Polymelusというのは競馬血統マニアにはおなじみで、ミスプロの祖でありネアルコ直系のナスルーラやノーザンダンサーやロイヤルチャージャーらの祖でもある。他にはFairway系やTom Fool系など・・・まぁ全てPhalaris系だわな。
それでもPolymelusと声高々にタイトルとしたのはそのクロスの汎用性の高さにある。
悪名高きジャージーアクトの最中においてもイギリスはHyperionを出した。それはセントサイモン3*4という強いクロスを緩和する血統、HamptonとCylleneの二つ・・・そしてToxophiliteを抱えていたことに依るだろう。これにセントサイモンを加えた四つ巴の緊張と緩和によってイギリス競馬は米血統を使わずに生き永らえた。
正確にはジャージーアクト以前に流入していた米血牝馬の存在もあるわけだがね。Fair TrialとかNasrullahのLady Josephine牝系馬なんか顕著だろう。ただトウルビヨンがどうという話を考えるとこの説は微妙に整合性が取れないんだよね。今もなお伝わるイギリスの血統はトウルビヨンに劣らないくらいにセントサイモンに対して異系を取れているはずなんだが・・・。
Fair Trial、Court Martialの次がない。Hyperion、Owen Tuder、Tuder Minstrelの次がない。ジャージーアクトの撤廃後に産駒が続かなかったのはスタートの無理が響いたってことなんだろうか?Nasrullahってアメリカに渡った奴は今もなお頑張っているよね。Nasrullah、Bold Ruler、Boldnessian、Seattle Slew、A.P. Indy・・・Tapitかね、あとは。
ネアルコの良かったことは父のPharosがイギリス国外へ売り飛ばされていち早く異系を取れたことだよな。だけど異系を取ったのは・・・イギリスが産んだ名馬Spearmint。この時代からイギリスの血統は母系に入って活躍馬を出していたんだなぁ。しみじみ。Spearmintの娘にはCatnipやPlucky Liegeがあり、SpearmintはToxophilite直系のひ孫にあたる。やはりここでもToxophilite・・・。
これまた正確にはSpearmint+米血なわけだけれども、その後にまたさらなる米血を重ねたことがよかったのだろう。HyperionやCourt Martialは・・・ん?Court MartialはFair Trialの代でLady Jororで異系とってんじゃん。
なんかジャージーアクトってそこまで悪影響ないんじゃね?いや、あるにはあるけれどもそれなりに上手いことやれてるんじゃん。打率は低かったかもしれないけど米血繁殖を抱えていたとこの打率と長打率はフランスに負けてないって。
そういった馬たちが不遇を囲ったことは確かだけれども、知恵と勇気の名血相似配合の末に産まれた名馬たちは今もなお競馬に強い影響力を持っている。これはこれでジャージーアクトのもたらした光だろう。
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