砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

菊花賞血統としてのスクリーンヒーロー~文化としての競馬 菊花賞予想

多分コレってサッカーボーイくらいには便利なんじゃないかね。


現在のスクリーンヒーローの賞金上位と言えばモーリス(安田記念勝ち)、ゴールドアクター菊花賞3着)、ミュゼエイリアン毎日杯勝ち)、グァンチャーレシンザン記念勝ち)、プロトコル(1000万勝ち)。

受胎条件30万、出生条件50万の種牡馬でこの成績は驚異的だ。流石に1200万とかいう破格の種付け料を誇るディープインパクトほどのものではないが牝馬の質と量を考えれば種牡馬としての能力に大きな差は見られない。もちろん立場を逆にしたらどうこうって話じゃなくてコストパフォーマンスという観点。

恐るべきは社台ファームだね。よくもまぁあれだけの良血を抱えていながらも外に出したスクリーンヒーローを種付けしようと思ったものだ。それできっちりクラシック戦線に顔を出させるんだからすごいよねぇ。

モーリスなんて初年度の仔で日高の生産馬なのに吉田和美オーナーの持ち馬だものな。ミュゼエイリアンは二年目の産駒で社台ファーム産。吉田一族はスクリーンヒーローを安く見てはいないということだ。社台って高い馬=超実績馬を種付けすりゃ良い馬が生まれるんだ、みたいなイメージなんだけど。

スクリーンヒーロー産駒と言えば「出来が早い」というのがWikipediaにも書いてあるように大きな特徴。オーシャンヒーローが新馬戦で1.4秒差のダントツ勝ちをしたりして2歳戦専用の種牡馬じゃないか、とかそんなこともささやかれた。(オーシャンはその後惨敗続き)

しかしモーリスだよねぇ。親父殿の様に古馬になって本格化すると4連勝でマイルG1勝ちだ。なによりダービー卿CTのパフォーマンスが圧巻で、中山ならばどの馬にだって負けないというくらいにすんごい勝ち方だった。東京実績皆無どころか外回り実績すらない重賞1勝馬安田記念でポール・トゥ・ウィンを飾ったことが過去にあるだろうか?(人気がポールポジション・・・意味が通じない様な。でも1番人気から勝つということを伝える用語ってないのよね、競馬には。フェイヴァリット・トゥ・ウィンとかそんな感じ?)

オーシャンヒーローの新馬マイル圧勝やモーリスの中山マイル圧勝なんかは望田潤先生のおっしゃるようなダイナアクトレスの影響がめちゃくちゃ感じられるわけだけれど、菊花賞が舞台となるとそれらに比べて1400mも長くなる。スクリーンヒーローのスピードの根っこにあるのがマイラーのものと考えると好走止まりなんじゃねぇか・・・とも思う。

しかしRoberto×サドラー×シアトルスルーというのは2500m以上の重賞は絶対に勝てないというシンボリクリスエスの常識を打ち破ったエピファネイアと同じ組み合わせでもある。同じものが表現されるかは別だしもっと深いところで血統を見なきゃ判断はつかないけれども、それでもまぁ期待できるだけのものは持っている。

考え方の違いよね。ミュゼエイリアンは「母親でダイナアクトレスを刺激している」のか「ダイナアクトレスが母親を刺激している」のか、という。母親はオヤジの影響を受ける。祖父エルコンが、そのスタミナが表現される可能性もまた。

でもそんなの杞憂なのだわ。ゴールドアクターなんて母親がスプリンターの障害競走馬で、母父のキョウワアリシバは京都2000mの朝日CC3着馬だ。母母のハッピーヒエンは芝1000mでデビューして15着。1戦0勝で繁殖入りよ。でも母父父のアリシーバが日本では結構長距離向きの産駒を出していて、これがなかなか悪くない。

何がどうなってこんなに靭やかに動く馬にゴールドアクターがなってしまったのかはさっぱり分からないにしても、ナスルーラの本数は少なくはないから・・・まぁうん、うん、みたいな。これがオープン級になる理屈があるのかなぁとも思うしさ。

ともあれスクリーンヒーローは「父系にスタミナ、母系にスピード、牝系に下り血統」というサッカーボーイ的な構成をしているから、やることやれば問題ないのだわ。

またロベルトやサンデーでノーザンダンサーを緩和するというのは結構悪くない手段で、緊張と緩和の正しい形ではないにしてもラブリーデイレッツゴードンキリアルシャダイで緩和しているのと同じ理屈で大丈夫そう。

ただミュゼエイリアンの母父エルコンはド緊張配合なので緩和材料がないと成長力に不安が出てしまう。古馬になってからが問題だとは思うのだがG1で本命にできるほど配合が綺麗であるとは言えない。

だってお前・・・Turn-to系+Northern Dancer系の組み合わせで考えたらさ。

グラスワンダー~Roberto系+Danzig

ランニングヒロイン~サンデーサイレンスノーザンテースト

エルコンドルパサー~Nureyev≒Sadler's Wells+Seattle Slew Hail to Reasonクロス

Bluebird~Storm BirdSir Ivor

8分の7がこれらの組み合わせで埋まるわけでね。緊張と緩和もクソもないんだわ。ノーザンダンサーのお伴にTurn-to~Hail to Reasonサンデーサイレンスというラインが使用されるのは当然なんだけれども、その組み合わせをここまで集めてしまうというのはどうなの?と。

エピファネイアが素晴らしいのはボリクリさんがノーザンダンサーを半分も緩和しているところにあって、4分の4Hail to Reasonではあるんだけれども、ノーザンダンサーは2本しか引いてないのがいいのよ。

(Roberto×Seattle Slew×サンデーサイレンス×Sadler's Wells)(加えてHabitatでもある)

キンカメ繁殖と繁栄するんじゃないかと考えるのはキンカメが非HtRであることもあるのだわ。キンカメをHtRの緩和としてHtRの緊張・・・現代日本競馬の最終命題であるHtR系のサンデーサイレンスの緊張をキンカメで緩和しようという考えよ。

ボリクリでNDを緩和、キンカメ(ND)でHtRを緩和という手段だわな。

自殺を考える血統ファンはサンデーサイレンスクロスのG1馬が出るまでは死ねないし、そのころにはまた活きる糧となるおもしろ配合馬が出てきてやっぱり死ねない。身体にガタが来るジジイになるまで、なっても、血統ファンは死ねないんだな。

身体は滅んでも血統は生き続ける。そこに貴族たちも魅了されたんじゃなかろうか。うーむ、競馬ファンは農林水産族の議員に投票する義務があるかもね!フォーエバー競馬!

でも嫌だな。競馬の存続に議員生命かける政治家とか出てきたら投票しなきゃならないじゃん?アラブの王様に対抗するためには国家権力を競馬に注入するしかない!と。

そんな熱弁振るわれたら投票するよ。選挙カー囲んで「そうだそうだ!」てサクラみたいな行為もするよ。でもそれって現代社会に生きる人としてどうなの?と。

競馬自体は文化だからな。ギャンブル関係なしに。その要素はむしろ文化存続のためにあるわけで、日本じゃそこらへんは逆転しているわけだけれども・・・。でも発端は腐れ貴族の暇つぶしなわけであるし、生産性とかないよね。

でも絵描きや音楽家の様に人々の生活を豊かにする一躍を担っているのも事実。本場じゃ調教師とかかなり地位が高いし、絵描き音楽家と大した差はないのだわ。

文化振興のために税金が使われているじゃん?競馬もそれに組み入れて悪いかな?議員がその振興をマニフェストに組み入れて何か悪いことがあるのかな?それを無条件で応援しようという俺は現代人としておかしいのかな?

いや、おかしいことはない。ただ農林族ってダーティーなイメージが付きまとってるからな。吉田一族とか馬産関係から議員って出ないもんかねぇ。

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