砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

小倉記念がつまらない◯個の理由

小倉は関西馬の出走が多い・・・というのは地理的に当然である。なんたって中央競馬最西端に位置するのだ。美浦から向かうにはあまりにも無理があるし、中京福島新潟とローカルの舞台はあるし、負担を気にするのであれば北海道に滞在して函館と札幌を走れば良い。小倉はあくまでも関西馬の集う舞台である。

ところがコースレイアウトは「ゴール前の登坂のない中山」である。京都内回りにも似ているがロングスパートの効き具合は中山的と言うべきだろう。阪神や中山のロングスパートにおいて、最後の踏ん張りが効かない馬ってのが狙い目だ。

例えばメイショウカイドウ。外回りでは切れ負けするし、中山では踏ん張りが効かないという馬の代表格と言えよう。現役時代にあげた11勝のうち、小倉のものは8勝にわたるという小倉の鬼だ。

ローカルの馬はローカルの中で輝く。例外と言えるのはドリームジャーニーサトノノブレスくらいで、他は夏馬だったりローカルがベストだったりという馬ばかり。井の中の蛙合戦と言うのはあんまりだが、中京で無双の輝きを見せた福永祐一騎手と同じように、それを見て白ける自分がいるのだ。

血統を育てるのは競馬場だ。例えば、この世に中山競馬場がなかったら、果たして競馬ファンオルフェーヴルゴールドシップにこれほど熱狂しただろうか。凱旋門賞を勝ちきれなかったオルフェーヴルが「それでもお前が最強だ」と言わしめるレースを見せることもなかった。ゴールドシップの変態性が現実ほどに際立つこともなかった。

実際にこうなったのは、中山競馬場が日本の競馬場において重要な立場にあり続け、中山の大レースで種牡馬の地位を得た血統馬、あるいは中山のレースで実績を稼ぐ種牡馬の存在があったからだ。中山が血統を育て、血統は中山を勝ち続けた。その果てにゴールドシップオルフェーヴルがある。

(もちろんオグリキャップとかシンボリルドルフとかグラスワンダーとかダイワスカーレットとかジェンティルドンナとか、たくさんいる。ダイユウサクもいる。マツリダゴッホもいる。)

それじゃ、小倉にそれがあるのかって。ね、そういう話。

盛り上がらないよね。気持ちが。小倉を勝ち続けた血統の行き先はどこなのだろうね。海の先に繋がるわけでもなく、未来に繋がるわけでもなく。ただ途絶えるだけよ。小倉記念を勝つ馬の血統は途絶える。そういった意味の例外は、格の勝ち切りドリームジャーニー、ただの一頭にすぎない。

だからベルーフには勝ってほしくないよな。京成杯を差し切った馬がこんなグラパゴスな条件にすっぽりハマってしまうことなど、あってはならない。もっと格式高い立派な、G1の栄光に繋がるレースできっちり勝ち切って欲しい。

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