砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

一頭一頭part2 秋華賞予想

忘れちゃいけないこの作業

前回はキャットコインまでやっているのか。かきくけこ・・・

クイーンズリング

 Riverman4*5のイメージ、母父Anabaaトレヴを彷彿とさせるがHalo≒Boldnessianの柔らかさを伝えるマンハッタンカフェが父であるからあんまりピッチ走法の俊敏さを感じさせない。ハイハットAureoleの本格化を待ってどれほど硬質に動いてくれるかが鍵となる。

 緩い動きをするので京都内は悪くのない舞台で、ミルコがまくりを意識するなら決して悪い内容で終わることはないはず。しかしフィリーズレビューの相手が今ひとつ弱っこいし、大外一気のハイパフォーマンスは上記のAureoleニアリーにも通じるところがあり、鞍上のミルコも馬群に入れるのを嫌う動きが目立つし、こういう馬が秋華賞で活躍するのは難しい。(毎日王冠が未だにトラウマ)

クインズミラーグロ

 キャットコインと同じゼンノロブロイ牝系の出身で、こちらは別の枝葉。米血的な強い頑強要素をSeattle Slewで動かす配合なのでこちらの方が馬は矛盾なく動くだろう。中山2000mの紫苑Sはまさにピッタリとハマった舞台で、吉田豊の鋸挽きの上手さを実感させる綺麗な差し切り勝ちだった。

 ただSeattle Slew自体はそこまで優れたスピードを供給する血統ではなく、エルコンドルパサーの例の様にピッチ馬を機敏に動かすことに関してはコレ以上のBold Ruler系はないがそれ以上でもない。Ribot系のクロスは菊花賞で重宝されるほどの効果があるほどスタミナ的で、京都ではスピードが足りない。だがその観点からすればマイル勝ちの実績が少し怖い気もする。

ココロノアイ

 ステゴ×デインヒルフェノーメノを輩出した名配合で祖母マックスビューティは絶対的人気にエリ女まで応え続けた名牝。しかし京都2400mで馬脚を表した様に力っぽい差し脚がRoman経由で供給された馬で、有馬記念の惨敗から段階的に距離短縮がなされて最後の勝ち鞍は京都スプリントのオパールSだった。

 ステゴデインヒルの黄金配合は靭やかさを演出する要素がゼロなだけに力っぽさが抜けていなくて、横ノリでさえ持っていかれる推進力と気性はマイル以下の適性を垣間見せる。決定的なのがドスローの桜花賞での伸び方で、あれは中距離的な切れとは無縁の1400m~1600m的な鋭い持続脚だった。

 オークスでは黛ノットフォーマルのロングスパートに助けられジワジワと溜めながら直線に向いて反応が鈍いながらも好走の範囲に留めた。しかし本格化とともに中距離適性は抜けていき、前へ前へ進もうとする推進力ばかりが表に出ていくだろう。これを京都2000mで出していく自信を横ノリは持てないはず。

シングウィズジョイ

 Robertoクロスが目につく配合だがそれに加えてChop Chop≒Roman≒Occupyがあって回転力に優れた配合だ。同じマンハッタンカフェ産駒としてクインズミラーグロに近いものがあるがRobertoはマンカフェにさほど脈絡しないところが傷であるし、RomanをクロスをHoist the Flagクロスまで昇華させたあちらに軍配は上がる。

 ボリクリ×マンカフェではショウナンラグーンがあるが、あちらはメジロのスタミナをボリクリで回転させるというエピファネイア的側面があって比較対象として適切ではない。サンデーがある以上Robertoを緩和することは難しいし、少し配合としてあやふやなところがある。長距離適性によりフローラSを前受けして勝ち切ったものの、レベルの低い争いであったことから評価は高くない。オークスでは距離の壁に敗れたノットフォーマルすら交わせない始末であるから明らかな実力不足が伺える。

タッチングスピーチ

 栗山求、望田潤両先生が推奨したディープ産駒。栗山先生などは「『ディープ+Sadler's Wells』の最後の砦として1頭残しておきたい」と劣勢データ無視で推奨している。配合以前に「どんな相手でも一流馬を出すからこそ名血名繁殖なのだ」という意気込みがお二方に感じられた。

 夏を超えてからのパフォーマンスは圧巻の一言。3歳牝馬勢において永遠の惜敗馬ロッカフラベイビーを完封し、次走のローズSでは後方から真っ直ぐに追い込んできたオークス馬を少し待って追い出し、そのまま寄せ付けなかった。本番を見据えて完璧な予行演習が出来たはず。

 この馬の武器はSadler's Wells×Rivermanの鋭い加速で、ローズSではそれを最後まで衰えさせなかったことが大きい。秋華賞のロングスパート戦でも同様のことが出来ることを示した。

 ただ登坂があったほうが差しやすいことは確かだ。キャトルフィーユほど力っぽいわけではないがここがベストパフォーマンスというわけではない。まぁ少なくともレッドディザイアくらいには走るはずであるし、人気を裏切るようなことはないだろう。

昼ごはん食うべし。山ほどあまった卵で山ほどの炒飯作るべし。シイタケとかニンジンとか刻んで無駄に手間かけるべし。

・・・別に最近スラムダンクを読んだわけではない。

[fin]