砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

ジャパンカップ展望~外国馬の逃げ~タップダンスシチー論~アンチ宏司

例年通りの東京馬場なので特に狙い目は変わらないかと。

日本勢には逃げそうな馬がいず、ここはイトウさんが逃げるんじゃないとか思われる。

Sadler's Wells直系でIn the Wingsの枝葉のMill ReefクロスなAdlerflugが父で、これはキングズベストと同牝系なわけだからもちろん絶対正義のアーバンシーとも親戚。アーバンシーの仔には父Sadler's WellsのGalileoと父Cape CrossSea The Starsがある。父の素性は確かである。

母ちゃんがデインヒルとBe My GuestとGreen Dancerなので重厚・・・というのはモチジュン先生と同じ言葉だな。His MajestyとThe FillyとTuder MinstrelとAbementを通じるハイインロークロスが強烈で、加えて父母間に起こるAureole≒AcroPolisがあってPretty Pollyクロスも万全。気性の危うさも万全。

またNever BendクロスにBuckpasserクロスなので肩の可動域が非常に狭いピッチで走る。加速の鋭さはあるがトップスピードは微妙なもんで、Hyperionな感じで「同じフォームでずっと走る」馬だ。

今はまだ動画あさりの最中だがオイロバ賞を見る限りではスローからの早仕掛けが得意技で、Aureole魂を匂わせる突き放す様な逃げをする。

バーデン大賞では早め先頭から抜けだしたナイトフラワーをプランスジブラルタルが外ラチ沿いに差し切った。そのプランスジブラルタルバイエルン大賞で破ったのがイトウだ。にしてもドイツ語の発音は意味不明ねぇ。Europeをオイロバ、Princeをプランスとは。

このプランスジブラルタルの方がジャパンカップの競馬には似合っていそうなものだがねぇ。決して狭いストライドではないのにものすごい回転力でグルグルと回転させる。ただ・・・どこかで矛盾が発生しているくさくて、ロックオブジブラルタルの血を継ぐ割にはスピードが刹那的だな。

こう・・・Riverman牝系にFleet NasrullahとNureyevだから牝馬っぽい切れ方をしてるんだよね。牝馬のナイトフラワーが抜け出せる様な流れなら牡馬の意地にかけて差し切れるんだが、イトウが牡馬力全開で早仕掛けに突き放してしまうと脚が最後までもたないんだ。

イトウ≒タップダンスシチーと考えるとわかりやすいかもしれない。タップダンスシチーがガチ逃げしたら牝馬は全滅する。まぁ控えてしまったら当てが外れた様にスローペースになり、スイープトウショウ宝塚記念)やヘヴンリーロマンス秋天)が勝つわけだが・・・。

前受け名人佐藤哲三騎手でもたまに溜め過ぎちゃう時もある。特に阪神2200mや東京2000mは早仕掛けをするには難しい舞台だ。チャンピオンジョッキーの経験だがね!

まぁ、それでもちょっとはネタにはなるから詳しくチャンピオンジョッキーの話を続けよう。

チャンピオンジョッキーではラップの落とし所がちゃんとあって、それは登坂とRのきついコーナー。

例えば京都2000mでは2F後にきつい1角と2角があるからそこでペースを落とすことは可能だ。差し馬が多い時は大抵ここでなんとかなる。しかし逃げ先行が多いと向こう正面終わりにある登坂まで伸びることがある。そうなるとまず前は全滅する。

阪神2200mだとホームストレッチの登坂を超えることになるからここでスローを作ることが出来る。ぶっちゃけここを超えてまで逃げを打とうとすると最後の登坂で差されやすくなる。だから決して出の良いわけではないタップダンスシチーで逃げようとするのは厳しい。

そうなると向こう正面からまくって行くのが定石になるんだが・・・想像を超えてスローになっちゃうと切れる馬が最後の最後まで脚がもつのだわ。

競馬ラボのコースレイアウトを見れば分かるように3角と4角は緩やかな複合コーナーになっていて、3角4角間のストレートに近い区間で外にいると消耗が激しい。だから定石として3角の終わりまでは我慢するしかなく、突き放しにかかるのはL800mからだ。800mから鈍足タップダンスシチーが突き放そうとしても無理があるわなぁ。

東京2000mも似たようなもんで、コーナーワークを絡めて逃げようとすると消耗が激しいからテンの速さで逃げを確定させるしか方法がない。500m過ぎまでは緩い下り区間になっているから無理なことじゃないんだが、気性の荒い馬が下りをまくりながら逃げるとなると騎手の実力が試されすぎる。ノリさんみたいな折り合いの達人じゃなきゃ分の悪い賭けだ。

なので前4Fを我慢してからまくりに行きたいんだが・・・05年の秋天では四位のおっさんが上手かったんだ。外側から半馬身ほどのリードを保っていて、これを内から動いていくにはタップダンスシチーにゃ2000mは短すぎる。後ろの馬の切れを封じるには外からまくっていて「先頭遅すぎ!」と後ろにアピールして総まくりの体勢に持って行きたいんだが、内から動いては後ろがついてこない。

府中の直線は緩やか~に登って、そしてまた一気の登坂を越えることになる。つまり直線まで余力は残していなきゃならないわけで、基本的に溜めたもん勝ちなんだわ。その基本を覆す手段は「総まくりからの総崩れ」よ。スタミナ勝負に持ち込むしかない。

東京2400mは距離適性って大きな問題があるからそれに持ち込みやすい。しかも延びた400mは序盤の平坦と下りだからね。緩やかな1角2角のコーナーを頼りに前半5Fをかっ飛ばしても、もう5Fの登り降り区間でスローにすりゃ後の登坂超えのおつりが来る。

エピファネイアジャパンカップがそういう流れよ。05年の秋天タップダンスシチーに立ちはだかった「残り6Fの壁」を後ろの馬は前を追いかけながら乗り越えざるを得なかったのだわ。ジェンティルドンナに騎乗していたライアン・ムーアはすごかったねぇ。12.1-12.0-12.0-11.7-11.7-12.1でじっくりと脚を使わせたもん。(Mahmoud様のブログより引用)

ジャスタウェイの福永も上手い騎乗だったよね。それだけに北村宏司の阿呆騎乗とスピルバーグのスタミナ&切れにびっくりするんだけれども。12.1-11.6-11.7-11.5-11.5-11.8ってどんだけよ。北村宏司さんは本当に関東騎手なんだろうか?府中は初めてでした?みたいなね。(ラップはMahmoud様のブログより引用)

ロンスパは承知で息を入れさせたりはしているんだが・・・いくらなんでも力任せの追い込みすぎるわ。G1勝ちの関東騎手が東京でこんな騎乗をするってのはどうなんだ。

そりゃディープ産駒は気難しいけどね。サンデーサイレンス産駒に飼いならされた日本の騎手だからこそ普通に乗っているけれども、これらを更に前受けさせるってのはそう簡単なことじゃないよ。でもスピルバーグみたいにパフォーマンス任せなのはどうなのかなぁとも思う。

例えば神奈川新聞杯じゃ13.0-11.4-11.6で前を取りに行っているわけよ。でも秋天の12.8-11.7-11.9じゃ前を取りに行かない。北村宏司ってラップタイム見ないのかね。1番人気エイシンヒカリの強い逃げがテンからのドスローに支えられていることに気づかないのかな?実際にクラレント田辺はそれを阻止しに動いたし、それでもこのスローだ。田辺としてはエイシンヒカリを潰してもなおスローで逃げられる自信があったんだわ。

さて、話の切り替えには限界が出てきたぞ。タイトルが大変なことになってる。

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