詳しくは望田潤先生の「血は水よりも濃し」で。
「神戸新聞杯はNijinsky持ちが走る」というのがその内容で、過去の上位陣を見ると本当にNijinskyまみれで面白い。
昨年の上位陣を並べてみると
ワンアンドオンリー Nijinsky×Thatch×Mr. Prospector×ラトロ牝系
サウンズオブアース なし Secretariat×Hoist the Flag+Pretty Polly弄り
トーホウジャッカル Nijinsky×Buckpasser×Unbridld's Song×Special+Pretty Polly弄り
サトノアラジン ディープ×Storm Bird≒Nijinsky×Fappiano
ヴォルシェーヴ Storm Bird×Mr. Prospector×Roman×ディープ牝系+Pretty Polly弄り
トーセンスターダム なし ディープ×Tom Rolfe×ノーザンテースト×Mr. Prospector×Secretariat×Buckpasser
とサウンズオブアースのヘンテコっぷりが浮き彫りになる。ラトロ血脈に頼っていないのも面白く、ワンアンドオンリーがCaerleon、Devil's Bag、My Bupers、Never Bendなどを使っているのに対して全くのゼロ。
でもサウンズオブアースはNijinskyの母父Bull PageのBull Lea×Blue Larkspurや母母母FiretopのMan o'War×Ultimus、母母父MenowのPharamond×Supremus×Roi Herode×Cieroなどを微妙~にDixieland Bandでニアリーしているのだわ。ニアリーというか血統の構成要素が似通っているのだわ。
もちろん伝えるものは違う。違うというのかDixieland BandはAlibhaiによる影響力が強すぎてあれなのだわ・・・。これ単体でLady Angela≒Alibhai≒Heliopolis3×4*5×4だからな。ネオユニヴァースってサンデーらしい器の広さがあって、柔らかさも硬さも全部まとめて引き受けるから個性的な馬が出やすい。自分を出さないわけじゃないけれど、器からこぼれない様に配合を整える限りは大丈夫という・・・。つまり「ボルキロ柔一本、Hyperion硬増し増し」でも外回り中長距離を切れる馬を出せるのだわ。この干渉の少なさはすごいっ!
これだけのデータならばNijinskyで良いと思えるんだが・・・16着トップボンバー(母父スペ)、14着スズカデヴィアス(父キンカメ)、13着ウインフルブルーム(父スペ)、10着マッチボックス(父ダンス)、などもあるから打率はともかく長打率は低い。
Robertoが低調なのもあるのだけれど一昨年の勝ち馬はエピファネイアさんだ。こりゃ一筋縄にはいかなさそう。
逆の傾向を読めばノーザンテーストはダメみたいね。バクシンオーとNijinskyのニックスの様にパワー≒スプリント力へ振れてしまいがちなのだろう。でもドゥラメンテがこのレースを勝てないかと言えばそうでもないし、これもやはり配合次第というところか。
おそらくこのNijinskyはサンデーサイレンスの中距離力を伸ばす効果があると見られて、それならば外回り的な切れもサンデーサイレンスとはかけ離れてはならない・・・という理屈なのだと思う。同時に父の配合からも逸脱してはならない。そんなルール。
例えばディープ産駒とNijinskyはニックスじゃないけれど、Lyphardクロスあるいはそれに準ずるアプローチをかけた場合に限れば重賞級が出る。クロスするのはスマートロビンとパッションダンスがあるし、準ずるってのはStorm Birdを使った時だな。Storm Bird≒Nijinskyとした時のあまりがLyphardに脈絡する。
あと・・・とりあえずミスプロかな。「サンデー直系でミスプロとニジンスキー単体を持ち、ラトロ牝系を加えた馬」というくくりならワンアンドオンリーとトーホウジャッカルだけになる。この二頭は他にSpecial=Thatchも共通しているね。
今年の登録馬でそれを満たすのはキロハナとタガノエスプレッソとティルナノーグ。
深衝撃=黒潮×キンカメ配合で決まれば面白いね。
Hail to Reasonを用いるCaerleonやSeattle Slewで切れるパターンもハマりやすそう。
今年はリアファル(エルコン)とジュンスパーヒカル(ファルブラヴ)だけ。両方ともサドラーのお伴としてのシアトルスルーだ。
・・・
ちなみにタガノエスプレッソはヌレイエフクロスの黒潮×キンカメ。ディープ×キンカメのヌレイエフクロスにはデニムアンドルビーがいて、これは鬼のピッチ追い込みスロー専用牝馬としてスロー前残りをえげつない脚で追い込む変態娘。
エスプはトニービンが入るのでホーンビームとSpecialのナスペリオンアタックが決まってしまうのだけれど、決して緩慢な動きではなく可動域は広いけれど回転力は損なっていない。これは男馬として硬く出る分がトニービンの柔さを軽減している様子で、キャラクターはほとんどデニムと同じだろう。
なので2000mより長くなるとスローが希望。それもたっぷり溜めてからのピッチロンスパで追い込む馬だろう。まぁ・・・もしかすると2000mのハイペースでもバテないジャスタウェイの疑惑も残るが・・・。
もう一つの可能性としては・・・これはあんまり考えたくないし可能性は薄いと思うんだが。デイリー杯の勝ち方がスマートオリオン似ていることから千四馬疑惑がある。ああやって序盤をゆるーく通過して道中を持続的に押し上げていくスタイルはハイペリオン的な千四馬が得意とする競馬なのだわ。
あるいは・・・メイショウスザンナみたいに淀みなく流れるレースだけが好きなタイプかもしれないし。どうも皐月賞やダービーの負け方をみると発展途上ってだけが原因じゃない様に思える。マイル戦を粘り勝ちした中距離馬の内容じゃないのだわ。
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