なんか色々と考えられる面白い話ですよ。
「名牝系が名品系を育てる」という様な話でもあって、
この「大きな心臓を伝える遺伝子」はサイアーラインではなくメールラインを通じて伝わるのですな。
すると種牡馬ってのは3つの種類にわかれますよね。
1、名牝系などから出た大きな心臓を伝えやすい種牡馬。
2、実績のある自己の走法を上手くアレンジしてもらえる種牡馬。
3、両方
両方を伝えるのがベストなのでしょうが大きな心臓を持たないとするボールドルーラーの例もあります。
サイアーラインを伸ばしやすいのは2の方かもしれません。
1の方はサイアーラインを伸ばしづらいでしょう。ハーツクライどっちかと言えばこちらではないかな。
さすがにスペシャルウィークほどに傾倒していないにしても。
ノーザンテーストなんかもそうですよね。これも母系に入って馬鹿みたいに活躍馬を出している。
彼らはサイアーラインに入ると自分の個性を伝えづらいのかもしれません。
Lady AngelaやHorm beam、あるいはRoberto、Graustark。(ニアリー)クロスしてなんぼですから。
競争能力を上手に引き出してくれる母親ってのはいるのでしょう。
ギャロップダイナアンバーシャダイなりジャングルポケットなりカンパニーなりナリタブライアンなりマヤノトップガンなり。
名馬は山ほど出しています。ただその母親を更にいじくって3代目を作る・・・となると材料が揃わない。
そこら辺は時の運なのでしょう・・・。
またハートラインの話は非常にシビアな現実も突きつけます。
例え名牝系であったとしても遺伝子を受け継がなかった牝馬の枝は没落するということです。
名牝系=大きな心臓を伝える、というわけですから・・・。
そして大きな心臓を伝えてこなかった牝系はほとんどの場合が重賞級の活躍馬を出せないということ。
しかしその観点において例外が。それが昨年の皐月賞場であるイスラボニータです。
モチジュン先生は「G1を勝てる配合ではないし、G1を勝てる牝系でもないだろう」と当時は書かれていました。
名牝系によって磨かれた牝系ではないからハートラインは貧弱でしょう。
その意味で「G1を勝てる牝系でもない」という言葉に繋がるのだと。
しかし母父のCozzeneはフィリーサイアーの気質もあって心臓はよく伝えそう。(アドマイヤコジーンという名馬も出しておりますが)
母父のとしての成績も決して悪くはありません。
そして母母父のCrafty Prospectorもまたアグネスデジタルを出した名種牡馬であり、
つまりこれって短期的にハートラインを作り出した配合と言えなくもないんじゃないでしょうか。
偶然に偶然を重ねて大きな心臓を受け継がせられたのだ、と。
そしてこのハートラインってさ。名スプリンターや名マイラーが伝えやすい要素なのかな?
でかい筋肉を使ってバババっ!と走るんだから心臓もでかそうなもんですよ。
ディープインパクトなんかは短距離を走った牝馬との配合が良いと言われています。
もしかしたらディープって大きな心臓を持ったマッチョ系繁殖から中距離馬を出すことに異常なほど長けているだけなのでは?
(だけ、と言ってもね。この一芸で一生食っていけるからね)
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