砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

Rabelais~Krairon

ちなみに「ラブレー」と読むらしい。

次のマイブームであるTourbillonを調べるほどにこの血の重要性が見えた気がして、マルセル・ブサックさんに対する驚きの連続と一緒にパーソロンのマルセルアタックぶりが見えてきて面白い。この血はネアルコなんかと差し替えられてもおかしくないくらいの名配合だろう。

メジロマックイーンも切り口を変えるたびにいろんな顔を見せてくれる・・・というか全部の血統がそうなんだけれども。聞いたことのない血統って見て見ぬふりだったからねぇ・・・。

して、ラブレーさんってのはほとんど決まった形で後世に血を残している。

1 Pharosと結びつく(Nearco、My Babu、Ribot

2 Blandfordと結びつく(My Babu、Wild Risk

3 Ajaxと結びつく(Nearco、My Babu、Ribot

4 Ksarと結びつく(My Babu、Wild Risk

5 Carbineと結びつく(NearcoRibot

便宜上Tourbillonラインの代表としてMy Babuを登場させたが、LuthierAhonooraを輩出したClarionもある。こっちは「異系」のド真ん中を驀進するような配合になっていて、Klarionの代ではGalopinの父系とか、Dollarの父系とか持ってくる変態っぷり。

GalopinはSt. Simonの父として名をはせたが息子の大活躍&悲劇によって父子ともども残念賞な状態に陥った。ところがKlarionの母父KantarはSt. Simonの血を持たないままに6代目までつなげているのだ。

DollarはKsarの母父Omniumを出した異系血統。Kantarの母KrabeはDollar5*3だが、恐るべきはそのクロスが父と母父のメールライン上で行われていることだ。母父Omniumはともかく、父Chouberskiは最も活躍したであろうOmniumとは別の枝で5代まで血を綿々とつなげられてきた血である。

このKlarionからLuthirとAhonooraの父Lorenzaccioが出る。二頭ともに母はBlandfordのクロスとPharosを持ち上の五箇条をほとんど満たすことになる。なおLorenzaccioはSimon's Shoes牝系でLuthirはPretty Polly牝系。

LorenzaccioはCarbineを持たない傷とColorado≒Pharos≒Colombo4*5*4の緊張によってもう少しの余裕があったらしく、次世代にAhonooraという名馬を出した。Clarion系最大の出世馬だろう。

この馬の母Helen Nicholsが「4分の3英の4分の1米」だが、牝系の奥を探っていくと「パーシモンとポリメラスの煮凝り」みたいなのが発掘される。(Ahonooraから数えて4代母のFoilageがPolymelus4*4*4かつPersimmon5*5*5。HamptonやCylleneやSt. Simonについては数えたくないレベル。)

しかもグレートブリテンパワー全開はやっぱり変わらず、Fairway≒Colorado5*5*5なのでAhonoora自身は「4分の1仏、4分の3Pharos=Fairway≒Colorado≒Colombo」。一方でCourt Martial≒Farthing Damagesなんかのニアリーもあって面白い配合だ。

なかなかメジロマックイーンと似たことをしているのだけれども、Ahonooraはスプリンターなんだよねぇ・・・。

あ、KlarionじゃなくてKlaironなのか。失敬。

Klairon-Lorezaccioのラインは中距離馬も出しているからAhonooraの母が強いスプリントを伝えているのだろう。胴の短くなる要素がどこかにあって、Bull LeaとCourt Martial≒Farthing Damagesの回転力が作用したのだと思う。いやあっちのスプリントは直線だから動が短い必要はないかな・・・。

でもBlandfordの強いクロスがある以上はAlmahmoudが入れば靭やかに動く馬になるだろうし、Cape CrossみたいにRoyal Chager≒NasrullahDjebelを更に組み入れてしまえば次世代に中距離馬を出す仕組みは整う。

母父Cape CrossのロジユニはHalo≒Sir Ivor3*5*5で、父ネオユニヴァースがRabelaisをNearcoWild RiskSicambreTourbillon-Free Franceで継続している。またBlandfordと繋がってドロドロ切れの土壌となったWild Riskをロジユニ自身はクロスしているし、Djebelもまたクロスされているのでこっちが優先されて表現されるみたいだな。

後躯の蹴りはネオユニらしい曲飛節なものなんだけれど、前脚が非常に柔らかく伸びる。これほどまでに前後の可動域が違うG1馬もいまい。

もしこれで全体が筋肉質に固まればスピード能力が強化されてストライドも伸ばしやすかったのだろうが・・・彼はどこまでもドロドロとしか切れずに競争生活を終えてしまったね。

[fin]