砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

ショウナンパンドラが引退

ジェンティルドンナハープスターなどピッチ走法の強豪を輩出するディープインパクト牝馬にしては珍しいストライド走法の馬だった。3歳頃は緩慢で全身運動なストライドであったが、本格化を果たしてから強靭に動く「Theノーザンテースト」の牝馬に。ゴールデンサッシュの成長力を見せたオールカマーの快勝劇は記憶に新しい。

ノーザンテーストVice Regentディープインパクトに重ねたG1馬はこの馬だけであるが、ほとんど似たような働きで菊花賞春天を勝ったブラックタイド産駒にキタサンブラックがある。レインボーラインも似たようなことをしている。

サンデー系においてこのニアリークロスは決して珍しいものではないが、父母間のナスキロクロスを行っているのは実に珍しい。その点においてショウナンパンドラは靭やか過ぎる馬体から抜け出せないのではないか・・・というのが秋華賞における軽視の理由であったが、まぁまぁ最内からビュンビュン抜けてきたよねぇ。

レース映像を見返す度にハイペースの秋華賞であんなキレッキレに動いて差し切る動作が衝撃的で、それはジリ脚のヌーヴォレコルトとは好対照であった。完成形にあったハーツクライを未完成のディープインパクトが差し切ってしまう。もし中山二千であったならば互いの父が争った有馬記念の様に差し届くことはなかっただろうが、京都二千ではこの結果になることは自明の理であったかもしれない。

三度目の変化をこの秋には期待していたのだが残念なことである。今春の東京は馬を壊しすぎる。まさかディープインパクトの名牝古馬まで壊すとは思わなんだ。逆を言えば、それだけパワーとスピードを両立したタイプの馬が活躍しているとも言えるが。

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