砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

イトウとナイトフラワー ジャパンカップ予想

Mill Reefクロスでナスキロ柔く動きそうなイメージをもつ父Adlerflugだが、Never BendBold ReasonBuckpasserクロスなので靭やかピッチの馬に出た。テッテコテッテコとイトウは走る。

ドイツの競馬場は直線が長いのだがあまり靭やかにストライドを伸ばす馬がいなくて、オイロバ賞なんてイトウは下りでペースを上げながら700mオーバーのロングスパートで突き放しているのだ。残り200mまでナイトフラワー以外を寄せ付けずに走っているのだから脚を使い果たすどころの騒ぎではない。2番人気がこんな競馬をやって、しかも4着に残るドイツ競馬は底知れない・・・。どんだけ重厚なスタミナを背景に競馬をしてきたのか。

あぁ、オイロバ賞のケルン競馬場は推定650mくらいの直線を擁しているんだわ。これ大事。この長い直線の入り口でイトウは突き放しに動く。あのピッチ走法で。

しかもこの傾向はイトウ&ミナリクのコンビだけのものではない。ドイツ競馬自体がそうなんだ。

ドイツの競馬場は直線は長いがコーナー自体は小回り的。アメリカン。だから緩い流れのままコーナーに入ってしまうとよほどコーナーワークが上手くなければピッチが上がらない。それを解消するために・・・奴らは向こう正面3角入り口に向かってピッチを上げていく。

複合コーナーが主流になっている日本の中央4場とは競馬の質が違うのだわ。そのギャップは埋まっているのだろうが・・・早仕掛けのイメージは抜け切らないだろうな。ミナリクは多分東京を阪神内回りみたいに乗ってくると思う。

すると・・・やっぱり終い200mの争いになりそうだな。

ナイトフラワーって馬もやっぱりドイツで育まれたアイルランド産馬で、俊敏に動きそれが持続する馬だ。だけれどデインヒルDanzig×His Majesty×Buckpasser)やパントレセレブル(Nureyev×Alydar×Habitat)などのパワフルな手先に支えられた俊敏性なので日本の馬場には強すぎるだろう。

日本馬のコンセプトには「靭やかさ」という頂点ありきで、社台グループの馬が強いのはこの靭やかさの代表格を豊かに揃え、土台となる「スタミナ」や「パワー」を外国から取り寄せる資金力があるからだ。

しかしナイトフラワーというのは頂点が提示されていない。相似配合しときゃ良い馬が出来るよきっと、みたいな曖昧さを感じる。型にはまっていないんだよねぇ・・・出たもの勝負でどっかの国にピタリとはまる舞台があるだろうって。

これが海外の強さなのかも。馬を見る目があれば国を問わずに様々なところで買い付けが出来る。走らせていれば外の人間が「こいつはフランスが合うんじゃないか」とか思えば半持ちの提案をして凱旋門賞に出走させたりとかさ。そういった自由と責任の世界なのかねぇ。

そういった人たちが「ジャパンカップに勝機アリ」と見てやってきたのだから・・・どこかに靭やかさを抽出するスイッチがあると見たほうがいいのかねぇ・・・。

あるとすれば・・・Bold Bidder×Tom FoolのMount Hagenかな。加えてHabitatとNorthfieldの兄弟。フフフ、なんでこいつらは柔らかく動く血統に米血的な鋭い反応をする力っぽいものを添えるんだろうねぇ。しかもそれを刺激する。

なるほどね。柔らかく動く土壌はあるけれども鋭く動かせようというお目付け役が絶対にいるんだ。けれどNasrullahが少ないわけではない・・・。全身運動的に身体をガバッと開く・・・。

母父パントレセレブルはもうちょっと俊敏なんだよなぁ。いや、前言撤回。これはアイルランドのイメージだね。靭やかで俊敏に動き、追走時に緩く動ける・・・ズブくなったらスタミナ化しそうな感じ。これはアイルランド

全盛期のカレンミロティックに近いかもしれんね。決して柔らかくは伸びない前駆をガバッと力づくで開く。違うのは後躯かな。こちらは柔らかに動く分だけ距離は伸びるだろうな。スパート距離は伸ばさないといけないけれども。

中京で見たい馬だなぁ。スピード能力は日本的じゃないのだろうが中京や阪神内ならまくり倒すことはできそう。

二頭の間柄ってのは「トウケイヘイロージャスタウェイ」「ミッキークイーンノットフォーマル」に近い。イトウが日本で逃げるならナイトフラワーも対応出来るんじゃないだろうか、って。持ちつ持たれつの間柄だし、日本馬がスロー専用機にあふれていたならばこの二頭のワイドで勝負したくなっただろうなぁ。

しかし日本には菊花賞とか春天とかのレースがあって、中長距離馬が自分の守備範囲外の距離を目一杯走って戴冠を目指す文化があるのだよ。種牡馬としての評価はにはさほど反映されないが、スローに汚染された中長距離戦を半ば諦めて、長距離で花開こうという馬がたくさんいるのだよ。

早仕掛けで勝負をかけようだなんて言語道断。隠れキリシタンの様に息を潜め過ごす馬はエピファネイアだけではないぞっ!

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