砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

ナムラシングン帳~神戸新聞杯理論

ナムラシングンの面白いところはMachiavellian=Coup de Genieという俊敏な血をクロスしていることで、これはディープインパクトAlzaoに相当する。そしてBustinoクロスであるから、ディープインパクト産駒の中でもディープブリランテに近いと言うべきだろう。

ヴィクトワールピサがそうあった様に、英血統と米血統を中距離的に俊敏に動かすのはTeddyであり、その中でもDjebelなどのTourbillonと密接に繋がった名血統が不可欠。

Teddyがきっちり仕事をして、その上でTourbillon。だからヴィクトワールピサの産駒はこの2つのフランス血統をきちんとクロスしていて、ジュエラーなんかは分かりやすくKlaironをクロスしている。ナムラシングンの素晴らしきところはA.P. Indyという名血統を抱えることだ。

A.P. Indyとはつまり、ヴィクトワールピサの6代母PadusのUmidwar=Udaipur2✕3を継続し、またKlairon≒My Babuをも継続する。そしてTeddyの血をLa Troienneへ収束させるSeattle SlewBuckpasserだ。ヴィクトワールピサに相応しい血統と言える。

もしディーマジェスティ菊花賞で破る馬がいるとしたら、このナムラシングンだろうと思う。ここはおそらくダイヤモンドから3馬身は突き放されると思うが、まぁジリジリと走ってくれるだろう。

神戸新聞杯はおそらく34秒の上がり勝負になってサトノダイヤモンドの本領だ。流石にその勝負ではシングンは見劣り・・・いやいや大いに劣るだろう。問題はBustinoクロスのヴィクトワールピサ産駒らしく登坂でどれだけ詰められるかであり、そこで1馬身以上詰めてくれれば本番で本命クラスの扱いが出来る。11F走ったあとにどれだけの余力が残っているか、だな。

ダイヤモンドは母がDainzg直系・・・それも母の直系祖父がLureであるとは思えないほどに胴がゆったりとしていて、その上でDanzig的Halo的に俊敏なはじけっぷりを見せるから化け物。だからここで一頭違う次元の末脚を見せても驚けず、それだけに登坂を含むラスト1Fでの詰められ具合が顕著であるはず。

神戸新聞杯において最も重要なのはこのラスト1Fだ。

一昨年が実にわかりやすい例だ。ダービー馬ワンアンドオンリーと現在の最強惜敗馬サウンズオブアース阪神二千四で堂々と競り合った。ところがどっこい最後の最後、100mにも満たない平坦区間トーホウジャッカルがズバリと切れて並んだところがゴール。ダービー馬を物差しにした面白い神戸新聞杯だった。

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