砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

高配当のためにサトノダイヤモンドを疑う

ディープインパクトの素晴らしいところは、Burchclereのスタミナを千八的なものにしたこと。しかしそれだけに牡馬はしぶとく走りすぎるところがあって、Burghclereへニアリーをかまさなきゃ辻褄が合わなくなる。

つまりG1勝ちのディープはあんまり弾けるタイプがおらず、どちらかと言うと中の上くらいの切れで延々と切れ続けるタイプが多い。かといってディープだから~と一言で表せるほど単純に配合が似通っているわけではなく、全兄妹のトーセンラースピルバーグですら切れの質が異なり、キズナマカヒキディーマジェスティディープブリランテと並べてみればより混乱を極める。

そこにサトノダイヤモンドを並べてみると・・・実に軽い。この軽さはHalo由来なのだろうが、その背景にあるDanzigBuckpasserAlydarの存在を伺わせないあたりに凄みを感じる。だがイギリスの重厚さは血統にも見られないし、スタミナ面においてはアウトブリーダーである。

だからディープ特有のぬるい差し味ではなく、米血の熱い切れ味でもなく、なんかこうロマサガ3のデミルーンみたいな切れ方をしている。軽くてきれいなエコーがかかりそうな切れ方。

要するに大物感が足りない。配合の大物感はあるのだが、結果として産まれたこの馬の非力さは実にステイゴールド的だ。繁殖としての価値は高いと思うが、この配合でいったい何のレースを勝てるだろうか。シャティン2000mしか思いつかないぞ。

ステイゴールドほど中距離馬としての素質はなく、あくまでもディープの千八馬。安田記念を中団から差して4着、秋点を差し込んで2着、マイルCS2着、というような戦績になりそうな予感。ジャパンカップ有馬記念でも崩れなさそう。

次世代においては、ラトロと米血統を組み込んでマイラーを輩出する手もある。Burghclereをニアリーして中距離馬を出す手もある。Lureへグラスワンダー的な組み込みを施してまくり馬を出す手もある。Alzaoへニアリーかましてディープ産駒っぽい切れ馬を出す手もある。あらゆる手法でG1馬を輩出するならめっちゃ有能。

阪神二千四では少し勝ち味が薄い配合で、まさにディープの惜敗パターンをなぞる様な配合形。好位の外から展開して持ったままで先頭に立つことは想像がつく。しかしそれでは終いが持つか怪しいし、その想像より2馬身後方にある・・・中団からじっくり控えて馬群に入れてくるのではないか。

登坂で鈍ることは皐月賞とダービーで実証済みで、配合的にもそれは納得しやすい。だがHaloの切れで走るには阪神外回りは直線が長過ぎる。ルメールがなだめてなだめて上手に差してくるのだろうが、それでもナスキロ柔い差しに詰められそう。

Haloの切れだからロゴタイプと同じ。本質としてはミルコでズボッと抜けてそこからあーだこーだと走るタイプである。それがマカヒキとダービーで脚比べしているのだから尋常ではなく、血統ばかりを見れば神戸新聞杯で買うことは出来ないが、あの熱戦を思えば買うしかないのが実情。

G1の東京二千四は決して軽い戦いではない。だからこそエアスピネルディーマジェスティも評価される。

[fin]