砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

ネコワールドの血統チェック 函館2歳S

函館の最内吉田隼人というだけで買えそうな雰囲気がある。ネコの馬だから出して行って妙味があるタイプに思えるが芝1200mを先行できる能力があるのか。出しにいけなきゃ吉田隼人では旨味がない。

母父サクラバクシンオーということで先行力はありそうだ。父ノボジャックというのは謎の存在感たっぷりで、明らかにダートタイプの種牡馬である。08年から今年まで芝で挙げた勝利は僅か5勝。ダートでの勝利が43勝であるから差は歴然である。

ノボジャック自身はJBCスプリント勝ちのダートスプリンターで、ダートマイルの勝ち鞍はヒヤシンスSにとどまる。実績馬ではあるのだがフェブラリーSでは惨敗を繰り返した過去があり、彼はピュアなスプリンターであることが分かる。

産駒はその傾向を継ぐようにスプリンターばかりが揃う。それもやはりダート馬が多い。芝勝利を収めた馬の傾向は分かりやすく、勝ち馬3頭の内2頭がNashuaを母から2本引くという「4分の3Nashua、4分の1非Nashua」というニッチな配合であった。残る一頭がダート未経験の芝3勝馬で、これは母の父にトニービンを引く。

母父トニービンの配合を持つ馬は芝3勝のメモリーパフィアとノボプロジェクトの2頭だけ。プロジェクトは僅か7戦のキャリアで競争人生を終えてしまったが、故障前までは新馬戦の失格を除いてオール着内という有望なダート中距離馬であった。この新馬戦は三浦皇成の名とともに伝説とされるレースで、かの有名な9頭落馬事件のこと。超有名。

話を戻す。

ノボジャック産駒が芝を走り、芝のレースを勝とうとするのであればNashuaを引く必要がある。それも合計3本のNashuaを要する。あるいはトニービンの様な強いNasrullahと芝力を近親に保つ必要がある。どちらもクリアしていない・・・とするべきだ。しかしサクラバクシンオーというのは心揺さぶられる。

サクラバクシンオーは基本として芝の系譜である。もっと言うと、日本の芝スプリントの原点だろう。キタサンブラックという素晴らしきイレギュラー(ブラックタイドディープインパクトなどを相手にすると中距離馬が出やすい。またサクラユタカオーの血統はLyphardと相性が良いはずである。持論。)もあるが、ハクサンムーンというスプリンターも輩出した。

当然、父として数多のスプリンターを送り出したし、グランプリボスでマイルG1勝ちも収めた。サンデーサイレンス全盛の世に、サンデーサイレンスと特たるニックスを持たずに、よくもまぁ生き延びたものだ。空き巣的な勝ち方にも思える(サンデーはあまりスプリントで活躍馬を出さなかった。多数の例外はあれども。)が、主流血統に対するアウトブリードっぷりがこの血の真骨頂である。また、それであってもグランプリボスジャスタウェイと叩き合ったのだら限界のわからぬ種牡馬である。

さて、サクラバクシンオーの血を背負って走るのであれば、それはもちろん芝を走らなければならない。なぜならば、サクラバクシンオーはスプリント血統として靭やか過ぎるほどの血統であるからだ。それが活かされた配合をしているのであれば、芝を走るべきだ。特に平坦スプリントを走るべきである。

もちろん「しかし」がつく。「しかし」、母イーグルフォンテンがダート馬である以上は理屈が通らない。この過程とは「Vice Regentノーザンテーストを肝とした相似配合の中で、サクラバクシンオー産駒である母に似た産駒と出た」ということだ。母がダート馬ならばどちらにせよダート馬に出るわけで、さらに言えば相似配合とするにはいささかの無理がある。

ネコワールドに芝を走る素養は備わっていない。

そう断じるがふさわしいだろう。

[fin]