砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

クイーンS展望

小回り適性が全て、というレース。


札幌はシンプルだが個性的なコースで、日本一丸い。そして起伏がない。

だからスピードの持続力とかスタミナで押し切るレースで、昨年はオツウがそれを実行。12.3-11.3-11.5-11.3-11.4-11.5-11.8-12.4-12.2の前傾ペースを展開して11着と盛大に崩れた。1000mを57秒8で通過するのは流石に速過ぎる。

それでも好位から捌いたキャトルフィーユやアイスフォーリスが頑張って前が総崩れとならなかったのは、前有利の札幌らしい傾向。持続戦に持って行ってそのままゴリ押しという牡馬的なレースでなんとかなるのがこのレースだ。

なので一瞬の瞬発力で差し込むというよりも持続脚で粘っこく差し込む必要がある。過去に差し込んだ馬はコスモネモシン、ラブフール、アロマティコにスマートレイアーくらいか。キンカメなんかが適切なレースかと思うんだが、ショウリュウムーンなんかの実力馬が出走しているわりにアロマティコしか馬券になっていない。

例えば一昨々年なんかはアイムユアーズ(母父エルコン)、ラブフール(母父エルコン)、ミッドサマーフェア(母父Kingmambo)。そして面白いのは上位になるほどハイインローは少なく(アイ1本、ラブ2本、ミッド4本)、反比例してラトロ血脈が豊富となっているのだ(アイ Fairy King=Sadler's Wells2*4、Seattle Slew4*5、ラブ Sadler's Wells×Seattle Slew×Mining、ミッド Fappiano×Buckpasser)。

でも昨年はそんな重厚な決着の仕方をしていなくて、ディープがワンスリーのキンカメがツー。これはリーディングサイアー上位が綺麗に独占したのだから素直な結果である。これは道中がハイペースになったからスタミナとか粘りとか以前にスピード能力が求められたのだろう。キャトルフィーユスマートレイアーはディープの割にスローで溜めの効かないタイプで、持続戦をネバネバ差したり粘ったりする。アロマティコはキンカメの小回り馬だからここでぶっ差して来たのは順当。クロペリオンのアイスフォーリスが3馬身遅れの4着というのは象徴的。

なので「まくり差しのハイインロー」か「スタミナ重厚の粘りこみ」か「素質馬のスピード決着」か、ということになる。

今年のメンツで気になるのは・・・

Seattle Slewクロスの母父エルコンでハイインロークロスのソロデビュー。

ラトロ豊富の母系に父ヴァーミリアンであるノットフォーマル

AureoleクロスとBuckpasserクロスのファインドヌーヴ。

良血ディープのローズマンブリッジ。

どういう流れになるかはまだ分からないが、結構大きい穴も期待できるんじゃないかと。

[fin]