姿かたち、レース内容、どれを見ても「サトノなマイラー」ではないのが不思議なところで、クラウンといい里見オーナーは優れた関係者でも傍に控えさせるようになったのだろうか。
見栄えのよさはマカヒキが上だが胴の長さと端正さにおいてはサトノダイヤモンドが上。なんかこうね、背中と言うか、胴がしなりそうな感じがいいよね。マカヒキはむしろ胴体が安定しているタイプで、それはサンデーサイレンス-ディープインパクトの父系を踏襲しているなぁと思う。これはどっちかと言うとTurn-to-Hail to Reason的なんだよな。
サンデー×NDがニックスなのはサンデーがHaloの母系をほとんどいじった配合をしていないからで、サンデー×ノーザンテーストが逆ニックスだったのはLady Angelaクロスからの緊張と緩和のリズムがきわどいためのバランス調整が難しかったからだろう。この配合のバランスをとったのはナスペリオンだったわけで、これはサンデーサイレンスのボトムとメールを踏襲した形になったからだと思う。デュランダルとダイワメジャーの一流産駒はTom Foolを持つ。
これはHyperionとNasrullahの緊張と緩和にPretty Pollyスタミナを加えた配合とも言えて、つまり英国的スタミナが豊富なわけであるから米血統スピードで動かすのは競馬史の観点から非常にオーソドックスな配合だ。だからダイワメジャー産駒はシンプルな強さを持つ。
けれどモチジュン先生の言うようなNatalma≒Cosmahの二アリー群は「米血×Mahmoud」という異色の背景を持っている。これは英血統と米血統のミックスであるからバランスに優れすぎるきらいがあるのだわ。緊張と緩和の面でこれを料理するのは難しい。
現代競馬の中距離スピードを強くクロスしたという意味が強い。逆に言えばスタミナのありどころもスピードのありどころも不透明であって、その結果にあるサトノダイヤモンドがこれだけ秀逸な中距離馬に出てしまえば「これはAlmahmoudの体現馬なんだ」ということで処理するしかない。
ウインドインハーヘアを持つから、ここをスタミナ元とするのもやぶさかではない。しかしディープインパクト経由でそれを強く遺伝させるだけの配合とも言えず、もし伝わっていたとすればサトノダイヤモンドはディープ牝馬的ディープ牡馬ということになる。無敵じゃん!
いや、Hyperionだけがスタミナではないけれどね。しかしBlandfordのスタミナを使うにはPretty Pollyを上手く伝える必要があるわけで、そこにはWild Riskの関与はマストだろう。
母父が明らかに米血の強い配合になっていて、それがAlzaoと反応する以上は前のめりのスピードが身につくはずなんだ。それがディープインパクト産駒のセオリーなんだ。ほんとになんだこいつ。
[fin]