砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

Haloの年 その2

歴史が動き出した09年、ディープのHaloクロスが動き出したのがヴィルシーナの12年、そして13年生産の現3歳馬たちがクラシック戦線のハナを切っている現在。でもマカヒキサトノダイヤモンドも早生まれだから(13年1月生まれ)ヴィルシーナが結果を出す前に種付けは終わってる・・・。

Haloクロスはクラシックに間に合うから表に出ているだけであって、後からLyphard弄りのディープが追いついてくるかもしれないね。Lyphardを弄るとBurghclereも弄らなきゃならないから晩成型に出てしまい、ディープブリランテジェンティルドンナの様に米血統を上手く使わないとLyphardクロスは間に合わない。

それを差し引いてもサトノダイヤモンドマカヒキらは強いのだが神童疑惑はあるからなぁ。今のHalo的に優れたバランスを保ったまま成長出来るかどうかは不明瞭だ。特にダイヤモンドはね、里見オーナーの馬は本格化するのが下手糞だから・・・。国本オーナーとは真逆のタイプ。

血統表を見てもダイヤモンドの行く先が謎だわ。Halo的というかCosmah的というかAlmahmoud的というか・・・この性格のディープ産駒がどの方向へ本格化するのか想像できない。ディープ牡馬はBurghclere的に成長しなきゃ古馬戦線じゃバテちゃうし、でもそれで本格化したら硬すぎてしまうかもしれず、いまのグワングワン伸びる馬体ではなくなっちゃうかも。ディープ牡馬は古馬になるとムッキムキになるからさ。牝馬にはその心配がないんだけれども。

Hyperion的な粘り、そしてHyperionの馬は長生き、ということ。これらを合わせて考えるとHyperionの走りってのは馬体への負荷が少ないんだ。一定のペースで慣性を生かして走る。だから身体をピュンピュンと弾けさせるHaloとは相性が悪いんだよね。ここを克服したディープ牡馬は未だいないだろう。

直線一気気質でコーナーワークが下手糞なのがディープ古牡馬なんだ。スピルバーグにしてもワールドエースにしても前受けしたら絶対強いのにゲートでサッと動く俊敏さがどうしてもなかった。あるいはそれを騎手の目線から見られなかった。最大の弱点だろうな。これはワンアンドオンリーも同じで、Halo的な天才性とHyperion的な本格化が噛み合っていない。

重賞級ディープ牡馬で最もディープ牡馬らしくない、ある意味失敗作とも言えるサトノノブレスが最もHyperion的に活躍しているのが面白い。逆ニックスのディープ✕トニービンBold Rulerで作用させるこの仕組みに何かヒントがあるのではないかと思うが・・・まぁ一線級のディープ産駒は男女問わずにBold Rulerを持ってるものだ。

「ある意味失敗作」のカテゴリにはディサイファも含まれるがこれは道悪香港カップなんかで花が咲くだろうし、北米芝で走らせてみれば面白いと思う。ブリーダーズカップに2000m芝があれば日本競馬にも北米芝路線へ向かう意義もあろうものだがなぁ。

マカヒキの方は間違いなくBurghclere的本格化を果たす。おそらく2000mでは長く1600mでは短いというタイプになって古馬G1では今ひとつ弾けきれない存在になるのではないかな。スローの中距離戦でどれだけ弾けきれるかが鍵。

でも3歳春の時点では神童だし。ただの馬になるのは先の話で今はただ皐月賞を楽しみにしたい。

牝馬のHaloクロスは古馬になっても大丈夫だろう。ただ靭やかに動きすぎる面もあって牝馬路線では困るところもある・・・ってのはヴィルシーナと同じ。混合戦で穴をあけてくれるのではないかと。

だがサザンヘイローの産駒なんかから掘り下げられそうなところはあるし古馬になってからの話は今年いっぱい使ってのんびりと予想したい。なんたってHyperion祭りなアルゼンチンでリーディングサイアーを取った名種牡馬なのである。

でもマカヒキとかRibotとPocahontas、Bold Rulerのクロスがあるからパワーのありそうな配合なのよね。弥生賞であれだけ勢い良くまくってるのに内へ切れこむでもなく真っ直ぐに追い込めるのはその証拠だろう。姉と同じようにマイルより短いところで本格化するかも・・・。

それに「Hyperion+Swinford+Pretty Polly」を何本も持ってるから本格化するときはガッツリ行くだろう。でも母ちゃんはボルキロで一貫してるからアメリカンにスルスル動く血統背景と見ることは出来て、それなら距離に関係なく活躍の舞台はあるはず。

ダイヤモンドもPocahontasクロスがあって、DanzigHoist the FlagBuckpasser間でWar Admiralクロスが入る。アメリカの名血統ゴリゴリパワーでHaloクロスを支えている様子が目に見えた配合と言える。

既に筋肉隆々の早熟性を見せていて、これにBurghclereの成長力が重なってしまうと芝での活躍が難しくなるかもしれない。前脚の太ましさはマンハッタンカフェ産駒に通じるものがあり、これがおそらくWar Admiral累代クロスの影響だ。全盛期のショウナンマイティほどに馬体は完成していると言っていい。

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