砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

エトルディーニュ強豪馬説

エイシンサンディは14年の種付けを最後に種牡馬を引退した。14年の種付け頭数は3頭、中央登録馬はエトルディーニュだけである。

それが思いの外勝負になっている。東京のスロー戦ではハズレがないことはもちろん、負けた相手はソウルスターリング阪神JF勝ち)・ペルシアンナイト(ハズレ無しハービンジャー)、サトノアレス(朝日杯FS勝ち)、ダイワキャグニー(2戦2勝の好配合キンカメサンデー)と強豪揃いなのだ。

あくまでもスロー戦での話であるから強い証拠にはならない。しかしこのまま上昇カーブを描いて成長してくれるのであれば1600万下までは上がってくるだろう。スロー専門とはいっても先行気質なのだから格下相手に勝ちきることは容易い。

さて、最も有意義なことは他にある。母がオペラハウス×スルーザドラゴンでSadler's Wells×Seattle Slew×Prince Johnのニックスを持つことだ。これはファルブラヴやエリシオに近い配合であって、大きなスタミナの供給が見込める。

また緊張と緩和が素晴らしい。

エトルディーニュ自身は「4分の3Hail to Reason、4分の1非Hail to Reason」かつ「4分の3Northern Dancer、4分の1非Northern Dancer」かつ「4分の3Hurry On、4分の1非Hurry On」で、母「4分の4Tourbillonかつ4分の3Djeddah」から「非Tourbillon」のエイシンサンディが組み込まれている。

エイシンサンディDjebelを欲しがる傾向が強く、活躍馬の全てが母にTourbillonを抱えて走った。またセイクリムズンムーティエクロスは極端ではあるが、Wild Riskなどでソフトに仏血統を組み込むことも多い。同時に、プリメロ=AvenaやUmidwar=Udaipurなどの英血統も求めた。もちろんPrincequilloはベッタベタ。

つまりエトルディーニュはエイシンサンディの好配合と言うべきであり、おそらくトラストと同程度の格を持っているのではないかと。競走馬としての格はオペラハウス×スルーザドラゴンが確保しているし、マイペースのスローであるならば距離はもつ。ダービーほど速くなると怪しいが、青葉賞あたりでさり気なく3着を拾うくらいの格はあると思う。

生産の瀬戸牧場はさりげなーくエイシンサンディの活躍馬を輩出していたところだ。コマンダーインチーフ肌を配したあたりからガーネット×ダンシングブレーヴを狙っている気配があるし、今回の様にオペラハウス×サンプリンスの肌を合わせたのも恣意的に映る。つまりエイシンサンディからメイショウサムソン的なものを捻り出そうという意図だな。

母がWild Riskクロス(つまり4分の3Rialto・・・)なだけあって前走のゲート出は良かった。逃げさせることを田辺が考えたかは別として、この気性であるならば逃げた方が競馬はしやすいかと思う。マイペースとはつまりそういうことであって、プリンシパル青葉賞で田辺を背に逃げて欲しいのだ。なかなか面白いと思う。

けれど勝ち切りまではない。ブラックスピネルと同じように決め手のない配合であるからだ。ステイヤーとしての格はTurn-to≒My Babu≒Ambiorixが奪ってしまったし、中距離馬としてはMr. ProspectorやHaloのスピードが足りず、短距離馬としてはBuckpasserの不在が響きすぎる。もし牝馬であればいずれの母親ともなれただろうに。

活路があるとすればステイゴールド的な組み合わせによる中距離スタミナの発現。エイシンサンディはそれらに対して無防備であるから受け入れる可能性は考えられる。もしそういう本格化の仕方をするのであれば、惜敗タイプではあってもG3でちょこちょこ馬券にはなるのではないか。

訂正しなきゃならない。そうあってやっとトラストと同レベルだ。

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