砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

仮に小倉千八がハイペースになったとして その2

あらすじ

 「内回り小回りのハイペースは別にHyperionが必要なわけじゃない」

 「でもフォーエバDanzig(激怒)」

 「・・・ストロングタイタンを重賞で買う気しない。そもそもダート馬では」

ストロングタイタンはDanzig×Raise a Nativeのパワーが豊富すぎるし、しかもMr. Prospector×Buckpasserが絡む。Distorted Humorはわりとエンドスウィープに近い方向で配合されたものだが、Danzig×Mr. Prospectorのスプリントの影響からは逃れられなかった。ただ産駒にはそれが伝わった様子があって、中距離の活躍馬が目につく。Regal Ransomもその一頭である。

母父TiznowはGiant's CausewayをBCクラシックで破った馬で、In Reality×Lyphard×Seattle Slewの絡みの良さを証明する数少ない好例。スワーヴリチャードやダノンプラチナの配合が素晴らしいと断じる材料の一つである。

ちなみにストロングタイタンの配合を褒めきれないところにNDが4分の1アウトされていないことがあって、しかもTiznowがささやかに華麗な4分の1Mr. Prospectorを見せている。アメリカ人は本当にMr. ProspectorBold RulerSeattle Slewでアウトするのが好きで、またそれが血統論からしても裏付けのある配合だ。それなのにNDの処理が無頓着、このアバウトさがステレオタイプアメリカ人を感じさせる。

そもそもMr. ProspectorNorthern Dancerを絡ませるのは難しいことなのだ。大体はMr. Prospectorを4分の1アウトにする勢いでHyperionまみれにするし、あとはFlower BowlやFall Aspenといった強烈なHyperion絡みの名繁殖を絡めたりする。Distorted Humorは唯一と言っていいほどの例外であって、これはHyperionではなくGainsboroughを4分の3とした淡き好配合。確かにMr. Prospectorは非Hyperionかつ非Gainsboroughであった。

その点においてRegal Ransomってのは半端なことをしている。Red RansomNearcticが「NasrullahHyperion」の血統であれば良かった。「Nearco×Hyperion」のNearcticと「Gainsborough×(Blenheim+Mumtaz Mahal)」のMahmoudを持つNorthern Dancerってのは、「Nasrullah×Hyperion」の観点においてNearctic≒Mahmoud1×3とも言える。

よって残るNative Dancerの緊張をMr. Prospectorで行っている以上は「Nasrullah×Hyperion」の観点を重くするべきだ。それがNDクロスの肝である。そうでなければキングカメハメハMill Reefを要した理由も、ドゥラメンテが母父にサンデーを据えて「Nasrullah×Hyperion」の切れを充実させた理由も、説明がつかない。(Kahled=Red Ray≒Mahmoud≒Sun Princess

そういうことなのでフォーティナイナーのCourtesyを放置したストロングタイタンに大物感はないなぁと思う。Royal Chager絡みで継続していく手は確かにあるし、そこは褒められるべきことなのだが、やはり父母間で「Nasrullah×Hyperion」のクロスがあっていい。少なくともサンデーを取り込むくらいはした方がいいだろう。

しっかし、ダート馬として考えるにしたって周到に絡み付けられたTourbillonが邪魔をする。Nashuaパワーをメインとする以上は、Tourbillonからの靭やかさに対抗する術がない。そこに「Nasrullah×Hyperion」の相乗効果があれば立派な芝馬として判断出来たのに。

まとめ

・Tiznowの空気読めてない感じがすごい

・「Nasrullah×Hyperion」を継続していないフォーティナイナー芝馬に価値はない

・ダートの方が大成しそうだがTourbillon祭りがワッショイワッショイ

総評

・道悪で美味しそう

さて、話の流れからしHyperionに頼らない配合馬を見つけなければならないが。ダコールは既に明け9歳でパフォーマンスの低下は免れないし・・・無理筋じゃね。

うーん、パドルウィールかな。一度だけ小倉を走っているけれど、3歳の4分の4NDキンカメダンスに対してハナ差2着であれば、4歳クロフネサンデー非NDクロス馬として面目が立つ。かといって成長力に富む配合ではないから上乗せは乏しいのだろうけれど、非NDクロスのクロフネは大概にしてズブくなってから面白い。シンガポールTC賞などを見ても持続戦に適性はあるだろう。

クロフネSeattle Slewの6歳ともなると夏の2000mで狙いたいところであるが・・・Buckpasserで可動域が狭まっていないだけストロングタイタンよりマシだろう。

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