砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

凱旋門賞の馬券が買えるという話

海外の競馬場はよく分からないし、ましてや馬は特にそう。マカヒキエイシンヒカリを見ても海外向きの仕上げがなされている様子があったし、こんなの記念馬券じゃないのか。でも馬券として発行されずにインターネットの馬券だものな。これは面白くない。

ロンシャンはフォルスストレートを含めて長い直線を持っていて、日本でもよく見られる「直線が長すぎてピッチ馬が勝つ」が日常茶飯事だった。また芝が長かったり馬場が緩かったりするとストライドでは届きづらいんだよなぁ・・・。極悪ピッチ娘トレヴオルフェーヴルのワンツーとか分かりやすい。ダンシングブレーヴもピッチでしょ。

だからマカヒキもロンシャンの方が良かったと思う。シャンティイは日本よりやや遅いくらいの馬場で直線は600mほど。スパートが入った状態で登坂を繰り返すのでパワーとかの話ではなく非常にタフな展開が予想される。函館を向こう正面からまくってしまう様な・・・そんなことを可能としなければならない。

オルフェーヴルを筆頭として、次点にゴールドシップ。あとはアルバートとかデスペラードとか、そういったタイプの馬が走りやすそうな条件だ。それもドスローになれば話は違うのだろうけれども。

まぁシンプルにSadler's Wellsの血がベストだよな。ディープはディープでもディーマジェスティタッチングスピーチみたいにジリジリと伸びるタイプの方が走りそう。ジリジリというか、力っぽく伸びるんだよな。マカヒキも力っぽいのだけれどBold Rulerを使った米血統のものであり、またそれで上がり重視になった日本ダービーを勝ったのだ。

ニエル賞から凱旋門賞へ、世界有数の大レースへ格が上がる。前半のペースが上がることに間違いはなく、そうなると坂路の様な地獄の上り坂をまともに行くはめになる。ディープインパクトがそういった流れを得意とするデータなんてどこにもない。函館でさえヒーコラしてるんだもん。

函館函館言っているけれども、日本で最もタフな中距離コースは函館だろう。洋芝ってのもあるし、前半下り、中盤登り、終盤下りというレイアウトは蟻地獄の様。「先行しなきゃ勝てませんよ」というわけであるから意地になってでも前を殺しにいかなければならない。でもマイネルミラノみたいなステイゴールドの一流が前にいたらどうしようもない。

函館記念は素晴らしい展開だった。トウケイヘイロー武豊の騎乗に反論する様な鬼の展開だ。

函館記念2016 12.3-11.0-12.0-12.4-12.3-11.6-11.9-11.7-11.9-11.9 1:59.0

函館記念2013 12.2-11.0-11.7-11.8-12.1-12.1-12.0-12.0-11.6-12.1 1:58.6

13年の武豊は前半できっちり負担をかけて、登坂部分を12秒そこそこで走った。そして終い2Fの下り部分で突き放して快勝するお手本の様な函館二千競馬。

しかし16年に丹内はマイネルミラノの登坂力を信じて登坂部分からペースアップしたのだ。追いつこうにも前が潰れないことにはどうしようもない、そんな展開を作り出した。

日本の馬ってこんなものだろう。3mの高さを3Fかけて登る、それだけでバテてしまうのだ。マカヒキはこれから5F(多分)かけて10mの高さを登るんだぜ。そりゃ11秒台で走るようなことはないだろうけど、12秒後半でじったりじったりと登ることになる。しかも馬場は日本より重い。どうすんの?

そりゃエイシンヒカリという例はある。けれど道悪千八のディープ嵐猫(キズナラキシスを出す道悪配合)と二千四のマカヒキでは信頼度がまるで違う。そりゃディープ嵐猫が世界に通用する道悪巧者っぷりを見せるとは思ってなかったさ。「ディープインパクトすげぇ!」って、ひょえってなったレースだよ。しかしディープ✕フレデピュの中距離配合でガッツリ登坂の二千四を勝てるはずないって。

マカヒキを買う人がいるとしたら、その人にとってマカヒキとは「秋天とJCを簡単に2連勝する逸材」という様に見えているのだ。明らかにマカヒキ東京二千~二千四タイプであり、あとは中山二千二と阪神二千二と・・・そんな感じである。

ニエル賞と同じように上がりにリミットがかかるような展開が望ましいが、「よっしゃ!シャンティイならやりようがあるぜ!」と各国から刺客が飛んでくるだろうし、それらがスローを希望するかといえば、そうじゃないよね。

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