砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

レガッタを探る

スイープトウショウのご子息ですからね。


牝系の奥底には戦前から日本に根づいた繁殖がいて、「青東」という欧米半々の血統馬がおります。

父のタラツプはゲインズボロー1*4というアホなクロスが入っていて、

母父にあたるMoonlight RunはHyperionと4分の3が同血。産地不明の純欧州血統馬。

母母のJessie-O-Doonはアメリカらしい(?)血統表不首尾の馬だがセントサイモンとベンドアのクロス。

活力補完をしてくれそうな米血統ではない様だ。

青東自身は父のGainsboroughクロスこそあるが基調としては緩いクロスに収まっている。

しかしここから日本競馬黎明期の中で牝系を育てて行くことになるわけで、デメリットばかりが目につく。

それでもチャイナロックダンディルートトウショウボーイのラインは当時の日本では最良とも言えるもの。

チャイナロックHyperion直系で母父がSon-in-law直仔であるからハイインローの形で、

Hamptonの血脈を豊富に重ね、Hyperionの肝であるセントサイモンも五月蝿いくらいに継続させている。

Stockwellなどの血脈を背景に押さえて、Hamptonやセントサイモン、を前へ持ち出すのがハイインロー的活力なんですかねぇ。

Cylleneを爽やかに押さえている当たりも高評価。これでネアルコ血統を存分にぶち込める。

さぁ、入れるぞ!と思ったらダンディルートなのがまた不思議な話。現代競馬の脇役血統詰め合わせ、という感じの馬なだけに。

チャイナロックが最もジャージーアクトの影響を受けた時期のイギリス馬であるのに対して、

ダンディルートは米血統を溢れかえらせて馬産に励んだフランス馬。

異系血脈を豊富に重ねつつもSwynfordをガチンコでぶっこみ続けた楽しい馬になっている。

このSwynfordHyperionの母父であるChaucerの半兄弟として脈絡するわけですよ。

そして満を持して放たれるネアルコの矢。天馬トウショウボーイが入りまーす。

母のソシアルバターフライは米国産ですが欧3/4の米1/4で、存分にダンディルートへ脈絡しますっ!

そしてテスコボーイ経由でナスルーラ。念願のネアルコ血統であります。

チャイナロックで土地を整備して、ダンディルートで基礎づくり。トウショウボーイで柱が立つイメージですか。

HyperionとMahmoudの継続クロスがありますからなかなか強い家が立ちそうです。

そこにダンシングブレーヴが入るんですからワクワクしますね。

ナスルーラ直系がやっと入ったと思えば、次はノーザンダンサー直系。

それもLypard系では最高級・・・日本でも世界でも最高級のダンシングブレーヴですよ!

ダンシングブレーヴの母母母がセントサイモンさえ希薄な純米血統で、

Bull LeaやWar Admiralなどで主要血統を抑えながらも5代アウトになっている。

母母Olmecの代に入った豪血統のPago PagoがFairway=Fair Isleの全きょうだいクロスを持っていて、

加えてSwynfordクロス。さらにValaisという欧州血統の詰め合わせがクロスに入っていて、事実上の欧州血統。

そしてダンブレの母父であるDrone。これがおおよそ欧米半々くらいの血統。

Sir Gaylord×Tom Fool×Mahmoudという絵面が最高にかっちょいい。

そして父のLypardがおおよそ欧3/4米1/4ではないか、と。

そうするとちょいとこじつけではありますが・・・ダンブレ自身も欧3/4米1/4くらいになる計算。

それにエンドスウィープというのがまた難しさを誘うところです。

これがほぼ完璧な米血統でありまして、フォーティナイナーという力っぽすぎる馬が邪魔なのだ。

ディープインパクト産駒は柔らかさを肝とするし、中距離を主戦場とするから濃密なスタミナ&パワーは母父のラインには必要ないのである。

その類の配合で成功したのはダノンバラードくらい。しかもHaloクロスで小回り巧者に出した形だ。

仮にスタミナ&パワーを伝えるにしてもノーザンダンサー直系が望ましく、それこそフレンチデピュティだとかでしょう。

でも・・・米血統が希薄なだけあって変な走りにはなってないよなぁ。ソラ使ってるけど。

スイープトウショウからしてそんなヘンテコな走りをしないもんなぁ。

京都外回りというか・・・右回りの外回りが良さそうですね。

ソラを使うところを見ると外枠が怖いですね。上がり勝負で刺さられても困る。

ディープはやっぱりこう・・・Tom Rolfeを入れたくないんですよね。

Alzaoの母とTom Rolfeがきょうだいで、このPocahontasが米血統なわけですよ。

純米ではなく、フランス的な欧米混血なのでそんなにカチコチではないんですが・・・。

これを上手に調和できるのかな?という不安がある。

ディープ産駒というのはAlzaoの母父にあるSir Ivorを刺激して柔軟性を抽出しますよね。

嵐猫組がそれで、身体を伸ばしてグイーングイーンと加速する奴らはここが肝であります。

対してAlzaoの父であるLypardを刺激する奴らもいて、こっちが超G1級の器が出やすい。

ジェンティルドンナドナウブルートーセンラースピルバーグなど。

こっちはストライドではなくピッチ的に走る小回り的なスロー巧者ですね。

ディープインパクト自身がこのピッチ加速とストライド持続のハイブリッド型らしく、

確かに中山を捲るときは脚の回転がめちゃくちゃ速くて、外回りでは柔らかく身体を伸ばしている。

このイメージでLypard組は外回りG1を勝っているのですね。彼らもまた単純なピッチ馬ではない。

(それだけにディープ超えのディープ産駒はまだ出ていない、とも言える)

で、Tom Rolfeを入れるということはAlzaoの母母をいじることになるのだ。

脚の回転力、身体の柔軟性。その残りだ。

Pocahontas=Roman×pricequillo×Sickle×Blandford×Buchan。そんなに害はなさそうだがRomanの母父のBuchanがクロス。

Pocahontasをクロスするということはこのクロスを累進するとも言えますね。

かと言って・・・Buchanは10ハロンエクリプスSの勝ち馬なのだから力っぽさとかじゃないよねぇ・・・。

力っぽさ=米血統とするならばやはりRomanの母母であるLook Upあたりになるんじゃないのかな?

これがマイル以下で無双したというDominoの3*3*4クロス。この馬はセントサイモンくらいにクロスされまくった馬だね・・・。

困ったのでモチジュン先生のところで調べてみました。

フォーティナイナーミスプロ系屈指のパワーとスプリントを誇るのはTom Rolfeの強大なパワーに因るところが大で、そしてTom Rolfeの強大なパワーは母父Romanに因るところが大で、このRomanはノーザンテーストの母父系のChop Chopと『Sir Gallahad,Buchan,Commando』が共通する近似血脈だから、両者が出会うとラインクラフトユートピアヴァンクルタテヤマシャドウスケイプとダートや短距離向きのパワー加速になりやすい」

あぁ、だからノーザンテーストの持ったトーセンスターダムが力っぽくなってるのか。

それに加えてミスプロのクロスだからフォーティナイナーがきちんと刺激されてる形なのかも。

にしてもPeter PanとかCommandoの血は米血統のどこにでも現れますねぇ。

強く入っているのはRomanだとかくらいだから使い勝手はやはり悪いんだろう・・・。

ちょいちょいアクセントに使われるくらいだろうか。

そういった中でもSweepはすごいね。エンドスウィープの母系にたくさんある。馬の名になるだけあるよ。

Domino直系も母系に入ってなんぼだし、Dominoが母系に入ったSweepでさえ母系に入ってなんぼ。

日本におけるティンバーカントリーとかフォーティナイナーの扱いに似てますねぇ。

その点に関してはフォーティナイナーエンドスウィープアドマイヤムーンのラインは凄いのかも!

ハクサンムーンも時代が悪すぎだよなぁ・・・。

全盛期まっただ中はロードカナロアと名勝負と繰り広げ、そのおかげでG1でさえあの不遇な展開。

逃げ馬はマイペースに逃げてなんぼだ。マークを受ければ弱い。

つまりロードカナロアを相手にでも一度だけ押し切らなければならなかったんだなぁ。うん。

あとはマイペースに先行できなきゃ駄目なんだわな。

それをセントウル-スプリンターズでこなしてきたのに・・・何故阪神カップで逃げたんだ。

千二のペースでそのまんま行っちゃって力尽きるのは当たり前じゃん。

てっきり1400mで控える競馬を練習するのかと思ったらガチ逃げだもの。何故だ。

とりあえずレガッタはもうちょい上積みがあっても良さそうですね。

頭を使って身体を伸ばせるようになるなら面白そうだけど今のままだと条件止まりじゃないかな。

とにかくもうちょっと厳しい流れで33秒の脚を使えるのかが鍵ですわ。

母父がミスプロ。特にフォーティナイナーなんて力っぽい枝葉なのだから耐久力がなければ話にならない。

フォーティナイナーのスタミナ、Alzaoダンシングブレーヴの切れ。

これがお互いを損なわずに共存してくれるのかが鍵なんですね。

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