3連単を買えるくらいに詰め切れなかった。いや自ずと避けた形なのかもしれない。
有馬記念という試験を「なんとなく」の解答で埋めてしまったんじゃないか、と。
一つ一つを丁寧に仕上げられた自信がない。かといってこの結論に不備はないとも思う。
よくよく考えてみれば俺は今までに百点満点の自信を持って答案を送り出せたことはないのではないかなぁ。
そろばんに関してはいっつも満点の自信を持っていたかもしれない。
あの時の陶酔感みたいのを積み重ねて「得意科目」ってのは出来上がっていった。
競馬にその陶酔感を持ててしまった今までの自分は何に酔っていたのだろう。
そろばんは実際に満点が当たり前だった。「完璧!」と送り出した答案は満点だった。
でも競馬の答案は不安の中で回収されていって、バツばっかりで帰ってきている。
一体俺は何を楽しんで競馬をしているんだろう。
[fin]