砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

シンザン記念の出走馬を表面だけ

アルアイン  脚長だが胴は短い。柔らかい動きをするが可動域はそこまで広くなく、トップスピードは秀でていなくとも末脚の繰り出しに妙がある。本格化すればリアルインパクトサトノアラジンの間くらいの脚質になると思う。 イエローマジック  これを東京千四で卸したのは好采配。ナスペリオン的に靭やかでありながらも前脚の動きは硬く、また短足で胴の詰まった体型を取るのは理に適っている。若さに猛った末脚は田辺のエスコートと思えば納得であり、またこの靭やかさは短距離Tourbillonの助けもあって総合力に長じる。京都は合うと思うがマイルよりスプリントだろう。 エテレインミノル  母がKris S.×Habitatだから平坦大好き。ミノルの馬らしくスタミナがあって靭やかに動き、中距離くらいの距離がある方が走りやすい。Robertoを持つ平坦巧者となると菊花賞で狙いたくなるが、ディープブリランテという種牡馬がそこまでの器を持つのかはまだわからない。 キョウヘイ  リーチザクラウンに対してダンスインザダークというのは面白い。サンデークロスを除けば完璧にダート馬の配合形であるから、サンデークロスの好条件に適う。ただ千両賞の登りっぷりを思うとMr. Prospector×Roberto×Nijinskyクロス+Tom Foolの良さが表現されているし、京都マイルならドスロー希望だろう。 ケンシン  ゴスホークケン産駒であるが、その頑強に抗う手段を持っていない。ダートで初勝利というのは納得が出来るし、Buckpasserクロスがいい味を出している。大体は相似を取っているから京都というよりも父の競走実績の通りに中山の方が走りやすいだろう。だが阪神千四でこの走りならばやはり砂に専念した方が良さそうだ。 コウソクストレート  母がCaroとNDのクロスを基とした相似配合であり、それを完全にアウトとした父ヴィクトワールピサってのが素晴らしい。また父はスピードに欠ける種牡馬であるから母父にマイラーを配したことも褒められる。ハイインローの観点からは持続力に欠けるところがあるものの、Umidwarとシンボリルドルフというのはゴールドシップ的なスタミナが伺える。東京よりも京都の方が走るはずであり、ここで人気になるのは当然。 タイセイストーリー  4分の3兄にはミッキーアイルがある良血。マンハッタンカフェの突進力がフルに活きる配合と言えて、これは阪神千四巧者の匂いがする。外回りより内回りの方が買いやすいが、スローの先行から弾ける脚はあるだろう。 テイエムアニマンテ  カネヒキリフローラルマジック産駒のナリタトップロードを配したのだからそりゃダートに出る。色々と面白い仕組みが見受けられるが統一性に欠ける母においては何らかの大技ニアリーが欲しいところだ。ミスプロアファームドでダートの短距離がベストなのは確か。 トラスト  サンデークロス馬において特別な存在。スクリーンヒーローの持つSardnapaleの緊張と緩和において、最も理にかなうのがこのサンデーサイレンスクロスである。グローリサンディは血統の偏りが薄いものの、Royal Chager・Nasrullah・Mahmoud・Perfumeらが独自の路線で働いているために緊張は良策と言える。G1級とは言い難いもののこのパフォーマンスを維持している限りは重賞勝ちの機会にまた恵まれるだろう。 ブラックランナー  ドリームセーリングホエールキャプチャの従兄弟にして同血の間柄。牡馬である分障害で活躍したドリームセーリングに近いところがあるらしく、短い距離での活躍が目立つ。といってもドリームセーリングは平地時代に中距離で活躍した馬であるが。同血の従兄弟に平地と障害のG1級が揃う馬であるが取引価格は1782万円に留まる。しかも北海道トレ。馬体になにか不備がある可能性があるため配合への信頼に任せづらい雰囲気があり、青田買いして美味しい馬でもなさそう。 ブレイヴバローズ  これもやはり典型的な阪神千四マンカフェ。母父Miswakiで父父サンデーだからサイレンススズカと2分の1同血・・・という与太話はさておくとして、稍重京都千四で1分22秒0の勝ち時計は立派。早熟の配合でもない、というかこれダッシャーゴーゴーの弟だから古馬までしっかり楽しめるパターンだ。今はまだHaloクロスの軽さがあるかもしれないけれど、将来的にはAlleged≒Key to the Mintの重厚がオンになる。これが人気薄だなんて勿体無い。 ペルシアンナイト  今年の3歳ハービンジャーでは出世頭。ゴールドアリュールの近親であるがこちらは芝馬。切れ方は中距離のそれであってマイルだとスローでなければ厳しい。3戦は全て序盤からのドスロー戦であるから先行力の裏付けは薄い。ハービンジャー特有の負け方をする可能性が大であり、人気を背負うほどとは思えない。 マイスタイル  母ファーストナイナーは血統通りのスプリンター。血統構成からしDanzigがオンになりやすそうであるから当然とすら言える。その息子マイスタイルもやはりDanzigがオンになった馬なのだが、父ハーツクライである分だけ距離が持つ。掻き込み走法で阪神千八を後出しで差し切ったのだから素晴らしいパフォーマンスだ。これは少なくともオープンまで行ける器。ここは試金石の一戦であり、狙いはやはり中山千八~二千。 ミルトプリンス  マイスタイルと血統構成が似ているがサンデーが入らない分だけ扱いづらいところがあるかも。気性が荒いというよりも難しい馬みたいで、若いうちはパフォーマンスが安定しないかもしれない。前走は大穴馬券を演出する逃げ切りを果たしたが血統からすれば前から競馬を進めるのは向いているだろう。中山千六で狙いたい。 メイショウソウビ  親族に多くのG1馬がいるTwo Bob一家の出。プリサイスエンド産駒としては中の上というところで、上の下へ上がるにはNijinskyが欲しかった。ただ、それがないからこそ芝を走っているとも考えられる。芝を走る上ではこの仕組みでいいのかもしれない。幸四郎の京都外千六ならば買いたい気持ちもあるが、逃げ先行ならば阪神の方が妙味がある騎手でもある。馬もまた平坦より登った方がいいだろう。 [fin]