Sir Gaylordクロスの馬らしく前脚が少し細身だが後躯は非常に太ましく、青葉賞の頃などは食いごたえのありそうな手羽先の様。今は筋肉がついてスジっぽくて食いたくないが、まぁ仕上がってはいるだろう。
この後躯のマッチョはキングカメハメハから強く受け継いでいるだろう。キンカメマッチョでグインっと押し出し、Sir Gaylord靭やかでニョイーンと伸びる。うん、別に不足はないかねぇ・・・。
ただキンカメにRivermanはいかんわな。これは逆ニックスと言ってもいい。マキシマムドパリみたいに牝馬なら構わないだろうが、男馬だと変な力っぽさが出てしまう。キンカメの強いラトロ血脈に繋がるとRiverman男馬の悪さが強く表現されてしまう・・・。
キンカメの後躯が表現されたのはGreen Dancerクロスに依るところが大きい。Spy Songが母の中で継続されているので、それを更に継続される形なのだわ。そしてRivermanもその辺りと強く結びついているから、ラトロ継続も手伝って靭やかさが大きく阻害されている。だから柔らかく動くキンカメ産駒の多くはイギリス血統によって純粋培養されたトニービンを用いられるんだわなぁ。
よって本馬はSir Gaylord前駆といえども関節自体が広く動かない。背中を使って前脚をグーッと伸ばさなきゃあのマッチョ後躯は活かしきれない。ナスキロ柔いんだけれども可動域が狭いという矛盾をこの馬は抱えているんだ。
青葉賞の勝ち方は非常に強いものに見えるが、この馬体の矛盾が分かりやすく表に出たもの。
距離ロスを抱えながらも外からまっすぐに追い込んですぐに前へ取り付いた。しかしそこからストライドが伸びないんだわ。頭打ちになって前の馬とよっこらせーえっこらせー、よ。あれだけの勢いがあったのに途端にどんぐりの背比べになっちゃうんだもの。名血にしてはあまりにもギリギリの勝利だ。
ルルーシュに似ているな。内回りもこなすが外回りのが巧い。だけれど外回りだと最後の一伸びがない。
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