砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

ヌレサドニアリーwithリヴァーマン 宝塚記念回顧

同じディープエルコンでもこちらが勝ったか。

アンビシャスは4角から手応えが怪しくなっていて、ズルズルと後退していった。揉まれ弱いところはあるし、こういった道悪が苦手ということは確かに予想された。それを込みで予想したのだから納得は出来る。

重心の高い馬であるから道悪は確かに下手なのかも。ディープエルコンを狙うならば牝馬のほうが理にかなっていた・・・という結果でもあるかな。エルコンの牝馬は内回りの鬼だから。

そしてエルコンドルパサーNever Bendを加えるのはピッチで走る道悪の鬼を出す配合でもある。ディープインパクトにRiver Ladyを加えるのも道悪の鬼を出す仕組みであり、ミッキーアイルが道悪高松宮記念でゴリゴリと走っていた。

「あーあ、クロウキャニオンの子どもがいたらなぁ」とNDクロスの件を書いている間に考えていて、過去にはマウントシャスタが3歳時に3着に入っている。しかしよくよく考えたらディープ✕クロフネステファノスが出走していたわけで、それを知らないほどに宝塚記念予想へ身が入っていなかった。もちろん、マリアライトのことも半ば忘れていた。なんという体たらく。

ただ、ノーザンテーストパワーでステイゴールドが無双していたことは歴史があり、アーネストリーグラスワンダートニービンノーザンテーストで、ラブリーデイももちろんノーザンテースト持ち。(Robertoもトニービンもあるキンカメ産駒)

今年の上位陣を見ても2着~4着はノーザンテースト持ちであるわけで、それをヌレサドリヴァーマンで破ったことは歴史的快挙と言うべきこと。スイープトウショウから数えて11年ぶりの牝馬戴冠というのも素晴らしいことだが、非ノーザンテーストのディープ産駒が宝塚記念を勝ってみせたことも異例であろう。

マリアライトの陣営はよっぽどこの馬のスタミナに自身があるらしい・・・ということはローテーションからも多々汲み取れることだが、蛯名がピンク帽から前受けをかますほどとは思いもよらない。そしてマリアライトがそれに応えてみせるのも、想像外のこと。

武豊キタサンブラックに対してこれほどの信頼を寄せていたことも予想外である。これだけ前半に負荷をかけて逃げていき、それからもスローペースに落とすことなく持続戦へ持ち込んでいった。まるでエイシンヒカリが見せた欧州での競馬である。

こんな破壊的ラップを刻む決断をし、そして結果も残した。これだから武豊は怖い。

そうね、武豊阪神内2200mをどのようなペースで逃げるのか、てことをまるで考えていなかった。このコースを平凡なスローペースに落とすのが武豊であるはずもなく、キタサンブラックは今春のレースを終えるのだから、大阪杯の様なThe前哨戦をしなくてもよいのだ。

もう一度マリアライトに話を戻すと・・・

やっぱりこの配合で「切れ負けする牝馬」であることは考えづらく、有馬記念の惜敗っぷりは不思議であった。けれど切れない牝馬であることを前提とすれば、負荷の強いG1レースしか勝てないということに納得が出来るし、負荷の弱い牝馬路線を避けて進むことにも納得がいく。

俺が過去に見てきた・・・といっても3年ほどの競馬歴であるが、その中にマリアライトの様な馬はいない。何が表現されてこんな持続力が発揮されるのか検討がつかない。

結局、クリソプレーズは名繁殖であることだけが証明され、アロンダイトのことが悔やまれる。姪っ子のマリアライトが父ディープインパクトでこれだけの活躍をしたのだから、ディープ繁殖を相手に活躍馬を出した可能性は否めない。

リアファルタップダンスシチーを細身に、胴長にしたイメージ。ただクリソプレーズは前脚の作りばかりはきちんと産駒に伝える様子で、マリアライトは前脚だけタップダンスシチーRibotNever Bendという感じで、この情報だけを鑑みれば宝塚記念の道悪を押し切るのは当然かもしれない。

決してスピードの持続力に優れた配合ではなく、あくまでもラトロ的なパワーに優れた配合と言うべきかと。良馬場のG1なら案外だろう・・・が、それでも開催末期ならそこそこに走る。完全良馬場ではG2でも勝ち切れない弱さは抱えているはずだ。

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