砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

Ribot雑感2

フォーティーナイナー、マンハッタンカフェなどTom Rolfeの枝葉を母系に持つ馬も少なくなく、His Majesty=Graustark兄弟ともなれば当たり前の様に母系に入り込んでいる。しかしサイアーラインはほとんど伸びていないままで、21世紀に入ってからはG1級の馬すら珍しくなってしまった。

その原因として見られるのは世界を席巻するNasrullahの靭やかさを早い段階で取り込めなかったことがまず挙げられるし、もう一つの理由として名種牡馬Northern Dancerが母の父として機能しなかったことが挙げられる。

Northern Dancerが裸のままで母系に入り込んでいる例は少なく、日本でもアンティックヴァリューくらいにしか見られないだろう。大抵はその後継種牡馬を経由して母系に入っている。この傾向はNearco系全体に見られるもので、ナスキロ血脈もやはりPrincequillo×Nasrullahの形ではあまり見られない。

つまり「父系はNearco、母系はRibot」と住み分けが出来過ぎてしまっているのだわなぁ。名種牡馬の父であるNorthern Dancerは名種牡馬の母父にはならなかった。よくよく考えてみるとSt. Simonにもこれは当てはまるかもしれないな。

もしもSt. Simonが母の父としても有能であったのならばChaucerの出番はなかっただろうし・・・、いや、St. Simonが一代遠くなったからこそ母の父として大成し、HyperionPharisらを輩出したのだろうか?母の父として無能であったのではなく、父として優秀すぎたからこそか?

両方だろうな。母父として優秀ならばサンデーサイレンスのようにRibot系×Northern Dancerで化け物が出ていてもいいだろう。・・・あぁタップダンスシチーがいるか。Northern Dancerが生まれた1961年から36年もの時間を経て極東で活躍した晩成の化け物にして、募集額の36倍もの賞金を稼いだクラブ会員の星。6万円の一口持っていたら雑費を引いても150万くらいは儲かっているだろう。

サンデーサイレンスの活躍を見てSt. Simonの悲劇がどうとか騒ぐ人もいるがまるで意味のない話だわ。もし日本が経済後進国であったならば競走馬の質はそりゃサンデー時代より二つも三つも落ち込んでいただろう。しかし社台グループとかいう馬鹿げた規模の生産者集団がいて、JRAという大きな胴元がいる日本ではワークフォースだろうがハービンジャーだろうが非サンデーの大型種牡馬を導入する経済力には事欠かないのだ。ラフィアンもあるしね。

ハービンジャーなんてのもいずれ訪れるNorthern Dancer緊張を度外視する時代を見据えた種牡馬で、社台グループはノーザンテースト持ち繁殖に対して好んでつけている様子がある。Northern DancerクロスはするがDanzigLyphardNijinskyも緊張させないのだわ。

加えてShareef Dancerディープインパクトとの組み合わせでは母父Dubai Milleniumのディサイファがあり優秀な組み合わせである。Sir Ivor×Tom Foolだからダイワメジャーとも好相性だろう。ディープが合うのだからダンシングブレーヴとも相性が悪いはずがない。

加えて新種牡馬としてドリームジャーニーオルフェーヴルがあり、このノーザンテーストクロスを「緩和」する手段としてもハービンジャーは活躍するのではないか・・・と。

ハービンジャーが母父にもぐってしまえばNorthern Dancerクロスは度外視出来る。その時にサンデーサイレンスクロスが有効であるかどうかが試されるだろう。

なんかRibotの話じゃなくなった。でも母父ハービンジャーのSSクロスってのはいずれ時間をかけて検証してみたいもんだねぇ。

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