砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

立ちはだかる千八馬はあんまりいない 関屋記念脱線

それでも変態が一頭いた。


「ハイペースの帝王」ことジャスタウェイ様が2着まで追い込んでいて、上がり3Fの33秒2は破格のタイム。レオアクティブらのそれとコンマ7秒も違っていて、前残りかつ内枠有利の内容を撥ね付けるかの様な走り。

見れば見るほどジャスタウェイって秋天前から化け物なんだわ。福永の「お前それで届くと思うの?本気?」と問い詰めたくなる位置取りから一気の脚。「前残りを追い込む」というデニムアンドルビーみたいなことをしていたが根っこは真逆で、こちらはハイペースでこそ光る馬だったのだ、と。

まぁ、この観点から言えばデニムの方が変態だけどね。阪神ラブリーデイとか東京のジェンティルドンナとか一流の先行馬が得意の舞台で得意のスローできっちりハマったのにそれを同体まで追い込むんだから化け物だよ。スロー限定の追い込み馬・・・矛盾してるよなぁ。

ディープのピッチ馬ってやはりスローで光るんだろうな。ドナウブルーもそうだ。1分31秒5という鬼のタイムで勝ち切ってるけれど実質的にはスローだから。800m通過が47.0で1000m通過が58.7。その流れを2番手から32秒6で上がっただけよ。

だからスピルバーグなんかも根っこはスロー巧者で、脅威の上がり4Fで鋭く走っているだけだろう。スロー戦なら間違いなくディープのLyphardクロスが強くて、俺はずっとジャスタウェイがその流れで敗れるのを待っていた。満を持してそれはやってきたわけだが・・・その舞台が有馬記念とは思いもよらない。「スローならLyphardとNureyevの前受けで間違いない!」と今なら言えるのに。それならそれで「何故ジャスタじゃなくゴルシが来るのだ!」とキレるんだが・・・。「ハーツはトニービンだから。ステゴはノーザンテーストだから」と納得するのにはまだ時間が必要だ。だってナタ切れ感なら明らかにゴルシじゃん。ジャスタが差し届くほうが理にかなうじゃん?でもゴルシ全然止まらないしジャスタさほど伸びないし・・・。

よくよく考えたらハーツクライ自身もヌーヴォレコルトジャスタウェイも内目から競馬をして中山を勝っているんだよな。でもワンアンドオンリー有馬記念でそれをやって見事に反応できたなかった。

やっぱりある程度持続戦にならないとハーツクライというのは活きないのだわ。有馬とかスローになりやすいし。むしろ千八の締まった流れの方がいいんだわな。まぁタイキパーシヴァルだかが道悪を喜び勇んで逃げたり、トウケイヘイローが観客にビビって出遅れてヘンテコなロンスパ戦になったりと・・・変なことが続いているから確かなことは言えないけどね。でも理屈の上では小回り千八の上級戦はハイペースになって当然だわ。

とりあえず千八馬は2000~2500mのスロー戦でこそ走るわけで、マイルで走る例はトーセンラーとかくらいかと。ヴィルシーナとかホエールキャプチャとかVMを含めたら一杯いるけれど、関屋記念に関しては千八ではない。

この「千八馬」の概念を言うと「スローが大好きな瞬発馬」ってなわけで、ガチの千八馬というのはマイラー気味だろう。だからMahmoud様は「良馬場でもジャスタウェイ安田記念を好走できる」というようなことを仰っていた。良馬場安田でレコード級の勝負・・・その中でジャスタウェイはどこまで走れたのか。これは本当に悔やまれるなぁ。案外グランプリボスとまた小突き合ってるのかもしれない。

あぁ、そっか。スローになるとジャスタウェイは溜まらないんだ。むしろ距離が長くなる分だけ消耗は大きい。しかも外を回らされてしまえば内を回ったLyphardとNureyevを捕まえるのは難しい。同じく外を回ったゴールドシップってのは中長距離戦ならハズレ無しなのだからこっちが上手だわなぁ。(人気を裏切っても変な大敗はしないという意味でハズレ無し。)

それにしても去年の有馬記念は豪華なメンバーだし、ディープ-ジェンティの「父子七冠」が達成されたレースでもあるから・・・伝説だわなぁ。でもジェンティルドンナって枠に恵まれた様な勝ち方が多いからそんなに強くないと思うのよ。ジャスタウェイ相手に敗れるならともかく、カレンブラックヒルのペースで秋天を走ったならばスピルバーグを凌いでくれなければ七冠の甲斐がないぜ。深衝撃、歌劇王、皇帝らと肩を並べた馬が情けないことよ。と言ってもそんなに威厳のある物事じゃないからどうでも良いわなぁ。ディープみたいに4歳一杯で7勝とかオペラオーみたいに春天宝塚秋天JC有馬を5連勝とか、そういうことにこそ価値があるわけで。

脱線が終わらん。

いいや、これはこれで別に保存しておこう

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