砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

馬のスタミナについて 中山記念予想

毎度思う。「スタミナってなんだ」と。


「競走馬の科学」という本では有酸素性エネルギーと無酸素性エネルギーの話となっていて、

競走馬はレース中この二つの比重をアレヤコレヤしながら走っているらしい。

心臓云々の話は有酸素性エネルギーのものだ。

無酸素性エネルギーは筋肉に貯蔵された酸素を使うものと、乳酸系がある。

心臓の大きさは遺伝する、という考えがXファクターであったが、

この無酸素性エネルギーに関するものが遺伝することがあるのだろうか?

モチジュン先生の「Hyperion的」という言葉を思うと、遺伝すると考えたくなる。

そのHyperion的な馬の代表格は・・・競馬歴1年8ヶ月ほどになる俺にとっては、ジャスタウェイになります。

秋天で刻んだ 13.4-11.8-11.4-11.5-11.7-11.7-11.6-11.3-11.7 は華麗。

(こういう走りをするからMahmoud様もモチジュン先生も前受けを求めていたわけですな。

 一瞬だけビュッと行くのではなく11秒後半を淀みなく行くことにこそ本領がある、と見た。

 「競走馬の科学」ではジャパンカップを勝ったホーリックスのペースをほぼ理想型としていて、

 そのペースは「テンから速く、あとはほぼ一定。緩い前傾ペース」。

 ハイペースを先行押し切ることこそジャスタウェイが見せる本当の姿なのではないだろうか)

ただ。ジャスタウェイがめちゃくちゃ強いから勝った・・・という見方もあるんですが、

福永祐一の騎乗がキラリと光った、という見方もまた出来るんですね。

ほとんどの馬はスタート後3F目で最速ラップをたたき出していて、

そのマージンを活かして中盤をのんびり走っていたわけなんです。

無酸素性エネルギーによるマージン、有酸素性エネルギーによる追走、と分けられます。

ところがジャスタウェイってのは道中をジワ~と一定ペースで走っている。

無酸素性エネルギーと有酸素性エネルギーの使用比率を一定に保って追走しているのです。

「はて?ここになんの違いがござろうか」と。

無酸素性も有酸素性も同じ程に使っているはずだろう。前5Fの走破タイムに大きな違いはない。

ジェンティルドンナに比べてコンマ9秒遅いが、後半の1.6秒差に繋がるものだろうか?

それがあるのが競馬なんですな。競馬というより競走馬。

車と同じで燃費の良い速度域があるのでしょう。11.0秒なんて燃費が良いはずがない。

しかし11.0秒で燃費良く走れる馬がいたとすれば最強ではないかね。特にオーバル型のコースでは。

北米の競馬ってのはそういうことをしているんだと思う。高スピード下での燃費向上です。

ジャスタウェイは母父が「一本調子」なワイルドアゲインですから、

そこから「Hyperion的」なのを受け継いで秋天の様なラップで爆発した。

コレで序盤を速く行くことが出来れば北米的な競馬になりますね。

つまりその・・・ジャスタウェイってのは日本的でありながら日本的ではない。

3F上がり32.9秒ってのは差して使う脚じゃなく、本来はゲートを出てから使う脚なのでしょう。

ここで使う無酸素性エネルギーを序盤に使用することで先行競馬を実現させる、

そして後半は11秒後半でジワジワと押し切りに動く・・・というのが理想的なんですわ。

やってる競馬は日本的なのに本質としては北米競馬です。


さて、これが中山記念の何に繋がるのか、という話ですが。

タイキパーシヴァルがこういう逃げ方をするんですよ。テンは速く、あとは一定。

時計自体は速くないので本馬を穴指定するのはやりすぎですがね。

血統的にも中山1800mは狙ってみたくはなるんですが時計がね。うん。

ゴールドアリュールはダートでキンカメと勢力を二分する名種牡馬ですが、

マルゼンスキー≒Reluctant Guestを入れないことには芝を走らないらしいのです。

トウカイパラダイスやフーラブライドなどがそれにあたります。

そして彼馬たちの共通点ってのが「時計勝負に弱い」「ヨーイドンにとても弱い」です。

タイキパーシヴァルはReluctant Guest≒State Treasureの3*3で芝に向いた様子。

Nijinskyをほとんど放置してる形でニアリーとするのは正しいのかわからないが・・・芝で走ってるし。

そんで共通点も同様。

ただ、トウパラもフーラブも母系にはマルゼンスキーしか米血統は入れないのだけど、

タイキパーシヴァルは完全無欠の純米血統なんですね。母父純米、母母純米。

そこは「テンは速く以降一定」の北米競馬がハマって出世してきた経緯通りだ。

今回も展開はハマると思うんですよ。主張する馬もいないからマイペースで行ける。

これで能力の裏付けがあれば京都牝馬Sケイアイエレガントくらいに買える馬だと思う。

中山1800mでテンカラドスロー&ロンスパの形は逃げ先行がもっとも得をする展開だからなぁ・・・。

ロゴタイプの標的にされれば面白いんですわ。面白いのはロゴタイプなんですけども。

タイキのケツを活かして折り合いを何とかする。そして追っかけまわす。勝ちパターンです。

ところがイスラもヌーヴォも追っかけてきそうなんだよねぇ・・・。

そこら辺がどうなるのかが未だに分からない。

[fin]