! エーシンフォワード・・・orz 高松宮記念は差してるよ?う、うーん。それにやっぱり・・・レコードペースだったし? カンパニー!(ドヤッ) ブルーメンブラットも府中牝馬を差し切ってる。 んー。 こじつけるなら・・・馬場が渋ったりペースが速くなれば京都的な差し馬は台頭しないのかもしれないね。 それ以外はちゃんと京都や東京に実績がある差し馬が来てるよ。 この差し馬が最内でジワッと溜めて・・・ガンッと突っ込んでくれば馬券になるのさ。 ・・・ もうそろそろ区切るか。 [fin]