リヤンドファミユはドリームジャーニーとオルフェーヴルの全弟。しかしその血統に見合わぬ走りぶりに口さがない人たちは「駄馬」と囁きあった。「とてもドリジャニとオルフェの弟とは思えない」
ところが今年の2月上旬。早春S、東京2400mを快勝したのである。モチジュン先生は「愚弟やないで、ステイヤーやで」という記事で大阪ーハンブルクCの予想を掲載されて、その文章内にてリヤンドファミユを 「体型的にはやはり全兄たちと同じくノーザンテーストのクロスの影響が強いけれど、体質的には最もステイゴールドに近い馬なんじゃないかと思います。」 と評された。
ステイゴールドはサンデーサイレンスの靭やかさだけを抽出した様な馬で、その靭やかさは三冠馬を輩出する程度には見事なもの。その靭やかさの分だけパワーに欠けているのがこの馬の魅力であるが、そのあたりのエピソードは有名なので割愛する。
勝てない強い馬だったステイゴールド。天皇賞春秋連対とか実に微妙なラインですごいことをしたり、最後はきっちり香港ヴァーズ（一応はG1、というくらいのレベル）を勝ち切ったり、そしてDSCでは当時の最強馬候補その一であるファンタスティックライトを差しきる偉業を成し遂げたりした。素晴らしい靭やかさ、この一芸のみで偉業を成し遂げたのだ。
そのステイゴールドの靭やかさを三冠馬の全弟という絶好のポジションから得ているのがリヤンドファミユである。ドリームジャーニーは分からないが、オルフェーヴルは確かにステイゴールドの靭やかなスタミナを受け継いでいた様子がある。それなら濃ゆいスタミナを期待できそう。
その上で今回の小倉記念への出走である。「なんで札幌日経OPじゃないの？」って話でしょ。非力な中長距離～長距離馬には今の札幌2600mはベストだろう。これ以上の条件はちょっと思いつかないくらいにベストだ。トゥインクル超えを考えるならここでしょ！ってくらいにはベスト。
でも小倉記念なんだよね。相手関係はこっちの方がいいし、配合論と馬齢から考えてみても重賞級が揃ったとは言いづらい。ダコールとベルーフと・・・ってところか。札幌日経は良いメンバーがそろったのだしこっちのほうが楽だろうとは思うよね。
あと、オルフェーヴルやドリームジャーニーがそうであったように切れ負けするタイプである。しかも非力であるから中山や阪神を不得手とする。勝負になるのは京都と東京・・・というのは父ステイゴールドと同じだろう。
その点小倉というのはほとんど香港みたいなものだから、やはり好条件と言うべきだろう。体形がノーザンテーストなので外回りよりも小回りの方が向くってのもオルフェ＝ドリジャニと同じ。ただし・・・小倉を走るにはスピードが足りないかな。2000mの持ち時計が1分59秒2ってのは大問題じゃないかねぇ。
ゲートを出るなら違ってくるとは思うが・・・
オルフェドリジャニの全弟と言ってもね、この靭やかな動きはゴールドシップに通じるものがあるんだ。ゲートを出ないというよりダッシュが効かない。ステイヤーが後方から展開してジリジリと詰め寄っても2000m戦では勝負にならない。
だが小倉記念は単純なスピード勝負ではないのがミソ。ほとんどの場合、2角からの2段スパートで決着するのが面白いところであり、リヤンドファミユに利する要素である。平坦のロングスパート戦ならばなんとかならんでもない。
まぁ無理だけどな。前の馬がへばって壁になり、有力馬が内で満員電車、その外をリヤンドファミユがじりじりと差して・・・というシナリオ、函館重賞の風物詩が小倉で起こればね。
最後に血統論を。
ドリームジャーニーはノーザンテーストクロスのパワー俊敏をよく伝える。オルフェーヴルはまだまだ分からないが、三冠馬らしくオリジナルの影響を伝えることが期待される。ただドリームジャーニーもナカヤマフェスタもオルフェーヴルもゴールドシップもフェノーメノも、種牡馬としての真価が問われるのは初年度産駒が古馬になってからだろう。まだまだ先の話よな。
そのメンツにリヤンドファミユが加わるのも面白そうで、ブラックタイドとまではいかなくともオンファイア、重賞馬の1頭を出すくらいのパフォーマンスはあるだろう。
ドリームジャーニーの弱点は・・・Tourbillon絡みのクロスを加えなければ、その類の靭やかさを抽出することが出来ないことだ。ミライヘノツバサの様にナスペリオンやナスキロの助けを以って靭やかに走らなければならない。（オルフェーヴルはかなり靭やかな産駒を出すんじゃないだろうか）
ところがリヤンドファミユは非ナスキロでこの靭やかさだ。これはもうTourbillon的靭やかさの権化と見るべきで、ヌレサドニアリーをぶつけても靭やかに動いてくれるんじゃないかとワクワクする。
Nureyev≒Sadler's Wells→Northern DancerとSpecialが共通
Nureyev≒エレクトロアート→Northern DancerとLt. Stevens＝ThongとHyperionが共通
Sadler's Wells≒エレクトロアート→Nothern DancerとLt. Stevens＝ThongとHyperionとDjebelとLavendulaが共通
リヤンドファミユ✕クリソプレーズをちょっと見てみたい。
[追記]
いや、サドラーだとノーザンテーストの邪魔をする可能性が大だ。それならFairy Kingの方がよいね。どちらにしてもあんまり面白いことにはならなさそう。
エルコンドルパサーのスタミナはあんまり面白いものじゃないかな？そうなると米血パワーの名血統を相手にしたい・・・であれば、スウェプトオーヴァーボードあたりは悪くないかも？でもこれはダートに向きすぎる・・・。やっぱり芝の血統だからな。
My Babuの配合について勉強をする必要がある。この観点はちょっと新鮮だな！
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