砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

京都牝馬S予想 追記済み

フィドゥーシアに印を打ちたい気持ちはあるのだが、これはDanzigのドンドコ走りを表現しすぎていて、登坂でのアドバンテージが桁外れに高い。名牝ビリーヴの娘がそんなのを伝えればオーシャンSでもCBC賞でも、中京記念でもいける器だろう。セントウルSを勝ち負けするレベルのスピードを持つかは分からない。 ナックビーナスは距離延長の横ノリであるから期待が大きい。だが母父がスプリンターのダイワメジャーであるから千四はスローベターであるし、小回り内回りに特化した配合である。だからこそ横ノリの手腕が光るのだが、勝ち切りの条件は神騎乗と思えば、安易に乗っかることは出来ない。 スナッチマインドは千四に好成績の募るタイプであるが内回りのみの話。ディープ嵐猫は外回りで好成績であるが古馬になると内回りタイプになりがち。それはユルユル過ぎたラキシス古馬になってから丁度良く収まったことからも伺える。母が傍系のパワー米血統が強い配合であり、Northern Dancerも5×5で薄いことからも、阪神千四タイプのディープ産駒であると考えられる。特に道悪であれば安定する。 穴っぽいのはダンツキャンサー。田中学騎手は慣れの分だけ中央騎手に劣るから人気のなさにも納得で、しかも芝の外回りともなれば彼の騎乗馬を支持することは難しい。可能性を見出すのであれば、窮屈な4角を距離とストライドのロスを最低限にする地方騎手特有の差し方だ。適切ではないが資格はある。 にゃーましいのがヴゼットジョリーの姉貴ベルルミエール。ここ5戦は実に安定していて配合からしても京都千四は悪くないし、若い頃もこの条件で2連勝している。晩成の配合であるから明け6歳でも問題はないし、千二より千四の方が競馬がしやすくなった頃合いだ。ただ、京都外千四よりも京都内千四の方がもちろん競馬はしやすいだろうし、それが安土城Sでの不信につながっている。悩ましいのはこれが原因である。だが、それだけでもある。騎手と展開次第でどうとでもなる問題だが、それを頼める騎手が、乗ってくれないんだよねぇ。 あとは・・・テルナミノルエンパイアメーカー×Lyphardはほとんどの条件で複勝ベタ買いマイナスで、ほとんどの条件が単勝ベタ買いプラスという面白い結果が出る。特別戦では37頭走って24.3%の勝率をキープしている状態で、またダートでの成績が非常に良い。人気では弱いけれど穴っぽいところから勝ちきる底力がある。 In Reality×Lyphard×Seattle Slewとまでは行かなくとも、UnbridledBold Rulerを併せ持つエンパイアメーカーならば似た効果が期待でき、そしてこのデータはそれを証明している。だがデータと血統を絡められるのはこの段階までであり、エンパイアメーカー×Lyphardがどの舞台どの距離どういった展開で走りやすいのかの大まかな情報は得られない。弾数が限られている。 少なくともこれは好配合であろうし、身体のあり方を見ても千四で一変する可能性は無きにしろあらずというところ。だが数少ないデータはエンパイアメーカー×Lyphardの千四適性を否定している。ベストは千八であると。 「1400m→0-1-1-11」と「1800m→7-3-4-25」であるからイメージ通りに中距離で使われることが多い。そして千八の多くは京都でデータを重ねている。「京都1800m→6-3-1-5」てなものであるからたまらない。3番4番人気くらいからの勝ち切り率が素晴らしい。 もしこれが札幌千八に偏っていたりするのであれば、京都千四へ話をつなげる方法があった。しかし京都千八に偏っていて条件戦メインの戦績ともなると、前受けスロー巧者っぷりが明らかになりすぎる。スローでの大物食いはあっても速さを問われると弱い、これもやはりイメージ通りである。 それでもエテルナミノルは中だるみのしなかった東京千六でマローブルーを破り、その前走の京都千八ではテンからドスローの淀みない展開でアドマイヤリードを凌ぎきった。オープン級の2頭を打倒したことは褒められる。 だが、エンパイアメーカー産駒とフジキセキ産駒全てに言えることだが、In Realityを持つ以上はTraceryらしさからの逸脱は許されない。必ずRibotPrincequillo、Alibhaiといった血統からそれを補完し、Lady Angelaへそれを供給するのである。この宿命はDeputy Ministerも背負うべきものだ。 だから、という風に話は繋げられない。もう一つの要素としてMagicとSex Appealの存在がある。Buckpasserの名繁殖を連ねることはパワーとしての表現が強いのだが、CequilloというPrincequilloの名繁殖が重ねられるとパワーがスタミナ化を果たす。なのでエンパイアメーカーからスプリンターを出そうとするのであれば、母が非Princequilloであることが望ましい。Tracery血統において最大派閥を誇るスタミナ血統であるから。 この段において「だから」が言える。ボールドリックとMillian MillからPrincequilloを引くエテルナミノルは千四で走るには靭やか過ぎるのである。これを理由にエテルナミノルに印は打てない。 アルビアーノ ◯ダンツキャンサー △ナックビーナス [追記]17/02/18 12:43 京都は稍重なのか。先週も雨であったことを考えると馬場の回復は見込めない。スナッチマインドとエテルナミノル、レッツゴードンキの評価を上げたいところだが・・・。 ギャンブルするなら◎ラインハートだろう。ステイゴールド×クロフネといっても「Nasrullah(Royal Chager)×Princequillo」を母が豊富に備えているから靭やかに切れるタイプ。鞍上の松若もノーマークで外から差させたらそつのない騎手であり、ここは全てが噛み合ったレースになる。本命視はともかく馬券に絡めて損のない馬。 [fin]