砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

金の斧 桜花賞展望

ココロノアイに関して


ステイゴールド×デインヒルという黄金配合は素晴らしきニックスだが案外活躍馬は少ない。というかステゴは基本的には打率が低いからね。ナカヤマフェスタフェノーメノを出しているのだから十分なもんだが。でも重賞勝ちにハードルを下げてもこのこのまんまこの二頭とココロノアイしか残らないという。そこには「デインヒル肌にわざわざステゴなんてつけてられっか」という姿勢すら見え隠れする。ちょうどココロノアイの世代がナカヤマフェスタの影響を受けたあたりだし。嵐猫肌のキャットコインまで出てきたからね。

こうしてみるとステイゴールドの黄金期というのはこれからだったのだ。種牡馬としての春、その終わりがこんな形になるとは悲しいものよねぇ。

して、ココロノアイな。うん。

単純に考えると今時期から完成する配合ではない。フェノーメノナカヤマフェスタも3歳春でどうこうできていたわけではない。でもステイゴールド産駒って分かりやすい晩成型ではなくて、結構競走馬としての活躍は早いのだよね。その上で成長分が残っているわけであるからステゴの黄金配合馬が2歳頃に活躍してしまえば4歳頃にもう一花咲かすこと・・・それもG1戦線での一花を期待してもよいことになる。というか競走馬の資質が優れているからこそ2歳3歳で活躍するのだ。

そう考えると血統表のまんまに成熟するのはまだ先かもしれない。と言っても現段階でマイルを淀みなく先行し、そしてそのまんま押し切るスタイルを確立しているのだから1400m~1800mあたりの馬に完成するだろうか。デインヒルの硬さが現れれば1400m、今のまま靭やかに成長していけばサンデーらしい1800mくらいかね。

この馬の利点はやはり差し脚のしぶとさ。しぶといが故に勝ち味が薄いんだが馬場が向いて上手いこと勝ってきた。この利点が活きる馬場にはなりそうなのだがやはり外回りで差しにまわるにはちょいと切れ味が足りない。フェノーメノを除けばステゴ産駒なんかは鋭く切れるもんではなく、ストライドを伸ばして走るにしてもゴールドシップみたいな低速の持続ストライドとなるのが通例である。フェノーメノとて加齢と共にスタミナばかりが立派になって鋭い切れ味は失われてしまった。

馬場の重い外回りならゴールドシップ最強なのに、とたくさんの人がため息をついてきた。ココロノアイはそのチャンスを2度ほど得られたわけで、週末もちょいとだけ雨模様だから3度目もありそうである。

それに今まで横ノリと積み上げてきた渋馬場と阪神マイルの経験も大きい。馬が慣れることも一つだが、対馬場のペース配分を定められることが大切なのだね。今回はルージュバックが相手なだけに抜け出しのタイミングがシビアだから。

流石に外回りなら抜けだしてから行った行ったの形はないと思うんだけども。そして単純な差しで勝ち負けできる馬でもないと思うし。

かといって軽やかにぶっ差せる馬ってクルミナルしかいないんだよねぇ。

クルミナルがマルセリーナするか、ルージュバックブエナビスタするか、あるいはクイーンズリングアパパネするか、

本当にアクトレスのそろった桜花賞である。

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