ステゴの教科書ではないが。
よくある通りに「ステイゴールドの仔ではなくトキオリアリティーの仔」という見方をすべきだろう。名繁殖の仔はいつだって正しい素質を受け継いで走る。
トキオリアリティーは米血の凝縮が凄まじい血統だが、決して強いクロスを持つわけではない。しかしニアリークロスなどを継続して行っているし、サンデーを相手にすることでNothirdchaceのクロスが発生するから米血パワーは増すばかり。ディープを相手にリアルインパクト、エルコンドルパサーを相手にアイルラヴァゲイン。とにかくスピードを伝える。
今回はステイゴールドとの仔ということで、4分の3米4分の1異系の形を取らんでもない。まぁ傍系血統の塊だから異系もクソもないとは思うんだがね。ディープを相手にするよりはそのあたりははっきりしているとは思う。ディクタスの存在は大きい。
で、こいつの問題は・・・何故中距離で走っているかだ。一つ上の兄貴(ネオユニ産駒)も中距離を走っているし。ディープやエルコンでスプリントやマイルを走ったのに何故・・・?
ディープ産駒はパワーを増幅させることで優れた1400m馬となる、というのはウリウリやスマートレイアーなどを見ても納得できる話。エルコンドルパサーもまぁ・・・これを相手にKingmamboなどのアメリカ血統を加えるとそっちがオンになるだろうな、とは思う。
けれどステイゴールド。そりゃ中距離血統だ。マイルで活躍した馬なんて・・・まぁドリームジャーニーが朝日杯を勝っているけれど、いないに等しい。しかしトキオリアリティーの仔なら短くなってもいいんじゃねぇの?
もしかしてサンデーサイレンス直系なら中距離に来るのか?ネオユニでも中距離を走るんだからステゴで中距離を走るのも変な話じゃない。もしかしてディープが特別?ディープインパクト自身が4分の3米4分の1異系の配合形で、Alzaoってのは結構米血補完の強い血統ではあるんだよなぁ。
対してネオユニなんかは米血の継続をほとんど行わない(Relicがあるけど)。ステイゴールドはその傾向を強めているしな。ノーザンテーストは北米血統だがノーザンダンサー自身はフランス的な欧米ミックスだからそこまで問題としないし。何よりディクタスの存在が大きい。スタミナ豊富な異系・・・便利!
ステイゴールドが中距離馬を出し続ける理由ってのはココにあるのだな。パワーをオンにするためにはノーザンテースト経由でそれを出すしかない。そしてマイルより上のスピードを出すためのスイッチがどこにもないのだ。ノーザンテーストだって基本的にはマイル~中距離の種牡馬であって、クロスしてもオルフェやドリジャニの様な優れた中距離馬を出す配合だ。(モチジュン先生はアッシュゴールドにマイラー疑惑を持っていらっしゃるが)
種牡馬側でそれを刺激しない以上、名繁殖の名にかけて無理矢理それを受け継がせる・・・そんな奴もいないこともないのだろうけど理屈に合わん。とりあえずレアリスタは中距離馬に出たっぽいぞ、と。
そこで新たな問題として浮上するのが「ステゴ産駒としてどうなの」って話だ。ノーザンテーストを刺激していないステゴ産駒は果たしてOP級になれるのか。なんたってノーザンダンサーのクロスすら持たないからねぇ・・・。
ちなみにステゴと言えばノーザンテーストニアリーが基本だけど、実はマルゼンスキー持ちとの相性が抜群というデータもありますな。ノーザンテースト≒マルゼンスキー・・・とは行かないにしても微妙に噛み合うところはあるのか。
なんだかんだでラトロ血脈を基本とした米血パワーによる補完が有効という側面があるのだよね。Hyperionの補完がベスト・・・G1級になればそっちになるんだけど、重賞級で良いならアメリカンでもよろしい様子。それならトキオリアリティーでもよさそう。
その類の多くは平坦を得意としているし、今回は期待できるかもしれん。ただ小回りをまくれるかは分からん。
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