砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

レインボーラインを買いたい気持ち 菊花賞予想

ステイゴールドはスタミナ種牡馬という見方も出来て、中距離チャンピオンを複数輩出した名血統。ナカヤマフェスタ宝塚記念勝ちの他に凱旋門賞2着)、フェノーメノ春天2連覇)、ゴールドシップ皐月賞菊花賞有馬記念宝塚記念2連覇、春天)、オルフェーヴル(三冠、有馬記念隔年2勝、宝塚記念)、ドリームジャーニー朝日杯FS有馬記念宝塚記念)、あとは障害のマイネルネオスとオジョウチョウサン、牝馬レッドリヴェール阪神JF)。

グランプリという舞台では最強の血統と言えるが、本質としては靭やかで、外回り重賞勝ち馬も珍しくない。春天は合計3勝、菊花賞馬も2頭輩出し、ナカヤマフェスタ凱旋門賞2着である。外回りで買えないのは単純に、サンデーサイレンス系としての瞬発力に欠けるからだ。

ド瞬発してG1を取った例はただ一つ、11年の有馬記念オルフェーヴルだ。あとは朝日杯FSドリームジャーニー阪神JFレッドリヴェールくらいで、東京二千で行われた渋り皐月賞ですら34秒2の上がりで勝利した。

2着に終わった例としてはフェノーメノがダービーで33秒9、秋天で33秒8の上がりを使った。しかし勝ち切った青葉賞セントライト記念、連覇の春天いずれも34秒以上の末脚である。瞬発戦になるとどうしても脚が足りない。

ところが瞬発戦の鬼ディープインパクトの産駒と、持続戦の鬼ステイゴールドの産駒には共通点がある。両者とも、ピッチ走法とストライド走法のどちらにも傾倒しない種牡馬なのだ。例えばオルフェーヴルドリームジャーニーアッシュゴールドリヤンドファミユ、例えばトーセンラースピルバーグ、例えばドナウブルージェンティルドンナ、例えばリアルスティール=プロディガルサン=ラングレー。

ピッチで走るほうが化け物に出るというこの図式は面白い。正確に言えばピッチの上げられるタイプか。父ちゃんの靭やかさがあるのだから、それを糧に俊敏に動いた方が良い・・・ということなのかな。

それでも中距離に留まるディープインパクトの中距離的スピードは尋常ではないが、何を母体としても靭やかさを忘れさせないステイゴールドのスタミナも尋常ではない。キャットコインが靭やかに東京マイルを差し切った時には興奮したものだ。

凱旋門賞の3着馬、Order of St.Georgeの配合とフェノーメノの配合は似た感じがある。母の父に強烈なスピードを抱えるも、父の靭やかさが勝って長距離G1を勝ち切った。母父Gone Westゴールドカップ勝ちって本当に意味不明だわ。

DanehillGone Westには大負けするがフレンチデピュティもスピードを伝える。ただ回転力というよりも体格としてのパワーを補完するところも強く、BMSトップ3頭はウリウリ=マカヒキショウナンパンドラでディープだけ。4番目に姉であるアニメイトバイオが入る。

芝もダートもオッケーで、距離の長短も問わない。あまり主張しないところがあるからそこまで強いスピードは伝えないだろう。ディープ3頭も差し馬だし、差しに回って上手いこと走るタイプが多いのもフレンチデピュティの魅力。ノボリディアーナとか。

だが母父バクシンオーだからって強い先行力が引き出されるわけでもなく、例えばディープ驀進Danehillの差し馬だっているのだ。キタサンブラックハクサンムーンといった例が目立つけれどな。

俺の「Solario馬集」にはそのキタサンブラックハクサンムーンがあり、そしてもう一頭ヤングマンパワーがある。細身の馬体、血統表の要所に散りばめられたSolario、Lavendula牝系のスピード、Tourbillonの靭やかさ。その端正な馬体には似合わない粘着質な切れ味は立ち回りを至上とし、名手との出会い無くしてG1を取ること叶わない。

個人的な考えを言わせてもらうと、ハクサンムーンは決して逃げ馬ではない。ちょっと卓越したテンの速さと、ちょっと素晴らしいスプリンターとしての能力が、この馬を逃げさせてしまった。ハクサンムーン16頭でレースをしたら好位に控えたハクサンムーンが勝つだろう。

最後に脚が鈍るのは逃げ疲れってのもあるだろうが、気性の面もあると思う。標的を持たない分だけ気持ちが鈍るんだと思う。「俺が一番だぜヒャッハー」という馬ならもうちょっと違う側面を見せても良い。抜かれてももうちょっと頑張るなんてのは逃げ馬の気性じゃないだろう。

そこにレインボーラインを加える・・・という話ではない。加えるならステイゴールドだ。

現代日本競馬はTurn-toありきとも言えて、それはRoberto傾向の菊花賞も同じ。菊花賞上位陣のスピードは殆どがTurn-toのものだ。断言する。

Turn-toって何なんだ、って話になれば、血統をかじる人間はたいていLavendulaの素晴らしさを説くはずだ。欧州スピードの権化にして、Hyperionなどのスタミナとも親和性が高い。そのくせ米スピード業界にも顔を出す化け物繁殖牝馬

菊花賞はLavendula姉さんに挨拶を済まさなきゃ勝てない。間違いない!調べてやる!

続く

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