砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

スーパーホースの条件

netkeibaで「スーパーホースが出にくくなった訳」という記事が掲載された。

タイミングというものはあると思う。ディープインパクトオルフェーヴルも勝った相手がG1をいくつも勝つような馬であったかというと怪しい。個人的な趣味としてウインバリアシオンを強く支持しているものの、これが果たしてそういった馬であったかと言うと微妙な気も。オルフェがいなければ2勝や3勝はしていただろうけれど、G1馬を退けて戴冠するイメージはあまり沸かない。ショウナンマイティとしのぎを削っていそう。

ディープインパクトは「結晶」と褒めるに相応しい名馬である。それは血統としての価値を考えても正しいのだが、スーパーホースと言うべきでもないかと。何故ならば、それを有馬の舞台で破ったハーツクライ種牡馬として成果を収めているのだから。ほぼ同格だろ。キングカメハメハともね。それに血統から言えば三冠馬を輩出したステイゴールドも候補に挙がる。

キタサンブラックに今年先着した馬はサトノダイヤモンド、アンビシャス、マリアライトドゥラメンテの4頭しかおらず、それぞれの武器ってものがある。サクラバクシンオースプリンターズS勝ち馬をなかなか輩出しなかった傾向をブラックも受け継いでいて、登坂での勝負だと最後の最後に劣る。ドゥラメンテを除いて先着馬は、というか負けレースの勝ち馬はディープインパクト産駒で占められているのはそれが理由。

ディープインパクトが今年の大阪杯宝塚記念有馬記念を勝てるかと言えば、よく見積もっても五分五分でおそらく勝率は3割ほどに収まるだろう。ディープインパクトの持たざる要素を補っているからこそ産駒として優秀なのである。キングカメハメハドゥラメンテの関係にしたって、東京二千四ならドゥラメンテが有利だ。

どうしてもディープをスーパーホースとすることに納得がいかない。

また、この記事の大きな間違いは、レースという規格を考えていないことだろう。

レースの中において三冠だとかのファクターがあるわけで、人間が可能な限り優秀な血統を選抜するためにそれがある。レースで結果を残したものがスーパーホースなのではなく、その選抜をくぐり抜けた上で血統を紡いだ馬こそスーパーホースなのである。

人間の歴史と同じ、いいや、それよりもずっと厳格にスーパーホースというものは定められている。たまたま決められたレースの中で、結果を残したものをそう呼ぶのはお門違いなのだ。現代において最新のスーパーホースというのはサンデーサイレンスやSadler's Wellsなどだ。ディープでさえもまだそう呼ぶには早い。

ディープインパクトを例に挙げたことが間違いだ。競争におけるスーパーホースを語るのであればテイエムオペラオーアグネスデジタルエルコンドルパサーなんかの方が適任だった。ディープはそりゃ走りも凄まじいものがあったけれども、真髄は種牡馬、血統としての価値にあるだろう。だからこうやって血統ファンが一人相撲をやることになる。

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