この勝ち方ってのは中山では考えられないものだわ。こんなことありえんの?って。
モチジュン先生からマームード様まで大絶賛中のこの馬。
「こんな奴、他におったかなぁ?」とMahmoud様。「モーリス強すぎ」と望田潤先生。
モチジュン先生は他に「グラスワンダーとダイナアクトレスの子供って感じがする」と仰っている。
メジロ牝系の馬で、ノーザンダンサーは父母2本ずつ、合計4本ひいている。ダンジグとノーザンテースト、サドラーズウェルズ、リファール。母父カーネギーはメイショウナルトと同じで、サドラーズウェルズ×リヴァーマンだからラトロ配合。まくって行く様な持続力を伝える種牡馬で、そこら辺は結構モーリスのイメージではある。
面白いのは父母間で共通するのがノーザンダンサー血脈くらいであること。これはセントサイモンを背景として様々な血を表現させたネアルコの様な配合だ。そうなると基本としてはアウトブリードっぽい考えで見る必要がある。出たもの勝負だから上記の「グラスワンダーとダイナアクトレスの~」のお言葉通りに従う。
多分グラスワンダー×サンデーの形でグラスワンダーが表現される土壌はできている。でもサンデー×ダイナアクトレスのスピードこそがスクリーンヒーローという種牡馬の持ち味であるから、何かしらの材料を以ってグラワンのツボを刺激しなければ彼は表に出てこない。
今回の場合はDanzig×モガミで回転力が表現されているのだろう。そしてカーネギーのナスキロラトロとSpecial粘着、Hail to Reason継続クロスによるスタミナ補完によってジワッとした斬れ方とそれを支える持続力が補完されている。
ノーザンテーストをニアリーする材料はないのだよねぇ。ダイナアクトレスを表現するために必ずしもノーザンテーストは必要ない、ということだろうか。あるいはスクリーンヒーローの中でLady Angela弄りは完結しているのかもしれない。ノーザンダンサーを継続していることにも意味があるかな。
気になるのはダイナアクトレスの「Tom Fool脚さばき」がどっから持って来られたかだ。スクリーンヒーロー自身がそれを伝えるってだけなのだろうか。Menowはバックパサーやニジンスキーなどに見られる血統だがこれらをモーリスは持たない。強いてあげるならばモガミの3代母にあたるNo Fiddingくらいだろうか。やはりTom Foolはスクリーンヒーロー内で完結していると見たほうがよさそうである。
それにしても登坂時の加速が素晴らしすぎて鼻血が出そう。後駆がずば抜けて強いような感じでもないから余力の違いと前脚の捌きかただけで駆け上がっているのかな?ステイヤーではないにしても、この持続力はRoberto×サンデー×Bold Reasonの継続によるものだろう。
でも道悪が巧そうでもないからなぁ・・・。スクリーンヒーローってそんなに泥臭い馬でもなかったし、中山マイスターとしてはそこが不安なんだが、芝のアレコレが改善されているらしいから大丈夫か。
あとはもう少し前半に不可をかけてからどれだけ伸びるかってのを見てみたいね。Hail to Reasonのクロスの仕方を見る限りではイーブンで走っても伸びると思うが。
[fin]