砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

ロードクエストの俊敏性 その2

Bold Rulerの小回り力平坦力というのは京都ではなかなか侮れない。しかい、それを表現するにはDanzigという血はわりかし邪魔である。

Danzig産駒でBold Ruler持ちが大成した例は少なく、唯一の例と言うべきChief's CrownがBold Ruler的かと言えば全くそうではない。SecretariatSecretariatというオリジナルである。

その辺りの話は前回の続きになるので省略する。長くなるから。

とりあえずChief's CrownもまたオリジナルのDanzig直仔であることが重要である。そしてロードクエストマツリダゴッホの最高級産駒と俺が思うのはこの血を経由してDanzigを持つことを根拠とする。

上の通りにBold RulerDanzigはあんまり相容れない。どちらかの一方の主張だけを受け入れた上で、もう一方の血統をないがしろにしてはならないのだ。よってDanzigをニックス材料とするマツリダゴッホの素晴らしき点は「Danzigを取り入れつつもDanzigを表現しない」ところにある。どこかで聞いた話だ。

だからマツリダゴッホ✕Chief's Crownはより強いニックスの関係にあるのだと、私は、考えるわけですよー。

ただ、牝系が弱いことと純北米ぶりが気がかりだわな。この軽さはイスラボニータに似ている。例えばSinndarは母ちゃんが純欧の配合だからダービーSを勝ち得たわけで、現代の中距離~中長距離の大レースを勝つには国を問わずに異系を得なければ難しいだろう。

それを考えたらNHKマイルCは正解なのかもしれない。これほど北米の血が強い馬がダービーを勝ち負けした例は・・・キズナとかディープスカイとか結構あるよね。キズナは「4分の3米、4分の1英」の父母配合だから自身も同様の配合形にはなっているけれども、ディープスカイは父アグネスタキオンが「4分の3米、4分の1英」であるくらいだな。

ロードクエストに至っては・・・洒落にならねぇな。5代血統表中にRibot(英)しか異系が存在しない。こうして考えたらディープインパクトのBurghclereやハーツクライトニービンネオユニヴァースポインテッドパスマンハッタンカフェのSanta Lucianaって便利だわ。

方向性として救いがあるのはダイワメジャーかな。けれど母父にトニービンやオペラハウスなどの中長距離欧州血統を据えることを重要とするものねぇ。

一応チーフベアハートだってBCターフを勝っているわけだから悪く無いとは思うけれど。キングジョージで勝ち負けする様なスタミナ色の強い血統であったほうがわかりやすくはある。

このあたりの判断が難しいんだな、この馬は。北米競馬の歴史においてChief's Crownほど芝的スタミナを発揮する血もなく、しかもそれは日本の芝には十分通用するスタミナなんだわ。日本ダービーディープスカイ、一世を風靡した芝砂万能Blushing Groomアグネスデジタル春天勝ちのステイヤーであるマイネルキッツ、これらを輩出した血統だ。

だから欧州古来のスタミナ配合にだって負けないものは持っているし、決して単純な北米血統ではないことを留意されたい。でもマイネルキッツはチーフべハートというよりサッカーボーイなんだよね。そしてロードクエストチーフベアハートの胸元を短縮した形なんだ。

でもチーフベアハートより前駆の靭やかさがあるからより日本向き。これはボルキロクロスの影響なのだろうが、正確に言うと「Roberto✕ノーザンテースト✕ナスキロ」の効能かと思う。またRobertoをブライアンズタイムリアルシャダイから引くことでAlibhai≒Lady Angelaが発生する。これにより後駆の強さが補完されて、「前は靭やか、後ろは強靭」という良型となるのだわ。

これにNashua≒Nantallahを加えることも忘れてはならず、もっと言えばTourbillonを入れるとより良くなり、最高なのはTurn-toへ脈絡するMy Babu≒Ambiorix≒Kraironを経由させることだろう。

Nashua≒NantallahへTourbillonを組み込むとDubarのクロスが発生するのだね。この異系のダービー馬を共通とした組み合わせはサンデーサイレンスの肝だからサンデーの孫世代では必須である。(持論)

「短縮形チーフベアハートとしてやるべきことをきっちりこなした配合」というのが結論。マツリダゴッホ産駒としても母父チーフベアハートとしても最高級の産駒だ。これがG1を勝てないならマツリダゴッホは徐々にフェードアウトしていく運命だろうな。

香港2000mがベスト条件だと思うんだよねー。だが香港へ向かうには日本のG1をステイゴールドの様に善戦しまくるしかない。

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