砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

オークス予想

シンプルな展開かもしれん。


オークスマイラーが走らないでもないレースで、ストレイトガールVMで綺麗に差し届かせた様になんとか距離をもたせられるレースでもある。これは東京2400mの特徴とも言えて、ジャパンカップ日本ダービーも2400m適性きっかし!という馬が勝ち切った例は多くない。少ないわけでもないけども。

3歳牝馬が競うだけあってスローになりやすいが上がりがかからないわけじゃない。ここ数年で33秒台の上がりを使ったのはハープスターブエナビスタ、あとは良馬場ドスローとなったシーザリオの年、2005年オークスの上位陣くらい。だから鋭い脚を使うことは重要ではなく、スタミナを豊富に持った馬が34秒半ばで踏破すればよいレースである。

そういった考えを元にするとヌーヴォレコルト的な馬が綺麗な競馬をすれば勝てる。ところが頼みの綱が大外枠の福永祐一。ハーツの女馬なんて活躍の場が限られるのになぁ。

1800mそこそこの馬でも構わないからキンカメ産駒を信じる手もある。しかし外回り仕様と考えるとレッツゴードンキは少し説得力に欠ける。それなら外回りで好走してきたマキシムドパリを信じる手もあるのだが少し判断が難しい。

マキシムドパリはクイーンズリングに敗れキロハナに敗れシングウィズジョイに二度敗れ、勝ち切れないままに出走権を得た馬だ。この勝ち味のなさは母母父のHighest Honorの影響が強そう。この馬を母父に持つ秀才は多く、まず筆頭にルルーシュがあって、後はレーヴドスカーの一家がある。そして当馬の母であるマドモアゼルドパリ。先行押し切りのオープン馬。

Nasrullahを多く引く事がHighest Honerの特徴で、ナタ切れっぽいKenmare、図太く切れるRivermanを重ねて、Sir GaylordNasrullahである。レーヴドスカーはSir Gaylord4*4であるのに加えてBlushing GroomNijinskyのニックスを併せ持つから米血的なパワーと柔らかさが上手に融合していることが大きくて、やはりどこか一点を抑えなければこの血統は扱いづらいのだと思う。

そしてMill Reef×Rivermanのナスキロラトロクロスが悩みの種。それに加えて母系の奥にはHyperionとかLady Jororなんかがあるから整合性が取りづらい。柔らかさよりもラトロに傾いたピッチ馬と見るべきかなぁ。外回りは0-1-3-0で内回りが1-1-0-0だもの。フローラステークスの敗れ方も脚色は優勢だったが最後の最後に届くようなイメージがわくものではない。内でレッツゴードンキと一緒に溜めて伸び伸びしてくれば面白いかな?というくらい。

ココロノアイは血統的には距離延長でこそ本領発揮と見られるけれど、ステゴデインヒルは元来内回り配合だ。阪神の力っぽい馬場を味方につけてなんとかしていたけれど、東京へ変わるならば難しいところだなぁ。

シングウィズジョイはどうしようかね。マンカフェ×ボリクリ。ボリクリ×マンカフェにはショウナンラグーンがあるけれど、方向性はあんまり似ていないかもしれんなぁ。マンカフェらしい太い前脚を持ちつつも柔らかに馬体を伸ばす馬・・・というと手のひら返しがすぎるか。けれど距離延長のメリットは受けるタイプであろうし、馬体を見ても本格化の様子がある。ゲートの出が良いから競馬が上手いし、この粘り強くも広いストライドオークスでこそ活きるかも・・・と妄想するには十分。フローラステークスは逃げるつもりで出しただろうし、本番でもこの枠なら逃げに行くんじゃないだろうか。どうもウチパクさんはこの馬のスタミナに信頼をおいている様子で、もしかしたらなかなか愉快なペースを刻んでくるかもしれない。

かといってオークスでそんな腹の決まった騎乗が見られるとは考えづらいところもあるし、東京でのウチパクさんはスロー大好きっ子でもある。そりゃエピファネイアみたいな展開に持っていけりゃ違うのだけれども、ああいった逃げを打つ様な人ではないのでねぇ。逃げの理想というのはやはり「馬なり」であって、サイレンススズカだってハイペースな馬なりで飛んでいっていただけだ。逃げることで自分のペースを刻めるストレスレスな環境こそ逃げの醍醐味だろう。

ウチパクさんは当たりの強い方ではあるけれど馬のペースを下手に乱すこともないだろう。ディアマイダーリンのペースというのを理解するにはまだまだコンビ歴が浅いし馬自身の競馬歴も浅すぎる。探り探りのコミュニケーションで逃げ先行に打って出るだろう・・・?

ココロノアイを横ノリさんがコントロールしたら面白いんだがねぇ。あれだけ行きたがるのも珍しいんだけども押さえられながらグイグイとまくっていっちゃうあのパワーを牝馬が持つというのがもっと珍しい。普通の牝馬なら拗ねちゃうのに反抗してくるんだから「男勝り」ってやつだよねぇ。

あれの折り合いがついてしまうならば2400mにおいては結構大きなアドバンテージを持つんじゃないかな。それでもやっぱり外回りで買うには難しい馬なのは変わりない。掲示板まで絡めば十分だ。

判断が難しい馬と言えばアースライズ。フラワーC2着はロスなく進めた結果とも言えるが牝馬が中山1800mを違う脚でグイッと伸びる説明にはならない。溜めて鋭く伸びる配合ではないし、むしろ後ろからまくっていった方が届きやすい馬場でもあった。

Cape Crossはクラシックディスタンスでの活躍馬を出す種牡馬シーザスターズウィジャボードの父として著名。またウィジャボードは繁殖としてオーストラリアが出して、コレが英ダービー愛ダービーを勝っている。日本ではロジユニヴァースBMSとしての筆頭と挙げられる。

「父と母父がスタミナを伝えるのだから」と考えてしまうがマンカフェとダンジグが出会うとパワー加速へ傾く。だけど配合形を見るに結構緩さを感じさせるところがあって、桜花賞も最高速への到達が遅いために後続へ飲み込まれていったのではないかな。消耗戦となればなかなかしぶとく走りそうな馬であるから穴候補として非常に高い期待をしている。

それにしてもマンハッタンカフェってのは複雑な種牡馬だね。ツボってのがイマイチ見当たらなくて、走る馬に共通するところが少ない。でもNijinsky×Mr' Prospectorを持つ硬めの母を相手に成功した例を見ても柔らかさを伝えるところがあるよなぁ。

共通項があるとすりゃPrince quilloへのアプローチ。そしてRaise a Native。更に言えばPrincely Gift持ちもなかなか多い。Blushing Groom×Nijinskyのニックスとかも。あれ?意外と多いぞ。

カーリアン×サドラーの母を抱えるのがレッドディザイアで、そして同配合のフサイチコンコルドを抱えるのがジョーカプチーノHail to Reasonへのアプローチが重要なのかとも考えるがNureyev持ちのダンツホウテイなどがいるから最重要ではないかね。

見れば見るほどアースライズってオークスで差し届きそうだな。マンカフェ産駒ならクイーンズリングルージュバックもいるんだけどな。これらもジリジリと伸びるタイプだから距離の厳しいオークスでこそ届きやすそうだ。

パワー偏向だが前受けから粘強そうなシングウィズジョイ。鋭くは伸びないがきっちりと確かに伸びるルージュバック。パワー加速によって競馬も上手いクイーンズリング。ベターな配合からバランスの整ったアースライズ。

なかなかどうして今年の3歳牝馬には優秀なマンハッタンカフェ産駒が集まっている。ルージュバックは枠の関係上前へは出しづらいから直線勝負となりそうだ。外には前へ受けたがる面々が揃い、内は内で中段辺りに据えたがるタイプが多い。外外をまわるのは不都合なので戸崎なら無理には出さず追走に余裕を持たせるはず。

逃げ馬候補は多いが外から迎え入れるほどではないだろう。トニービンを前で受けさせりゃ上手いルメールがいるしな。他に母父トニービンマスターと言えば横ノリさんとかもいるな。

結構内はごちゃごちゃしそうだし、早仕掛けを試みるタイプも多くない。むしろじっくりと構えるタイプが多いんじゃないかな。ココロノアイが引っかかる様に前へ行く可能性はあるけれど内に入れたら案外かもしれない。そうなると外へ開きたがるから後ろから追い込む馬はかなり外へ追いやられれそう。戸崎が4角前から位置取りを開始すれば違うけれどもそんなロングスパートをオークスでやらかすことが出来るのか?東京で4角まくりって2500mくらいでしか見ないよ。

オークスは外に開いても届きづらいし、そんな横綱競馬で届くペースにもならない。ルージュバックは消すしかないな。ロスなく運べる外回り巧者・・・というと本当に少ないし、その上能力の問題があるから・・・マンカフェ3頭に絞られるのか?

アンドリエッテはちょいとパワーに向きすぎたディープであんまり好きじゃないんだけども・・・未完成の今時期では調度良い。さり気なくHalo≒Sir Ivor≒Due Dilly3*5*5で継続して柔らかく靭やかな切れを見せそうな配合なんだよね。スローでも折り合いはついたし消去法として賭けられる馬ではあるのか・・・。

難しい。切れる馬を選べばいいのか前受けしやすいジリっぽい馬を選べばいいのか。オークスってのはハープさえも届かないジリ脚天下だと考えられるんだがなぁ・・・。

ディアマイダーリンも確かに良い枠なんだよなぁ。大外に回ったけどクルミナルさえ交わせば自分の位置取りを遮る馬なんていないわけだから中団外目へつけやすい枠とも言える。距離ロスはあるけどね。そうなると展開がスローの福永なわけだからドンピシャリなんだよ。皐月賞で覚醒した名騎手(の息子)が非常にソツのない騎乗でジリジリと動き始める。

しかし内回りの帝王ミルコ・デムーロ騎乗のディアマイダーリンフラワーCで交わしきった馬こそがアースライズなわけで。鋭くではなくスタミナ勝ちの様な交わし方を見るとこっちを買いたくなってしまう・・・。

ディープの綺麗な配合形を持つクルミナルもまた怖いところだけど・・・。スローから鋭く上がることが得意なだけかもしれん。チューリップ賞の負け方って手先の弱さもあるけれどスタミナの弱さにも起因しているだろう。鋭く加速するし柔らかく伸びる馬だけど線の細さが気になる。

線の細さと言えばミッキークイーンもあるか。うーん。うーんorz

ルージュバックは図抜けた存在なんだ。800mの距離延長で34秒台で上がるレースになるなら間違いなく本命に出来る。けれど前の面々がスロー希望であるしオークスってペースが上がり始めるのが遅いから位置取りが重要になる。そういう状態になるとエンジンのかかりにくいルージュバックには直線が短いし、戸崎がジワジワと加速させようにも動きづらい状態になるのではないか。外をまくりながら差し切りへ動くなんてのは後方からじゃなきゃ難しいし、後方から差しきれるレースにはならない。

そうなると桜花賞でジワッと迫って4着まで来たクイーンズリングとか、前受けから粘り強いシングウィズジョイとか、そこそこそつなく伸びそうなアースライズとかの違うマンカフェを買いたい・・・。何度この結論へ至るのかorz

あとは前受けからしぶとそうなコンテッサトゥーレだが・・・。新馬戦からの2連勝があまりにも上出来すぎる勝ち切り方なのが気にかかる。桜花賞の加速を見てもマイラーより上の距離適性を持っている様にも見えない。ちょいと買いづらいところか。

クイーンズリング

◯アースライズ

シングウィズジョイ

ディアマイダーリン

ルージュバック

みたいな感じかね。

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