栄転を遂げたこの新種牡馬は母クラウンピースがSeattle Slew✕Mr. Prospectorというアメリカの大血統の組み合わせ。さらにSix Crownsの枝葉だからSecretariatの経由はスタミナ面において一流と言える。
Seattle SlewもSecretariatもモチジュン先生が仰るには「オリジナル」のボルキロである。どういう「オリジナル」なのかを表現するのは難しいが、Bold Rulerを別のベクトルへ曲げた血統であることに間違いはない。大体ではあるけれど、これはスタミナ方向へ動かせるBold Rulerである、と言いたい。
そしてNorthern Dancerとの共存に成功した名血統でもある。つまり、NDの4分の1異系として上出来であるのだ。いや、Natalma≒Cosmahの異系とも言うべきだろう。
父スペシャルウィークは多くの名牝を輩出し、母父としてもヴェルデグリーンやエピファネイアを輩出した。逆に直系としてはイマイチと言わざるをえず、キャンペンガールの力っぽさを変換することが難しいかった。ダートの一流馬を出したほどである。
リーチザクラウンは超弩級の米血統柔らかをぶつけた、これはもう迷配合と言うべきものだろう。一発勝負の共栄配合がピタリとハマって実に変な馬が産まれた。「父のスタミナと母の柔らかスピードが噛み合った千八ストライダー」である。
父のスタミナはえげつない。同じ母Nijinsky直系のダンスインザダークが菊花賞血統としてもてはやされた時期もあるが、それと同じ程にスタミナを伝えている様子がある。この血統で菊花賞を5着に逃げ粘るというのは尋常ではない。母父としてエピファネイアを輩出した布石であった。
Halo、Bold Rulerでスピード血脈には困らない。クロスし易いSecretariatもあれば、単純なサンデーサイレンスクロスでも勝ち馬を出している。頑強さはNijinsky絡みで補完するのがベストで、これはMr. Prospectorとも脈絡するから・・・おそらくNureyevやSadler's Wellsも機能するだろうけど・・・、NijinskyはいじりがいのあるND系なので、こちらもクロスを入れたい。
The MinstrelやNight Shift、そしてノーザンテースト。あとStorm Birdを入れても良さそうである。ダンスインザダークもノーザンテーストのことがきらいではなかったし、ここらへんが使いやすいのではないかと。
ただ、単純にナスキロ血脈を組み込むのは難しそう。靭やかな体質だからダートの馬に出すのも難しそう。基本は芝だろうし、外回りベターなのも間違いない。距離はまだ分からないが、適性はずっと絞られるのではないかな。
自信がきさらぎ賞勝ち馬であるし、狙い所は京都外や新潟外かと。京都千四で特注になるかと思う。
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