砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

謎に包まれる2017年クラシック

3歳牡馬の総賞金ランキングは以下の通り

1位 サトノアレス(朝日杯FS

2位 モンドキャンノ京王杯2歳S

3位 レイデオロホープフルS

4位 ブレスジャーニー東スポ2歳S)

5位 トラスト(札幌2歳S

6位 カデナ(ラジオN杯京都2歳S

7位 ボンセルヴィーソ(朝日杯FS3着)

8位 マイネルスフェーン(ホープフルS2着)

9位 レヴァンテライオン函館2歳S

10位 タイムトリップ(カンナS)

11位 エビカリス(北海道2歳優駿

12位 マイネルバールマン(クリスマスローズS

13位 カシノマスト(ひまわり賞

14位 ローズジュレップ(兵庫ジュニアグランプリ

15位 シゲルコング(全日本2歳優駿2着)

16位 シゲルベンガルドラ(寒椿賞)

17位 キングズラッシュ(芙蓉S

18位 ディバインコード(京王杯2歳S

19位 ヴァナヘイム(ラジオN杯京都2歳S2着)

20位 メイソンジュニア(福島2歳S

OP戦勝ちとG2連対で賞金を稼いでいる馬が並んだ。これらの中で皐月賞東京優駿で買える馬はホープフルS京都2歳Sの馬になるかと。ホープフルSのG1格上げが検討されているだけに馬の使い方がとても限定的になっている。

クラシックだけを見据えた馬はまだ重賞にすら出していないだろうし、ホープフルSでさえ時期尚早とする陣営も多いだろう。2歳戦はあくまでも早めの動き出しによってクラシック路線を確保する狙いに過ぎず、本命どころは明け3歳から段階的に動いていっても間に合う。皐月賞すら間に合う必要のない馬というのがいるのだ。2勝で京都新聞杯の切符は確保出来るし、1勝でも抽選枠に入る。プリンシパルSならば1勝でも出走圏内だ。

理想はやはり共同通信杯きさらぎ賞あたりを勝って短期放牧を挟み皐月賞へ、そこから更に上昇させて東京優駿へ挑むパターンだ。体質の弱い馬なら弥生賞からまっすぐ東京優駿へ行くくらいでいいだろう。2勝マストのパターンではあるが。

つまり未だに出走すらしていない馬がダービー馬の栄冠を手にする可能性があるわけで、それはまぁフサイチコンコルドを例にするのもあれだとは思うけれども、うん、そんな感じ。

フサイチコンコルドは明け3歳の1月5日にデビュー。アグネスフライトが2月6日。5月20日にデビューし28日にダービー馬となったクモハタが歴代最速ウィナー。)

とは言っても多くのダービー馬が2歳のうちに1勝をあげている。年を越して重賞やOP戦を制し、弥生賞スプリングSから皐月賞へ挑んだ。そして、満を持してのダービー獲り。

つまり10月~12月に1勝している素質馬の中にダービー馬最右翼が眠っていると言って過言ではない。皐月賞も大した価値がないのだけれども三冠のことを考えたらこの上なく重要なレースなんだよね。

4月に中山2000mで覇を競うことに大きな意味がある。

話は変わるが俺はプロ野球クライマックスシリーズを肯定している。何故ならばそこに「リーグ優勝かつクライマックスシリーズ全勝チーム同士の日本シリーズ」という素晴らしい可能性が秘められているからだ。

ロマンが過ぎる話である。俺は別に野球少年でもなかったしプロ野球ファンでもないからロマンを求めがちなことを承知されたい。そもそもファン及び現場の人間でもこのロマンを否定することは出来ないはずだ。

俺は一般人としてその対決に夢を見る。オリンピックやワールドカップなんざ相手じゃないぜ。日本中が湧きに湧く素晴らしい勝負がそこにはあるはずさ。どこのチームのファンだとかの垣根を超える説得力がそこにはあるはずだ。それって重要でしょ。

競馬も同じ。ドゥラメンテの評価ってのはレコード勝ちのダービーもさることながら、完璧な騎乗で突き抜けたリアルスティールを赤子扱いした皐月賞にこそ認められる。ディープやキンカメという名馬を超えたパフォーマンスを東京2400mで披露することもそりゃ素晴らしい。だがその能力を以って未来のドバイターフ勝ち馬を、その土俵でねじ伏せたことがえげつない。

この馬の限界を見ずに終えてしまったことは大きな損失だ。ジャパンカップに出走していたらキタサンブラックをいとも容易く交わしてしまっていただろうし、有馬記念でもサトノダイヤモンドをねじ伏せていてもおかしくない。菊花賞馬は春天だけで遊んでいなさいな、とダービー馬の説得力を見せたのではないかと。

それほどドゥラメンテは頑強で靭やかで鋭くて・・・そして豪快な馬だった。エアグルーヴ一家としては有馬記念はちょっと怪しいかもしれないが、一家の名にかけて東京だけは譲らない。秋天だろうがJCだろうがなんでもござれだ。

それだけに宝塚記念が残念だったが・・・。あれほどの爆発力を持ってしまうと気性や脚元に問題が起こってしまうのは仕方がないだろうなぁ。よくよく考えてみるとあの気性は皐月賞勝ちに相応しいものがあったかな。

過去に物腰の柔らかい馬が皐月賞を制した例というのは・・・少なくとも直近の5年においてはないか。道悪を制するほどの前向きな気性を持っていたり、靭やかに動くくせに気性で身体を回転させる様な変態が2頭いたりするくらい。極めつけはゴールドシップだものねぇ・・・。

そうだな、ロゴタイプイスラボニータドゥラメンテらを筆頭にナスキロ柔さを持つくせに気性の炎によって瞬間の脚を繰り出す変態が勝つイメージが強い。その炎はおおよそサンデーサイレンス的であって、落ち着かせてみると案外のんびりと走る。

その気性がディクタスでも代用が効くってことがオルフェーヴルゴールドシップで証明された。キャプテントゥーレアンライバルドを見る限りではFair Trialの気性でもイケるみたいだ。

よし、今年の皐月賞予想のテーマはこれだな。最も熱い馬が勝つ皐月賞。早いにせよ、速いにせよ、気性が大切だ。のんびりした馬がこの時期にG1で戦えるだけの成長をするはずがない。のんびりした馬が土壇場できっちりと鋭く走る道理もやはりない。

そう考えればリアルスティールマカヒキトゥザワールドなんかは気性の厄介さに欠けていた。あ、いや、あの・・・エピファネイアにそんなことはないけれどね。むしろロゴタイプより厄介だったな。

東京優駿というのはあまりそういった気性を要求しないかな。いや、必要ではあるのだけれども皐月賞ほどではない。近年は外差しが届かなくなっていることもあって展開が前のめりになっている。だから気性というよりも距離適性や外回り適性の方が重い。

3歳馬が速い展開を走る。馬群を嫌っていては話にならず、そこから抜け出るにロスがあってもならず、抜け出る脚に瞬間があってもならない。他馬を競り落とすニアリー欧州競馬が待っている。

その点においてディープインパクトの中距離牡馬ってのはドンピシャだよなぁ。スタミナに関して強いバックボーンを持ち、Halo≒Sir Ivorの靭やかさもある。これ以上ない。

これを凌ぐとすればよほどの好配合馬でなければならない。単純なニックス配合の、その先にある見事な配合でなければ。しかもダイワメジャーなんかの種牡馬ではまず距離が足りない。東京優駿の舞台に適した好配合+αであることが最低条件となる。

それで社台系のディープたちに太刀打ちしなきゃならない。それなら種牡馬から考えるべきである。大阪杯まではほとんど予想に時間を割かないだろうし、そこんとこをよくよく考えよう。

とりあえずはハービンジャーだな。

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