砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

岡部幸雄に肩を並べる男 毎日王冠予想

毎日王冠最多勝騎手は岡部と福永。
毎日王冠で勝つ騎手にはある程度のパターンがある。ペース読みや折り合いが達者は騎手は淀みないペースで差し切り、好位競馬の達者はスローをきっかし差し切る。そして何でも出来る騎手は大抵前受けから粘っこく差し切る。 最も勝ちやすいのはスタートが上手でそこそこのポジションを取れる好位騎手で、福永祐一が一桁馬番に乗って掲示板を外したのはサイレンススズカのときだけ。
13年6番エイシンフラッシュ4番人気1着4-4-432秒8
12年12番ストロングリターン5番人気7着8-7-733秒8
11年8番ダークシャドウ1番人気1着9-9-932秒7
10年4番アリゼオ6番人気1着6-6-634秒5
08年1番サクラメガワンダー7番人気4着7-7-733秒4
06年4番カンパニー4番人気5着11-11-1134秒0
05年16番カンパニー3番人気7着12-13-1432秒9
03年5番エイシンプレストン3番人気3着5-5-534秒9
02年2番エイシンプレストン3番人気2着3-3-334秒2
01年12番エイシンプレストン5番人気1着5-4-435秒0
98年3番テイエムオオアラシ7番人気8着5-4-636秒3
11度乗って4-1-1-5というのは驚異的である。単勝回収率が313.6%で複勝回収率は157.2%。黙って福永買っておけばよいというレース。 福永は出負けすることが全く無い。内枠からポンッと出されると手のうちようがないレースなのでコレは大きいメリット。サンデー時代でなければ福永は前受けのいぶし銀ジョッキーになっていたんじゃないかと思うくらい。とにかくFYSが決まりやすいというか毎日王冠の内枠はそれがベストの戦法なのだろう。 この現象の大きな要因は外枠に入る「逃げたい馬」の存在だ。必ずと言っていいほど毎日王冠では逃げ馬が外へ配置される。いや逆説的に「外に入ったからこそ逃げたい馬」が配置される。JRAとしてもヘンテコスローは沽券に関わる様子でそういう風に枠が作られるわけね。シルポートがいた時と昨年の様な典型的な逃げ馬不在レース以外は外にズブい馬が配置されることがほとんどだ。 前に書いたようにスローになると外から競りかけた先行馬が勝負になるのだわ。関東騎手はそれを知っているから前半はあまり緩めない。何らかの保証がなければスローになり得ないわけよねぇ。 その保証が「外に逃げ馬がいないこと」でないことが面白いところで、公式ラップの後ろ3Fが33秒台前半を記録した13年のレースはクラレントが真ん中緑でレッドスパーダが大外ピンク帽。この二頭はともに東京マイル勝ち馬だった。 つまり東京マイル的に乗ったわけよね。前3Fは頑張るけれど以降は嫌よ、と。更にそれに続いたのはミッキードリーム三浦皇成エイシンフラッシュ福永祐一ジャスタウェイ柴田善臣。スローの好位が好きな奴らばかりで、三浦皇成と福永はゲートが達者。スプリンターズと似た状況が作られていた事がわかる。 福永と三浦→藤岡弟と武豊(ゲート達者のスローマニア) 柴田善臣ルメールと横ノリ(時に頑張って出していくけれど馬尊重) 更に言えば北村宏司も関東騎手的というか横ノリやヨシトミっぽい乗り方を好むから2番手レッドスパーダも同じ穴のムジナだわな。一番前にいたのは関西のまくり名手川田。東京で淀みないペースを刻むイメージはない。 前に書いた「リアルインパクトが逃げれば面白い」というのはウチパクが東京マイルマイスターであるから。前3Fを速く行けば以降が遅くとも反発されないことを知っているのだわ・・・。 FYSはこの二段構えの中にある。外が競りかけて速くなっても内で脚が溜まっているから怖くない。遅くなっても好スタートからの好位で差し負けることがない。ステファノスは距離短縮で望むから前目につけようとするだろうし、それは福永の気性にも似合った戦術だ。楽しみね。 [fin]