砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

エーシンジーライン 小倉記念予想

33.3秒という前3Fを記録した前崩れの流れを2番手から5着した変態。

そこから緩まずに12秒前後で流れていって4角前からまくりかかり、脚色が衰えたのは残り200m地点。小倉千八のレコードタイムは1分44秒1で、エーシンジーラインの千八到達タイムは1分44秒7。これはもう2000mを走っていることを忘れている様な走りよ。

後に小倉大賞典を勝つことからも千八適性は高そうなんだが、万葉Sを3着したりと長距離適性もあるし、障害で未だに現役を続けていてしかもOPを掲示板まで走っているのだから心肺能力なんかが非凡なのだろう。気性なんかも素直で追走時に力まないのかもしれん。

つまり「最後のひと踏ん張り」が効くわけで、千八ペースで走ってなお残り200mを踏ん張って5着まで残せるのは・・・俺がエルコンくらい大好きなGiant's Causewayから引き継いだ能力ではないか。使い減りのなさもこのアイアンホースから引き継いだものかと!

でもな。12秒そこそこを燃費良く走れるのはわかるよ?長距離に通じるものある。うん。でも10秒台をポンポン出した前3Fを外枠ピンク帽から2番手につけるだけの鋭さってなんなのさ。

ラップを逆さまにすると12.6-11.8-12.0-12.0-11.8-11.8-12.0-10.8-10.7-11.8だぜ?ここに勝ち馬とのコンマ5秒差を足しても終い3Fが11.0-11.0-11.8で踏破できる計算よ。実際こいつは溜め逃げの形からも好走している馬だから全く無理な話ではない。小倉でやるのは無理だと思うけどね。

そんで万葉Sの3着だってワンツーがデスペラード(5歳)とタニノエポレット(6歳)だからね。4着サイモントルナーレ5着(7歳)マイネルキッツ(10歳)6着フォゲッタブル(7歳)7着モンテクリスエス(8歳)だ。道中で13秒9とかのドスローを記録してからの12.7-12.2-12.2-11.8-11.7-11.5-12.3だから意味がわからない。どんだけ溜めが効いてどんだけロンスパ出来るのか。ココらへんは春天2着かつマイルCS1着という変な戦績で引退した小倉記念2着馬を思い出す。

G1に出さなかったのは馬齢のこともあるだろうが小回りにこだわったのもあるんだろう。持続ピッチの長距離対応型だから外回りをスローに受けて押し切るパターンもいける。

Blushing Groomの自在ぶりが影響しているのかもしれない。なればメイショウスザンナの引き出しはまだ多いのかもしれんな。差し方一つにしてもいろんな展開に対応できるのかも。

戦績は中山内<福島<中山外なのだから中山外のスプリンターズSも試して欲しいし、スマートレイアーみたいな差し込みをしたのだから千四も試して欲しい。エリ女に行くくらいならマイルCSに行って欲しい。

どんな競馬も出来るということは展開に対する受け皿が広く深いのだわ。テイエムオペラオーは2000mから3200mまでを無双した馬だしアグネスデジタルは1600mから2000mを芝ダート外回り内回りを問わずに撫で切った馬よ。

メイショウスザンナBlushing Groomが受け継がれているのであれば1200m~1800mの融通は効くはずよ。

エーシンジーラインの逃げってのはその自在性故に掴みどころがないのだわ。鞍上次第でどんな形でも逃げてどんな形でも相応に残す。小倉記念の1800m通過が後の小倉大賞典の勝ち方と似ているかと言えば全くそんなことはない。自分の形で2番手に受けて5着まで残したのではないのよ。逃げ馬に引きずられていた。

この馬は11秒半ばから12秒フラットまでの燃費が本当に良くて、千八では11秒7くらいをポンポン刻んで脚を残すし、二千では12秒を切るくらいで走る。長距離じゃ14秒近くのラップを刻むことが出来るし、そこから12秒そこそこを延々と刻んでしまう。

代わりに切れる脚がないかといえばそうでもなく10秒台をスタートから刻んじゃうでしょ?スタート直後に火が入るから終いにこの脚がないだけで、違う競馬を教えていたら33秒の終いがあったのだわな。

つまり・・・参考外。小倉記念を予想するにあたってこいつはイレギュラーっ!

小回り戦ってこういう変態が時々いて予想を邪魔するのよな。「なんでこの展開で残るんだよ、馬場どうなってんの!?」てすんごく混乱する。だからこそ面白いのだけれど時間泥棒はやめてほしい。

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