砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

高松宮記念出走馬 ブラヴィッシモとウキヨノカゼ

1枠1番ブラヴィッシモ

 昨年の夏に幾多の名馬を覚醒させたモレイラが騎乗を担当した1頭。父Fastnet Rockはデインヒル系のスプリンターで豪州でも人気のある種牡馬だ。母はアイルランド産のSadler's Wells✕Darshaanだからスタミナ豊富な配合だからマイラーに振れても良さそうなものだが、母系に入る米血統と豪州スプリント血脈が脈絡する。Never BendBold Reasonの光る短距離馬と出た。

 金子オーナーは「頑強だけれど靭やか」の馬を選ぶところがあるから純スプリンターとは言いづらく、ウリウリなどと同じ「靭やかスプリンター」な1400m馬だろう。それもどちらかと言えばマイラー寄りにも見えて、3走前の東京1400mを差しきった動きが秀逸。直線で横の広がる様な馬場を内突き一閃に差しきった。この「頑強≒パワー」なのが難しいところ。

 ノリが乗るということで逃げも視野に入れたいところだがスプリントで逃げを打てるスピードはないだろう。ナスキロ柔いというほどではないから内を捌いても妙味がある。

1枠2番ウキヨノカゼ

 父オンファイアディープインパクトブラックタイドの全弟で、その良血を買われて種牡馬入り。重賞勝ちはウキヨノカゼだけだが繁殖牝馬の質を考えれば上々だろう。ブラックタイドは比較的長い距離で活躍馬を輩出(ディープインパクトに先駆けて菊花賞制覇)しているが、こちらは短い距離で活躍馬を出した。

 母母シンコウエンジェルはシンボリクリスエスとの間にダノンカモンを出し、スペシャルウィークとの間にはクィーンズバーンを出した。Damascusのパワーが目立つ繁殖で、それにバレークイーンの仔フサイチコンコルドオンファイアと繋げたのが本馬。

 ブラックタイドはBurghclereのスタミナを使ってキタサンブラック菊花賞を勝ち、ディープインパクトはHalo≒Sir Ivorの靭やかさで中距離G1を総なめ。ならオンファイアウインドインハーヘアのFair Trialの回転力で短距離を走らせていると言えて、ForesserとGonfalonのナスキロラトロをスピード源にFair Trialで突っ込むという仕組みなのだろう。

 キーンランドSのまくりはFair Trialの回転力をフルに活かした四位洋文の名騎乗。スプリンターズSではスローを綺麗に差したが3着まで。直線一杯を使った差し脚勝負になっただけにこれは順当。差し脚のピークは登坂手前までで、これはFair Trialの宿命かと。

 高松宮記念を差すなら好位から運びたいところだがオンファイア牝馬が純スプリンターであるとは考えづらいし、気性的な問題なのか外を回して差す馬だから内枠は面白くない。ハクサンムーンのペースであることは好材料だろうが中京スプリントG1を外からごぼう抜きにするだけの素質はないだろう。

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